長編映画作品『鉄男』(1989)で監督デビューをするやいなや、ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリ受賞、一躍、映画界の寵児となった塚本晋也監督。その後もベネチア国際映画祭に多数の出品・受賞を重ね、国際的な監督としての実績は高まるばかりだ。新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』(2026)もまた、今年2026年に開催の第83回ベネチア国際映画祭コンペティション部門にノミネートされ、「金の小獅子賞」を受賞し、高い評価を得た。日本公開の折、インタビューが叶った。

ベトナム戦線で加害者となった、元米・海兵隊員の赤裸々な手記に動かされる

『野火』(2015)『ほかげ』(2023)を完成させ、戦争の悲惨さ、恐ろしさを世に問うようにして公開を果たしてきた塚本晋也監督。『野火』製作中に出会った一冊の本から生まれたのが、本作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』だ。

彼をつき動かしたのは、戦争という、個人が抗うことが難しい最悪の情況に追い詰められた人間が、加害者としてのベトナムでの体験を赤裸々に綴った、『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」』(アレン・ネルソン著/講談社文庫/2010年刊行)という手記だった。

元米・海兵隊員で黒人兵のアレン・ネルソンのベトナム戦線での体験は、彼が退任してからもPTSDという心因性精神疾患を発症し、彼の良心を攻め苛む。殺人モンスターになることが讃えられるはずの任務からは逃れたものの、彼が人間としての尊厳を取り戻すための苦悩は、まるで戦争の時の様に過酷なものとなった。その戦争体験、そして加害者となった罪の意識の一部始終をあからさまに書き残し、多くの場で語り続けたネルソンだった。

そんな彼の人生を繋いでいくかのように、塚本監督は時に残酷に、時に心優しくきめ細かく描いた。

画像: 若きアレン・ネルソンを演じるマーク・マーフィー

若きアレン・ネルソンを演じるマーク・マーフィー

画像: ネルソンの戦争体験を聞いた少女は質問する。「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」と

ネルソンの戦争体験を聞いた少女は質問する。「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」と

第二次世界大戦終結後も、くり返される世界中での戦争・紛争の危機。今また日本の平和も揺るがされていくのではないか。そんな不安が監督をつき動かしていき、本作は、満を持して完成したという。想像を超えるほどの監督の心血を注いだ本作は、観る者の心を奪い、胸を打つことだろう。

海兵隊に志願するしかなかった、アレン・ネルソンの苦悩の人生とは

義父の暴力と貧困に脅かされる18歳の黒人青年の行き場所は、米・海兵隊員になることしかなかった。アレン・ネルソンは、訓練で訪れた沖縄の米軍基地で、仲間たちの暴挙を垣間見る。ほどなくベトナム戦線の最前線へと送られる。

そこではべトコン制圧という任務が課せられ、一人でも多くの標的を殺すことが任務となる。しかし、女、子供、老人もろとも殺さざるを得ない状況へと追い詰められ、殺さなくては殺されるという過酷な日々。

仲間たちが殺人マシーン、モンスターとして人間性を失いながら戦い、死んでいく姿にも衝撃を感じ、生きて戻りたいという意識が高まっていく。

いくつかの出来事で、この任務に疑問を感じ出し、戦争終結を待つことなく帰国。海兵隊から退任するも、彼を待ち受けていたものは、人を殺したことの罪悪感が引き起こすPTSDという心因性の精神障害との闘いだった……。

画像: 戦争の後に残された後遺症に苛まれるネルソン

戦争の後に残された後遺症に苛まれるネルソン

若い世代のこれからが心配。戦争とは何かを映画の力で

画像: 監督・脚本・撮影・編集を手がける塚本晋也監督

監督・脚本・撮影・編集を手がける塚本晋也監督

——『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか』を試写で観終ったら、すぐには立ち上がれない感じがありました。周りの方たちも腰があがらない様子を見受けました。観ている時は、しばしば涙が抑えられなかったです。隣の若い男性は戦闘シーンで人が殺されていくところで、涙ぐんでいたような気がしましたが。

観て下さっている方たちの様子を教えていただけて、大変嬉しいです。

——塚本監督の作品は『鉄男』(1989)から拝見しており、作品の多くはご自身が監督はもちろん、製作、脚本、編集、さらには出演することもあって、その多才な手腕や、独自性などに惹きつけられて参りました。第68回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門最高賞に輝いた『KOTOKO』(2011)公開の時には、インタビューもさせていただいたりしました。今回の作品も監督、脚本、撮影、編集を手がけられたとのことですが、戦闘シーンなどは正視するのが辛かったですけれど、本当に凄い力量を発揮されたことに感服いたしました。

ありがとうございます。

——本作を観て、すぐ思ったのですが、ベトナム戦争が長く続き、当時はアメリカ内部でも反戦の機運が高まり、例えばミュージシャンのボブ・ディランや、女優のジェーン・フォンダとか、数えきれないほどのアーティストたちが、自身の立ち位置で才能を発揮しながら、ベトナム戦争に抗議していったんです。

で、それに影響されて世界中、日本もそうでしたが学生運動も起きました。ノンポリの私でさえ、音楽やファッションから、ベトナム戦争はアメリカが酷いことをしていると感じていました。でも、今の時代、これだけの戦争や紛争が起きていても、才能があり影響力を持っている方々なのに、自身の活動の中で、声高には戦争のことに声をあげて表現する方は多くはないなという気がしてなりません。立ち上がっているのは塚本監督ただ一人かなとさえ、思えてくるのですが。

いえ、そんなことはありません。この時代ですから、何人もの人がいろいろな形で表現されていると思います。

というか、ただただとても心配になってきているんですね。このままで行った時に、若い世代の人たちはどうなるんだろうと。もう、心配ばかりがありまして。戦争について、さらには、その戦争が終わった後にも、いろいろな形で戦争というものは続いて行くのだということを映画で伝えていこうと思ったのです。

——なるほど。そういったことを心配して、次の世代に向けて教えていけることをテーマにして映画を作るということは、本当に大切なことですね。そういったことに躊躇なく取り組めないなら、本当のアーティストとは言えないのではないかと、この映画を観て強く思いました。

ただただこの作品を多くの人たちに観ていただきたいと思ったまでです。賛否両論、意見を戦わせていただくということも良いのではないかと思うのです。そういった意味でも作りました。

加害者となっても、語られることの少ない戦争体験

——ところで、塚本監督は、ネルソンさんがベトナム戦争に行った1960年代半ばの頃って、小学生くらいでしたか。

そうですね。ベトナム戦争の頃は、まだ子供だったというか、そういうことに本当に関心がない、ぼーっとした子供でした。そもそも、第二次世界大戦のことを、父も母も何も語ってくれることがなくて、本当にそういった戦争に対しての関心が薄かったと思います。

——そうなんですよね。私事になりますが、うちの父や叔父などは戦地から無事に戻れましたが、戦争の話は茶の間の団欒などで一度も出ませんでした。父は戦後は子供にハーシーのチョコレートを毎週のように買って来たりして。私などもアメリカへの憧れがあって、ファッションや音楽などでもアメリカ文化に夢中な女の子でした。アメリカ製のランチボックスなんか持って歩いて得意になってましたね。ですから、父たちが、まさかの戦地で人を殺さないで済んだから、そんな風にしていたのかとか、今思うと謎です。

あの戦争に負けて、その後の日本人にとってアメリカは憧れの国になったようですね。例えば、画家でイラストレーターの黒田征太郎さんが僕の『野火』を観て下さりインスパイアされたとのことで、22枚もの作品を描いて下さったのです。若い頃、憧れのアメリカにお金も持たずに船に乗って行ったというお話もうかがったことがあります。

——確かに、黒田征太郎さんの世代だと、NYでアートを学んで磨きたいという憧れがありましたでしょうね。そして、お話を戻させていただくと、本作の主人公のアレン・ネルソンさんですが、彼はアフリカ系アメリカ人ですよね。

はい、そうです。

——私たち日本人も有色人種ではあるものの、黒人というとジャズとかリズム&ブルースの音楽の世界ではなじみ深かったりしますが、実際のところ、ネルソンさんの立場には、正直なかなか近づけない気持ちがあります。塚本監督はネルソンさんという存在との距離をどのように取りながら、映画をお作りになりましたか。

