「冷血」のカポーティも大絶賛した、徹底的なリアリズム小説を豪華キャストで完全映画化
人を裁くとはどういうことか、本当の正義とは何かという重いテーマを、極上のエンタテインメントとして描いた衝撃の実録犯罪映画が、この『オニオン・フィールド』だ。原作は14年間ロサンゼルス市警察につとめ、デビュー作「センチュリアン」で小説家に転身したベストセラー作家ジョゼフ・ウォンボーのノンフィクション小説「オニオン・フィールドの殺人」。カリフォルニア州で最も長期にわたる刑事裁判となったある事件とその余波に焦点を当てた本作は、“トルーマン・カポーティの「冷血」以来、最高の犯罪記録小説”と評価を得てベストセラーになり、カポーティ自身にも激賞された。本作の映像化にあたり、ウォンボーは自身で脚本を書き、初めて全面的に製作に関わったという。そんな『オニオン・フィールド』が約半世紀の時をへて、ついに日本初公開。

© 1979 Black Marble Productions Inc.
この度、予告編が解禁。1963年のある夜、コンビを組んだばかりの若い警官、カールとイアンは、違反した車を停める。乗っていたのはその冷酷ぶりで仲間からも恐れられるチンピラのグレッグと仲間のジミーだった。グレッグは人里離れたタマネギ畑に車をとめ、イアンを射殺してしまう。実在の悪党グレッグ・パウエルを演じるのは『ヴィデオドローム』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のジェームズ・ウッズ。何をしでかすか分からない凶暴性を持ち、獄中で司法制度を学び自らを弁護するというアメリカ犯罪史の中でも異様な人物を鬼気迫る演技で体現。ゴールデングローブ賞助演男優賞候補となった上、本作がテレビ放映されたことで世論の反発が巻き起こり、実際のグレッグの仮釈放は取り消されたという。実は当初、グレッグ本人に似た俳優が想定されていたが、ハロルド・ベッカーがウッズをキャスティングした。
映画『オニオン・フィールド』予告編
youtu.be生き残った警察官カールを演じるのは『ディア・ハンター』『ゴッドファーザー PART III』のジョン・サヴェージ。PTSDに悩まされ、人生が崩壊していく警察官を繊細に演じる。原作者ウォンボーは徹底したリアリズムを望み、実際の犯罪現場でロケを敢行。ロバート・アルトマンの『三人の女』や『ウェディング』なども手がけた撮影監督チャールズ・ロッシャー・Jrが描き出す夜の暗闇が深く恐ろしい。街での犯罪を描いた前半から、後半は法廷劇へと展開される、さまざまな物語が折り重なる重厚な実録犯罪映画である本作。予告編の最後を彩るバグパイプの音色も印象的だ

司法制度の欠陥や、警察組織の問題、犯罪者たちの心の闇と驚くべき軌跡、ひとつの事件に人生を狂わされた被害者と家族のその後…。人々の人間的な痛みと、アメリカの大地に根差した深い暴力性に切り込み、生々しい肌触りをもって描き上げた隠れた傑作の記念すべき初公開をぜひ目撃したい。

