韓国を代表する世界的ヒットメーカー、ヨン・サンホ監督が、念願の企画を実現させた衝撃的なサスペンス・ミステリー『顔 -かお-』が8月28日(金)より全国公開。約2億4000万ウォンという異例の低予算で制作され、韓国で観客動員100万人超の大ヒットを記録した本作の魅力に迫る。
画像1: 韓国映画市場低迷の中で“怪物的”大ヒット!異例の低予算で制作されたヨン・サンホ監督『顔 -かお-』が100万人超を動員した理由
画像2: 韓国映画市場低迷の中で“怪物的”大ヒット!異例の低予算で制作されたヨン・サンホ監督『顔 -かお-』が100万人超を動員した理由
画像3: 韓国映画市場低迷の中で“怪物的”大ヒット!異例の低予算で制作されたヨン・サンホ監督『顔 -かお-』が100万人超を動員した理由
画像4: 韓国映画市場低迷の中で“怪物的”大ヒット!異例の低予算で制作されたヨン・サンホ監督『顔 -かお-』が100万人超を動員した理由
画像5: 韓国映画市場低迷の中で“怪物的”大ヒット!異例の低予算で制作されたヨン・サンホ監督『顔 -かお-』が100万人超を動員した理由

『新感染 ファイナル・エクスプレス』の世界的な成功によって一躍脚光を浴びたヨン・サンホ監督は、今や韓国のコンテンツ産業を牽引するヒットメーカーのひとりとして、国内外から注目を集める存在だ。Netflixのオリジナル・シリーズ「地獄が呼んでいる」「寄生獣 -ザ・グレイ-」でも話題を呼ぶ一方、独立系のアート・アニメ作家としてキャリアをスタートさせたヨン監督は、社会と人間の暗黒面を鋭くあぶり出す特異な作家性の持ち主でもある。

そんな独自の世界観と作風で知られる鬼才が『新感染 ファイナル・エクスプレス』以前から構想していた企画に挑んだ最新作『顔 -かお-』は、2018年に発表した自身初のグラフィックノベルの映画化。2025年の第50回トロント国際映画祭「スペシャル・プレゼンテーション」部門におけるワールドプレミアで大反響を巻き起こし、韓国を代表する映画賞の青龍賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など10部門のノミネートを果たした。自らの原点に立ち返ったヨン監督が、まさしく“本当に作りたかった”プロジェクトを実現させた衝撃のサスペンス・ミステリーである。

主人公ドンファンとその父親ヨンギュを演じたパク・ジョンミン、クォン・ヘヒョは、共にヨン監督の過去作品に出演した経験を持つ実力派俳優。とりわけ『ただ悪より救いたまえ』『密輸 1970』などにも相次いで出演しているパク・ジョンミンは、本作で韓国のゴールデングローブ賞とも呼ばれる第62回百想芸術大賞で、『しあわせの選択』のイ・ビョンホンなどを抑え最優秀演技賞を受賞。1970年代の回想シーンに登場する若き日のヨンギュとその息子をひとり2役で体現し、迫真の演技で観る者を圧倒する。また謎めいたヨンヒに扮するのは、ヨン監督の前作にあたるNetflix映画『啓示』で鮮烈な印象を残したシン・ヒョンビン。物語のキーパーソンでありながら“顔”が覆い隠されたこの異色のキャラクターが、観客の好奇心と想像力をかき立て、映画への没入感を高めている。

本作が韓国で公開された2025年は、韓国映画市場にとって停滞した年となった。大手映画館の国内事業が赤字を強いられ、1000万人動員大作がゼロとなり、大ヒット作が不在となったことで韓国国内の映画館や作品制作への投資が冷え込んだ。日本アニメやハリウッド作品が映画館への動員を支えているような状況で、動画配信サービスでの視聴が定着しつつある今、韓国の映画産業は転換期を迎えている。そんな中、新たなモデルケースとして注目されたのが、ヨン・サンホ監督の『顔 -かお-』だ。韓国では、一般的に低予算とされる映画の制作費の規模は40億~60億ウォンとされ、撮影期間は平均50~80日とされているが、本作は、約2億4000万ウォン(約20分の1)の制作費、スタッフ20名で約3週間で撮影した小規模作品。しかし、この作品は、興行収入100億ウォンを超え、100万人を超える動員を達成し、怪物的大ヒットとなった。

日本でも2018年に公開された映画『カメラを止めるな!』が制作費300万円という超低予算の作品ながら最終興行収入31億円を叩き出す大ヒットとなり、日本国内の映画市場に強烈なインパクトを残したが、『顔 -かお-』も韓国映画市場の転換期において特異なケースとして大きなインパクトを残した。

ヨン・サンホ監督は『顔 -かお-』の制作において、「この作品は2018年に漫画という形態で発表させていただいたんです。その時、僕は規模の大きな映画の作品に取り組んでいたので、なかなか規模の大きい映画でこの作品を作ることができませんでした。その時に「ガス人間」の片山慎三監督にお会いして、監督の以前の作品などを見ていたら、本当に小さな予算であるにも関わらず立派なものを作っていらっしゃいました。それだったら自分自身も低予算の映画を作ってみようと思いました。」と日本の低予算映画からも刺激を受けたことを明かしている。

韓国で『顔 -かお-』の大ヒットにつながった要因の一つとして「数字」が作品へ興味を持つきっかけになっている。「世界的なヒットメーカーであるヨン・サンホ監督の低予算の映画の完成度はどれくらいなのか」という興味が需要につながり、口コミで映画の評判が広がるという連鎖をヨン・サンホ監督が実現させたとも言えるだろう。監督は「この経験は今後の活動にも大きな影響を与えると思います。」とインタビューで答えている。

韓国映画市場でチェンジメーカーとなったヨン・サンホ監督の最新作『顔 -かお-』は8月28日(金)より遂に日本公開となる。衝撃的なラストシーンは「最も罪深く、醜いのは誰なのか?」という問いを観客に突きつける。あなたはその顔を、覗く勇気はありますか?

『顔 -かお-』
8月28日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給:ツイン
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