2021年8月、カブール陥落。国家が崩壊し、最後の砦の空港は地獄と化した。迫り来る武装勢力、封鎖寸前の空港、残されたわずか48時間で200人を救出せよ!命を懸けて任務に挑んだ者たちの、実話に基づく極限脱出劇『オペレーション:カブール 極限救出48時間』が、9月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。この度、主演・ガボール・ヤスベレーニのインタビューが到着した。
画像: 「“これは間違いなく傑作になる“と確信できた」『オペレーション:カブール』主演ガボール・ヤスベレーニが語る極限撮影の舞台裏

2021年8月、米軍のアフガニスタン撤退によりカブール空港は国外脱出を求める人々で大混乱に陥る。そんな中、NATO加盟国として現地の治安維持にあたっていたハンガリー軍は、自国民と現地協力者200名を48時間以内に救出するという極限任務に挑む。さらに、作戦を率いるバーリント中尉は、命の恩人である女性医師エステルがタリバンに拉致されたことを知り、彼女の救出にも奔走する。タリバンによる空港制圧が迫る中、彼らは200名とエステルを無事救い出せるのか。本作は、ハンガリー政府主導のもと国防軍が実行した実際の救出作戦「シャーマン作戦」をベースに映画化。ハンガリー軍現代史において最も劇的な作戦のひとつとされる実話をもとに、空港を覆う緊張感、絶え間ないテロの脅威、そしてタリバンとの激しい攻防を圧倒的な臨場感で描き出す。さらに、世界を震撼させた〈カブール陥落〉を本格的に描いた作品が日本で初めて劇場公開される点も大きな見どころ。

『オデッセイ』『ブレードランナー2049』他錚々たるハリウッド大作が撮影地に選んでいるのがブダペスト。その成果は外貨の獲得にとどまらず、撮影や美術をはじめとする各技術パートの技量が飛躍的に上昇している。さらに『MCU』『DCU』『スター・ウォーズ』シリーズなどに参加のスタッフを擁するVFXのスタジオが相次いでブダペストで活動をはじめている。本作ではそうした実力派のスタッフが結集しただけでなく、ハンガリーの国防省と国防軍が全面協力、実際の作戦に参加した兵士を軍事アドバイザーに迎え、俳優たちに所作や戦闘行動など指導した。さらに、ハンガリー軍の現用装備や軍用車両、軍用機を多数使用してリアリティを徹底追求した。すべてハンガリー国内で撮影された本作で、当時のアフガニスタンが見事に再現された。

本作で、極限の救出作戦に挑む特殊部隊隊員・バーリント中尉を演じたガボール・ヤスベレーニは、ショプロンのペテーフィ劇場でエキストラとしてキャリアをスタートさせ、その後、セーケシュフェヘールヴァール、コシツェ、ドゥナウーイヴァーロシュなど各地の劇場で経験を積んだ。フリーランスとして活動するようになってからは、声優としても広く知られるようになる。また、劇団「Másik Produkció」の創設メンバーの一人であり、同劇団では数多くの現代演劇の実験的な舞台作品に参加している。2019年には、その功績が評価され、Péter Vallai賞を受賞した。

主演・ガボール・ヤスベレーニ インタビュー

★なぜ本作の主演を引き受けたのでしょうか? 他のインタビューでは、「肉体的にも精神的にも過酷で、トラウマになるほどだった」とおっしゃっていました。

「トラウマ」というのは少し誇張ですね(笑)。ただ、ハンガリーの俳優を取り巻く環境は、西欧諸国のように恵まれているわけではありません。若手や中堅の俳優が山ほどあるオファーの中から自由に役を選べるような状況ではない、という現実はお伝えしておきたいです。なぜ引き受けたのかと聞かれれば、シンプルにオファーをいただき、自分で出演を決められたからです。私がこのプロジェクトに熱意を注げた理由は明確です。キャスティングが非常に魅力的で、共演者たちの才能にあふれていたこと。そして何より、ゾンボル・ディガ監督の名前自体が、私にとって作品の「質の高さ」を保証してくれたからです。先ほどの「トラウマ」という言葉をあえて良い意味で使うなら、頭に強烈な「刷り込み」がされたような感覚でした。脚本が素晴らしく、スタッフも最高。現場に入ってしばらくすると、「最終的な出来栄えは自分たち次第だ、これは間違いなく傑作になる」と確信できたんです。取り組む価値のあるプロジェクトだと強く実感しました。

★この物語のどんな部分に惹かれたのですか?軍隊やアフガニスタンでの救出作戦といった世界観に、もともと関心があったのでしょうか?