まずは原作ありきで、そこに描かれている人物を映画にしていくことにこだわりました。彼のノンフィクションの原作、『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」』と参考文献である『戦場で心が壊れて 元海兵隊員の証言』を中心に、あとは奥様のリンダさんや息子さんのショーンさんに直接インタビューして意見をいただきました。まずは事実確認を優先して、どんどんと形にしていきました。

画像: ネルソンを励まし続ける妻リンダを演じるタチアナ・アリ

ネルソンを励まし続ける妻リンダを演じるタチアナ・アリ

ベトナム戦争を描くのではなく、そこで加害者となったネルソンさんを描きたい

——そうでしたか。これまでも、『野火』や『ほかげ』を世に出され、戦争ということについて研究なさって来た中で、第二次世界大戦の後は、やはりベトナム戦争だなとお考えになっていらしたのですか。

というよりも、今回の作品で、僕はベトナム戦争を描こうとしたのではないのです。アレン・ネルソンという一人の人間が体験した戦争が、ベトナム戦争だったということで、ベトナムでの戦争を描いてはいますが、その戦争自体に興味があったのではなくて、ネルソンさんに興味があったのです。
ネルソンさんが別の戦争に行っていたら、ベトナム戦争は描かなかった。『野火』の時もそうですが、戦争を経験した人物を描きたかったのです。

——あ、よくわかります。

ですので、映画を撮る時は、自分の中で自分が許せる範囲までは、映画的変更や演出ということは加えますが、『野火』を作った時も原作(『野火』大岡昇平著/創元社・1951年刊行)の著者である、大岡さんが納得して下さるように忠実に作りました。ですので、今回のネルソンさんの手記によるノンフィクションの世界も、忠実に作っていきました。

——そうでしたか。

2冊両方の手記を中心に、時系列に沿ってエピソードを抽出。膨大になってしまった部分を整理して、PTSD専門医のダニエル医師とのカウンセリングのシーンを軸にして、家庭を持った彼が息子や家族とどう分かり合えるかなどのエピソードを交えたりして、全体の構成を明瞭にシンプルにすることにこだわって完成させた次第です。

画像: PTSDの専門医のカウンセリングを受けるネルソン

PTSDの専門医のカウンセリングを受けるネルソン

——どちらの手記も、これらも刊行されてからずいぶんと時間は経っていますね。アレンさんは贖罪の意味からも、その体験を明かしたと思いますが、本作を観ている限り、戦闘シーンなどのアレンさんには憎しみしか感じられません。国家的使命の元での行動だとしても。

画像: 殺さなければ、殺される。戦場で加害者となっていくネルソン

殺さなければ、殺される。戦場で加害者となっていくネルソン

そうですよね。

——つくづく思うのは、ベトコンを標的にするはずが、誰がベトコンだかわからなくなって疑心暗鬼となり、子供も女も老人も皆殺しにしていく。今の例で言うと、イスラエルとパレスチナの紛争でもそうですが、ハマス撲滅をめざすと言いながら、結局、見分けがつかないので、誰かれ構わず殺していくというのが、これまさに戦争なんだなということを、本作によっても思い知るわけなんですけれども。で、その後 、人を殺したのは軍の司令だったからなんて言ってみても、自分をごまかすことは出来ないはずです、人間だったら。彼がPTSD になっても当たり前なんじゃないか、ネルソンさんには同情が出来ないままに映画を観ていくことになります。

画像: 容赦ない悲惨な殺戮を強いられたベトナム戦争

容赦ない悲惨な殺戮を強いられたベトナム戦争

なるほど、そうですね。

——あのPTSDという、戦争で人殺しをした人の後遺症で起きる精神障害という病名がつけられたのも、ベトナム戦争からだと言われているんですけれど、 そもそも人を殺したら、その苦しみに追い込まれていくのは当たり前ですよね。殺された人の亡霊に苛まれるとかは、古くはシェイクスピアや歌舞伎でも描かれて来ましたし。結局、自分で自分を責めていき、自滅していくっていう報いが起きるわけですよね。

だから、ネルソンさんの苦しみは、当然の報いでしょうという気持ちがどんどん募っていきました。ところが、映画の後半になって、その苦しみも、PTSD専門医のダニエル医師のカウンセリング診療などによって変化が起きていきます。彼も普通の人間だったんだなと感じさせる演出が素晴らしく、そのたびに涙が溢れました。

