シリーズ累計販売本数5900万本を超える人気ゲーム「ストリートファイター」が、『名探偵ピカチュウ』や『GODZILLA ゴジラ』のレジェンダリー・ピクチャーズと、シリーズ生みの親カプコンの強力タッグで映画化した。本作のキタオ・サクライ監督が10月16日(金)の公開に先駆けて来日。SCREENの単独インタビューに応えてくれた。(取材・文/SCREEN編集部、写真/久保田司)

“『ストⅡ』のクレイジーで爽快な世界を忠実に描こうと思いました”

——映画の舞台は1993年です。現実の世界では、本作のベースにもなっている「ストリートファイターⅡ」が人気を誇った時代ですね。この設定は最初から決まっていたのでしょうか。

「1993年にこだわったのは、自分がこのプロジェクトの監督に決まってからです。当時『ストリートファイターⅡ(以降、ストⅡ)』は大人気で、私も『ストⅡ』を初プレイしたのがこの年。とても印象的なんです」

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——この映画を通して、90年代を再現することにもなりますね。こだわった部分は?

「90年代色の強い音楽を使用していますし、当然ファッションも重要な要素。当時を過ごした方は『懐かしい』と感じてもらえると思いますし、Z世代の方から観れば斬新に感じるものもあるかもしれません。ただ、時代設定が1993年であることだけでなく、映画そのものが1993年に作られたものであるようにしたいとも考えました。ゲームからのオマージュはもちろんありますが、当時風のワイヤーアクションを取り入れたり、スタントやアクションも含めて、随所で90年代に忠実でありたいと思っていました」

画像: キタオ・サクライ監督

キタオ・サクライ監督

——監督ご自身が90年代に親しまれていたカルチャーの影響も映画にはあるのでしょうか。

「90年代はジャッキー・チェンやジェット・リーの全盛期でしたし、『AKIRA』(88)や『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)など日本のアニメも親しみました。その影響はあるかもしれません。それに『ストⅡ』。少年時代の自分が友だちとプレイしまくって感じた、あの高揚感を蘇らせたいと思ったんです。ビデオゲームの映画化の失敗パターンで、あまりにもシリアスな姿勢で『いい映画にするぞ』と意気込んでコケることがあるじゃないですか(笑)。自分は、当時味わった興奮や楽しさ、そしてパンクロックにも通ずる反骨精神を感じた、『ストⅡ』のクレイジーで爽快な世界を忠実に描こうと思いました」

——今回の映画は監督が愛する「ストⅡ」がベースですが、「ZERO」シリーズから登場したダンなど、「ストⅡ」シリーズが初出ではないキャラクターもいます。

「映画の世界観にバツっとハマれば、シリーズに関係なく登場させたいと考えました。例えば、ドン・ソバージュという『V』のキャラクターは、映画に登場させたら面白くなる確信があったんです。演じたのは盟友でコメディアンのエリック・アンドレ。彼は『ブランカを演じたい』と最初言っていたのですが『無理だろ』と突き返した経緯があります(笑)」

——(笑)。そうして選ばれた、合計17名ものキャラクターが登場します。

「キャスティングにはこだわりました。十人十色、個性的なキャラクター達が一同に会していることを表現したかったので」

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——それぞれ個性的ですよね。実際のゲームですと、同じキャラクターを使うにしても戦い方に違いが出てきます。例えば、波動拳をひたすら連発したり、隅っこで待ち構えたり(笑)。映画の中でのそれぞれのキャラクターのファイトスタイルはどのように見定めていったのでしょうか。

「確かに、プレイヤーによってスタイルの違いはありますね(笑)。ここでは、やはりキャスティングが重要でした。一人一人のキャラクターの“神髄”を持ち合わせているような俳優をあてがっていったんです。例えば、ガイル役のコーディ・ローデスは、もう・・・・・・なんと言うか“ガイル”なんですよ(笑)。シリーズの大ファンで、首元にはシャドルーのマークに似たタトゥーもしていますし。

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ただ、ゲームのファンであることだけではなくて、キャスト一人ひとりの気質が、キャラクターに重なるものがあるんです。ファイトスタイルの組み立ては、そういったキャスティングがあった上でのもの。そこに皆さんもご存じの必殺技をどう取り入れようか、スタントコーディネーターのジョン・バレラさんと入念に作っていきましたね」

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監督自身が「ストⅡ」に夢中になった経験から、キャラクター選び、キャスティング、そしてアクションまで、随所にこだわりが詰まった本作。ゲームでおなじみのファイターたちが、スクリーンでは果たしてどんな戦いを見せてくれるのか。

Kitao Sakurai
1983年、日本生まれ。アメリカ・オハイオ州クリーブランドで育つ。監督作に、盟友エリック・アンドレ主演のNetflix映画『バッド・トリップ ~どっきり横断の旅~』(21)、製作総指揮・エピソード監督作に、「ツイステッド・メタル」(23~)、「BEEF/ビーフ」シーズン2(26)。

ABOUT MOVIE

シリーズ累計販売本数5900万本を超える格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」を再実写映画化。舞台は、現実世界では「ストリートファイターⅡ」が世界を席巻していた1993年。リュウやケン、春麗らおなじみのキャラクター総勢17名が一堂に会し、「ストリートファイター」の熱狂を銀幕に映し出す。

監督は日本生まれ、アメリカ育ちのキタオ・サクライ。キャストにはアンドリュー・小路(リュウ役)、ノア・センティネオ(ケン役)、カリーナ・リャン(春麗役)ら新鋭のキャスト陣に加えて、ジェイソン・モモア(ブランカ役)、デヴィッド・ダストマルチャン(ベガ役)ら豪華な顔ぶれが名を連ねるほか、コーディ・ローデス(ガイル役)、ローマン・レインズ(豪鬼役)、さらには50セント(バイソン役)とジャンルを超えた顔ぶれが集結している。

『ストリートファイター/ザ・ムービー』
2026年10月16日(金)より全世界同時公開
配給:東和ピクチャーズ・東宝
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