関心はありました。この映画の素晴らしいところは、単に兵士の活躍や救出作戦を描くだけに留まらず、多くのテーマを同時に内包している点です。アクション満載の壮大なエンターテインメントでありながら、登場人物たちの心の内には言葉にならない葛藤や泥臭い思いが渦巻いています。「中身が空っぽの、ただ格好いいだけのヒーロー」を作る必要がなかった。その脚本の多面性に強く惹かれました。

★演じられたバーリント中尉の役作りは、一筋縄ではいかなかったと思います。撮影現場ではどのような困難がありましたか?

一番の挑戦は、観客に「本物の兵士」だと信じ込ませることでした。そのための肉体訓練や軍事教練は非常に本格的でした。これらを「役者が演技でやっている」と思われては失敗です。完全に身体に染み付き、自然に武器を扱っているように見せなければなりません。これは精神的にもかなりのプレッシャーでした。さらに、撮影が10時間を超えると、銃を持つ両手はちぎれそうになります。しかし、その肉体的な痛みや疲労が、逆にリアルな演技を助けてくれました。登場人物たちは48時間眠らずに、絶え間ないストレスと極限状態に置かれている設定です。現場の劣悪な環境や不便さは、私たち俳優にとってはリアルな感情を引き出すための最高の味方でした。

★訓練で得た知識を活かして、ご自身でどこまでアクションをこなされたのですか? またスタントマンとの協力体制はいかがでしたか?

俳優がどこまでスタントをこなすべきかは常に難しい問題ですが、私はできる限り自分で挑戦したいタイプです。そのため、本編のアクションシーンの多くは私が実際に演じています。もちろん、プロのスタントマンの方々と一緒に仕事ができたのは光栄なことでした。幸い大きな怪我はありませんでしたが、あちこち体にガタが来ましたね。でも、それもこの仕事の一部です。

★本作は非常にアクション満載ですが、劇中の描写はどの程度リアルに基づいているのでしょうか? また、撮影はご自身にどのような影響を与えましたか?

特効の花火が使われ、銃声にはすべて実銃の空砲が使用されました。そのため、音の大きさも反動も実弾のようで、信じられないほどリアルでしたね。アドレナリンが出て感覚が研ぎ澄まされ、演技に深く集中することができました。しかし、1日の終わりには腕や脚がもげそうなくらい疲れ果てていました。何しろ終日戦闘服を着たまま動き回り、激しい銃声のせいで片耳が一時的にほとんど聞こえなくなるほどでしたから。

★実際のハンガリー軍や、アフガニスタン任務を経験した専門家も撮影をサポートしたそうですね。

非常に手厚いサポートでした。もちろん、これはドキュメンタリーではなく長編映画なので、時には「現実の構え方よりも、銃を少し高く構えた方がカメラ映えする」という場面もあります。現実でそれをやれば反動で目を怪我するかもしれませんが、映画としての見栄えを優先したい。軍の専門家の方々は頭が固くなく、モニターを見ながら「よし、その方が見栄えがいい。それでいこう!」と柔軟に対応してくれました。お互いのプロフェッショナルな領域を尊重し合える、とても良い関係でしたね。また、軍側もキャラクターたちを「完璧な英雄」として描くことを望んでいませんでした。彼らも人間であり、間違いを犯し、恋をし、弱さを見せ、時に判断を誤る。全員がその人間らしさを理解していたからこそ、深みのあるドラマが生まれたのだと思います。

★このプロジェクトを通じて、最終的に得られた一番の収穫は何でしょうか?

本作はアクション映画ですが、私が特に惹かれたのは、言葉に頼らないコミュニケーションです。ちょっとした視線の交わし合いや、無言のなかに漂う空気感。そういった繊細な表現を作品に盛り込めたことが嬉しいです。同時に、共に時間を過ごした本物の兵士たちを知ることができたのも大きな財産です。私たち俳優が役に向き合うのと同じように、彼らもまた自身の任務に対して限りない献身の精神を持っていました。その共通点を発見できたことは、何よりの収穫です。

★冒頭で「今は役を選べる状況ではない」とおっしゃっていましたが、もし選べるなら、どんな役に挑戦したいですか?

正直なところ「絶対にこの役がやりたい」という具体的な夢の役はありません。ただ、もう少し時間的にゆとりのある環境で役作りをしてみたいです。本作のときは、撮影開始のわずか1ヶ月半前にキャスティングが決まりました。そのため、役作りのための準備期間はあまりありませんでした。例えば、ダークな北欧風の本格クライムサスペンスに出演できたら刺激的でしょうね。そして最後に、ハンガリー映画が「独自の言語(アイデンティティ)」を見つけることは極めて価値のあることだと思います。それこそが、インディペンデント映画が必要とされる理由です。実験的なエネルギーは常に独立した小さな場所から生まれ、それがやがてメインストリームの映画表現をも変革していくのですから。

『オペレーション:カブール 極限救出48時間』
9月11日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:彩プロ 
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