画像: ニール・ダニエルズ医師を演じる、名優ジェフリー・ラッシュ

ニール・ダニエルズ医師を演じる、名優ジェフリー・ラッシュ

そうでしたか。ありがとうございます。

アレン・ネルソンの手記に忠実に、彼の苦しみを描く

——ある時、ネルソンさんが急にギターを弾いて歌い出した、あのシーンは原作にはなかったようですが、とても重要なシーンだと受けとめました。観ている自分も、ふっと緊張が緩みました。

あ、それは確か原作にもあったと思うのですけれども。ネルソンさんはギターがとても上手な人だったんです。日本で戦争の恐ろしさを1200回くらいも講演していましたが、その時に演奏もしたりしていたそうです。そのギターは、実際は鉄でできているやつ。鉄男じゃないですけれどもね(笑)。さすがに、今回の映画ではちょっとそれだとイメージが変わってしまうので、普通のアコースティックギターを使っていますけれどね。

——今回はブロードウエイの舞台での経験のあるロドニー・ヒックスをキャスティングされたんですね。

そうですね。 ただ私は彼がブロードウェイで活躍しているかどうかは、よく知らなかったです。オーディションでネルソンさんに顔がとてもよく似ていた人に来てもらいました。実際に演じていただいたら、とても熱心で技術もすごく上手でした。何よりもその熱心さに惚れ込みました。

画像: アレン・ネルソンを演じるロドニー・ヒックス

アレン・ネルソンを演じるロドニー・ヒックス

——本当に彼が歌い出すところで、自然に涙が溢れました。苦しみから逃れられるわけではないでしょうが、自分らしさを取り戻し出せた姿として捉えましたので、とても心に染みていきました。

そうでしたか。それは良かったです。

——あとは戦場での出産シーン。あれは原作にありましたが、母親と生まれた赤ん坊を撃てなくなってしまう。このシーンも涙が止まりませんでした。あの撮影は難しかったのではないですか。何度も何度もやれるっていうわけではないでしょう。赤ちゃんが生まれてきますが、赤ちゃんだってそう何度もやり直せないでしょうから大変だったでしょうね。あそこはAIとかデジタルを使ったりしてはいませんよね。

あ、 使っていません。ただお人形を使っています(笑)。赤ちゃんのアップは本物ですけれども。あの母親役のベトナム人の女優さんがとてもよかった。

——戦場で思いがけず出産に立ち会うことにもなるというと、サミュエル・フラー監督の『最前線物語』(1980)を想い起しました。そのオマージュかなと思ったりしましたが、原作に書かれていますから、ネルソンさんは実際に体験したんでしょうね。

私はその映画は観ていないんです。で、原作に書かれていますから、ネルソンさん本当にそういう場に出くわしたんでしょうね。でも、最初は本当なのかな、本当に母親と赤ん坊を撃たなかったのかなと思ったこともありました。でも他の資料にもそう書かれていましたし、ネルソンさんのひととなりを考えると真実だと思ったのでしっかり描こう、と。

——『最前線物語』ではリー・マービン扮する鬼軍曹が戦場で出産に立ち会うことになり、人が変わったように人間らしさを発揮するんです。ネルソンさんはその体験で、それまでの殺意のモチベーションが揺さぶられてしまう。観る者も、彼の心の動きを受けとめ、グッときます。

あくまで原作ありきで、僕のオリジナルのアイデアというものはあまりないですね。ただ 、黒井さんという、ネルソンさんの講演活動などを支えた人物が登場してきますよね。リリー・フランキーさんが演じて下さった彼ですが、この人は原作には登場しない人物です。

画像: ネルソンの講演活動を支えた黒井を演じるリリ―・フランキー

ネルソンの講演活動を支えた黒井を演じるリリ―・フランキー

人間だからこそ、戦争での過ちを自らに問い続けた人生

——圧巻は、そのネルソンさんの講演の一つのシーン。機会あるごとに戦争での(人を殺すことの)恐ろしい体験を多くの場で話をしていましたが、なんと、ベトナムに行って話そうということになりますね。このシーンで、こちらの緊張感も極限まで達しました。しかも、その結果を観る者に委ねるという演出。これが素晴らしい。