【新宿ハードコア傑作選2】上映作品
『110番街交差点』 Across 110th Street 4/17(金)〜4/23(木)上映
1972 / アメリカ / カラー / 102分
監督:バリー・シアー 出演:アンソニー・クイン、ヤフェット・コットー、アンソニー・フランシオサ
Images courtesy of Park Circus/Amazon MGM
マフィアの私設銀行が警察官に化けた黒人グループに襲われた。怒り狂ったマフィアが報復に燃える一方、メンツを潰された警察もエリート黒人のポープを筆頭に捜査を開始。しかし差別主義者のベテラン警部マテリも黙っておらず、各々の敵意と思惑がぶつかりながら、人種入り乱れた大銃撃戦が繰り広げられる! 『ジャッキー・ブラウン』にも使用されたボビー・ウーマックのソウルなビートに乗せて、タランティーノを超えるバイオレンスと男気が炸裂する快作。『道』『アラビアのロレンス』の名優アンソニー・クインが主演のほか、製作総指揮も務めた。
『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』 The Ninth Configuration ※劇場初公開 4/24(金)〜4/30(木)上映
1980 / アメリカ / カラー / 118分
監督:ウィリアム・ピーター・ブラッティ 出演:ステイシー・キーチ、スコット・ウィルソン、ジェイソン・ミラー
© 2026 American Genre Film Archive © 1979 The Ninth Configuration Company. All Rights Reserved.
『エクソシスト』の原作者、ウィリアム・ピーター・ブラッティが原作・脚色・監督を務めた問題作。人里離れた山奥に建つ古城の療養施設。ベトナム戦争で精神に異常をきたした兵士たちとともに、ロケット発射の直前に発狂し収容された宇宙飛行士ビリー・カットショー大尉も治療を受けていた。そこに精神科医ハドソン・ケーン大佐が着任するが、ケーンはやがて悪夢に悩まされていく。幻覚的な異世界から閉塞感きわまる病院、善悪、光と闇を横断しながら我々の脳内をかき乱す狂気のカルト映画、ついに日本初公開!
『センチュリアン』 The New Centurions 5/1(金)〜5/7(木)上映
1972 / アメリカ / カラー / 103分
監督:リチャード・フライシャー 出演:ジョージ・C・スコット、ステイシー・キーチ、ジェーン・アレクサンダー
Images courtesy of Park Circus/Sony Pictures
元警察官で推理作家、『オニオン・フィールド』の原作者でもあるジョゼフ・ウォンボーの同名小説をフライシャーが無情なリアリズムで描き出す。警察学校を卒業したばかりのロイ、ガス、セルジオはロサンゼルスで最も犯罪の多い地域に配属される。ロイとパトロールのコンビを組むのはベテラン警察官のキルビンスキー。最初の数週間は何事もなく過ぎたが、ある晩ロイは散弾銃で撃たれ重傷を負う。キャリア初期のステイシー・キーチが心身を削って職務にあたる警察官を、ジョージ・C・スコットが引退間際のベテラン警察官を切なく好演。
『ザ・ヤクザ』 The Yakuza 5/8(金)〜5/14(木)
1974 / アメリカ / カラー / 122分
監督:シドニー・ポラック 出演:ロバート・ミッチャム、高倉健、ブライアン・キース、 岸恵子、岡田英次
Images courtesy of Park Circus/Warner Bros.
ヤクザに誘拐された旧友の娘を助けるべく日本を訪れた元刑事のハリー。かつて愛した女性の兄、健から協力を得ることに。ハリーは健から“義理と人情”という観念を習得、二人は力を合わせてヤクザの組織に対決を挑んでゆくのだが…。ポール・シュレイダー、ロバート・タウンの名匠ふたりがコンビを組んで脚本を手がけたことに加え、名優ロバート・ミッチャム、岸惠子、岡田英次という豪華キャストの共演。そして名キャメラマン、岡崎宏三が描き出す、討ち入りシーンでの高倉健最高の美しさをご覧あれ!
『オニオン・フィールド』The Onion Field 5/15(金)~5/21(木)
1979 / アメリカ / カラー / 120分
監督:ハロルド・ベッカー 脚本:ジョゼフ・ウォンボー 製作:ウォルター・コブレンツ 撮影: 音楽:エミール・デオダート
出演:ジェームズ・ウッズ、ジョン・サヴェージ、フランクリン・シールズ、ロニー・コックス
© 1979 Black Marble Productions Inc.
1963年のある夜。コンビを組んだばかりの若い警官、カールとイアンは、違反した車を停める。乗っていたのはその冷酷ぶりで仲間からも恐れられるチンピラのグレッグだった。グレッグは逆にふたりを人里離れた農地へ連行した挙句、イアンを射殺してしまう。すぐに逮捕されたものの、獄中で司法制度を学び、自らを弁護して死刑を逃れ続けるグレッグ。一方、同僚を置いて逃亡したことで世間から冷たい視線を浴びたカールは激しいPTSD に悩まされ、その後の人生を大きく狂わせていくのだった。
提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム



