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ホラー作品が演技部門でオスカーを2つ獲得!

『罪人たち』でアカデミー主演男優賞に輝いたマイケル・B・ジョーダン
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遅ればせながらアカデミー賞の話題を。今年のオスカー、ホラー映画好きにはとても嬉しい結果だったのでは? 最初に発表になったアカデミー助演女優賞『WEAPONS/ウェポンズ』に、魔女グラディスおばさん役のエイミー・マディガンが選ばれ、幸先のいい(?)スタートと思いましたが、結果『罪人たち』がアカデミー主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン)、脚本賞、作曲賞、撮影賞をとりました。また『フランケンシュタイン』が美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞をゲットです。どの賞もすばらしいですが、エイミー・マディガンとマイケル・B・ジョーダンの受賞は嬉しい。昨年衝撃のボディ・ホラー『サブスタンス』の名演・怪演でデミ・ムーアがアカデミー主演女優賞にノミネートされていましたが賞をとれなかっただけにホラー映画で演技部門から2つ賞が出たことは素晴らしいです。
ホラー映画というのはなかなかアカデミー賞で評価されないと言われています。特殊メイクとかの部門では賞をとるし、一応ゴジラもアメリカではホラー映画のジャンルなので『ゴジラ−1.0』が特殊効果で受賞していますが、要は役者部門とか作品賞・監督賞みたいな部門での受賞が少ない。作品賞をとったのは『羊たちの沈黙』とかギレルモ・デル・トロ監督(今回の『フランケンシュタイン』の監督)の半魚人映画『シェイプ・オブ・ウォーター』ですね。あ、『パラサイト 半地下の家族』もホラーといえばホラー。ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』は脚本賞をとっています。ホラー映画というは見世物性が強いエンタメだから敬遠されがち? しかしながら恐怖というのはその時代の世相の不安とかに結びついているわけで、ホラー映画だからこそ描ける、提示できる現代社会の闇もあります。
オスカーに輝いたジェシー、『ザ・ブライド!』にも注目
『罪人たち』で脚本賞をとったライアン・クーグラーは、マーベル・シネマティック・ユニバース/MCUの『ブラックパンサー』の脚本・監督でもあります。今回、この部門のプレゼンターがクリス・エヴァンスとロバート・ダウニーJr.(なんと『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』のドクター・ドゥームを意識して濃い緑と黒のコーデ!)でした。MCUのメインキャストからMCU仲間であるライアン・クーグラーにオスカーが行くのは熱いものがありました。『ハムネット』で主演女優賞をとったジェシー・バックリー。試写で『ハムネット』を観ましたがこの受賞は納得です。というのもこの映画を観ている間に無意識に涙が出てきてしまいました。自分がこの映画のどこに心震えたのかうまく言語化できないんですが、彼女の演技にひきこまれたからかもしれません。彼女のことは異色のホラー映画『MEN 同じ顔の男たち』から気になっていました。その彼女の最新作『ザ・ブライド!』もお薦めです。これも一応ホラー。フランケンケンシュタイン物で、クリスチャン・ベール演じるフランケンシュタインの怪物が自分の伴侶となる女の人造人間を作るという話。この怪物の花嫁として創造された人造人間だから花嫁=ザ・ブライドなのです。とにかくこのザ・ブライドの奔放ぶりが楽しく切ない。『哀れなるものたち』とハーレイ・クインをかけあわせたような感じです。
フランケンシュタイン物の次はミイラ物、そして「エクソシスト」新作
『ザ・ブライド!』がフランケンシュタイン物なら、その後は怖そうなミイラ映画『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』とか悪魔カルトと戦う『ゼイ・ウィル・キル・ユー』等の日本公開が控えています。ちなみに『THE MUMMY~』はブラムハウスも関わっていますが、ここが手掛ける新たな「エクソシスト」映画にはスカーレット・ヨハンソン、サッシャ・カジェ(『ザ・フラッシュ』のスーパーガール!)、ダイアン・レインらが出演。1973年(日本公開74年)の『エクソシスト』の続編とも言われています。この73年版は主演女優賞を始め当時のオスカーで主要部門にノミネートされていました。新『エクソシスト』もオスカーを賑わせるでしょうか?