実際は、歳月を経て、昔は戦争したけれど、今の時代は仲良くしましょうというような、ネルソンさんだけの話を聞く会ではなくて親睦会のような場だったんです。それでも、彼の心はものすごく緊張していたと思いますから、その心の内を描いてみたのです。

——その秀逸な描き方には圧倒されてしまいました。観終ると立ち上がれなくなるほどに。それと、考えさせられたのは、ネルソンさんは自らの行いを悔いて平和のための活動など精力的にされたけれど、人を殺したトラウマは消えることはなかったかもしれない。それでも苦悩する彼は人間性を失わずに済んだとも思えるので、それが幸いだったのではないかと痛感させられます。でも、今の時代やこれからの戦争は、ドローンやボタン一つで罪悪感すら持たないで人殺しが出来てしまう可能性がありますよね。これってもの凄く恐いことなのではないでしょうか。

そうなんですよね。殺すことに罪悪感がなくても、殺される側は変わらず陰惨な状況で死んでいくわけですから、そこが非常に恐ろしく、不気味ですよね。それって、とても大事なテーマですね。

——ぜひ、次はそのあたりをテーマにしていただいて。

うわー、そうですね。

——それと、今回は監督は出演されませんでしたね。ネルソンさんが日本で平和運動などを精力的になさった関係もあって、彼を支えた石川県にある浄土真宗の寺、光闡坊のご住職役で登場されたりするのかなとかイメージしましたが、そういうシーンはなかったですものね。

はい。最初は、彼の日本での講演活動なども脚本にはあったんですがね。

——彼はそのお寺に墓があり「釈阿蓮(しゃく・あれん)」という法名まで授かって眠っているとのこと。NYで行われた葬儀でも、浄土真宗を広めた親鸞を継いだ蓮如上人「白骨の御文」を読経したということが原作に書かれていまして、驚きました。浄土真宗の、悪人でも救われるという教えにネルソンさんも救われたのかしらと思ったら、急に彼への距離が近づいて、ホロリとしました。

あー、素晴らしいお話しですね。

——いろいろと発見や学びも多く、難しいテーマにも関わらず素晴らしい出来栄えの力強い作品に出会えて、ありがたいです。

今回の映画を観ていただき、アレン・ネルソンの生き方から、戦争について考えたり話題にしていただくきっかけになったら嬉しいです。お話し下さったこと、とても勉強になりました。ありがとうございました。

——とんでもないです。こちらこそ、ありがとうございました。

(インタビューを終えて)

いつでも、気負いのない自然体の物腰だからなのか、思い切り何でもうかがったり話してしまえる。しかも、「勉強になった」だなんていただけて、なんと謙虚な人柄なのだろう。

映画を撮っていない時間は、むしろ、人の話を引き出すというか、優れた聞き手という感じすらあり、こちらはどんどん身を乗り出し、気づけば饒舌になっていた。

それも、監督として必要な才能の一つなのではと、気づかされた次第。監督、脚本、撮影、編集を完璧なまでにやり遂げるエネルギーはいったいどこにあるのだろうかとさえ思える穏やかなたたずまい。

本作をやり遂げた監督の充実感がそうさせていたのかもしれない。
映画の力を信じて疑わない持続可能なパワー、塚本晋也監督恐るべし。

画像: 映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』予告篇|9月11日(金)公開 youtu.be

映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』予告篇|9月11日(金)公開

youtu.be

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
9月11日(金)より kino cinéma 新宿ほか公開
監督・脚本・撮影・編集/塚本晋也
出演/ロドニー・ヒックス、ジェフリー・ラッシュ、マーク・マーフィー 、リリー・フランキー、タチアナ・アリほか
製作/木下グループ 
制作プロダクション/キノフィルムズ、Cross Media International、J&B Entertainment、Chanh Phuong Films
配給/キノフィルムズ 
英題/「Mr. Nelson, Did You Kill People?」/PG12
原作/『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」』(アレン・ネルソン著、講談社文庫刊)
参考文献/『戦場で心が壊れて 元海兵隊員の証言』(アレン・ネルソン著、新日本出版社刊)
2026年/日本/英語/116分/カラー/5.1ch/Dolby Atmos/ビスタサイズ
©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners 
©Allen Nelson/KODANSHA
公式サイト/nelsonsan.jp 
公式X/@nelsonsan_movie

This article is a sponsored article by
''.