2019年6月にHKT48を卒業し、女優としての活動を本格化した兒玉遥。今年は、『灰色の壁-大宮ノトーリアス-』、『ウラギリ』の出演に加え、主演作『渚に咲く花』(11月公開)や『僕らはみーんな生きている』(年内公開)と映画作品が続き注目を浴びている。そんな中、10月21日公開の『空のない世界から』は、これまでのイメージがガラっと変わるシングルマザー役に初挑戦。難役を経験した兒玉遥に、作品についてや近況を伺いました。
(撮影/久保田司、取材・文/BOG編集部)
画像: 映画『空のない世界から』でDV夫から逃げる! 兒玉遥がシングルマザー役に初挑戦!

――『空のない世界から』は、DV被害者で、無戸籍の娘を育てるシングルマザーというヘビーな役を演じました。

兒玉 今までは、学生役だったり、アイドルのイメージが強かったため、清純な役が多かったんです。今作で、初めてシングルマザーというか、母親役にチャレンジしました。今までの自分のイメージとは違う、新しい自分のイメージを作れるいい機会だなと思いました。最初は自分でできるのかなという不安もありましたが、すぐに‟絶対に演じきってやろう!“という前向きな気持ちに切り替わりましたね。

――難しい立場の方を演じるにあたって何か勉強をしましたか?

兒玉 勉強というか、とにかく映画をたくさん観ました。その中で、母親になる展開が組み込まれている作品を選んでよく観ましたね。

――DV夫から逃げて、ラブホテルに住み込みで働き、1人で娘を育てる。主人公の選択についてどう思います?

兒玉 極限状態だったんだろうなと思いました。そうするしかないという。

――そんな生活でも、楽しそうに見えるのが不思議。

兒玉 母親って、子どもと二人で過ごせられたら、それだけで幸せを感じられるんですよ。周りから見ると「追いつめられた弱い人間」に見えるけど、映画の中では、二人だけの幸せやそれを守ってくれる仲間もいるので、悲観的というより、「この世界での色んな幸せの形」が知れるストーリー展開になっていると思います。

――逃げることが娘を守る第一歩でした。そこから共同生活で色々な方と出会います。アゲハ(佐藤江梨子)さんとの会話で、「助けて」と声に出して!というシーンが印象に残りました。女の人は助けを求める人が少ないのは何でだと思います?

兒玉 麻衣香の場合は、特に、自分に自信がないというのがありますね。

――自己肯定感が低い。

兒玉 社会的立場もそうですし、そもそもホテルの管理人の方に住まわせてもらっている状況で、それプラス‟助けて”とお願いするなんて! 迷惑がかかるし申し訳ないと感じていたんだと思います。周りのことを考えすぎちゃっているからこそ、余計言いにくかったのかもしれませんね。

――でも、後半は言えるようになったし、立ち向かえるようになりましたね。

兒玉 一度、「助けて!」って言うと分かるんですが、意外と周りの人は優しいし、自分が思っているよりも世の中ってあたたかいんだと思えるような物語になっているんじゃないかなと私は思います。辛い時や本当に助けが必要な時に、麻衣香みたいに声を上げてみたら、何か少しでも世界が変わる。そんな、一歩踏み出してみようというメッセージが観ている方に伝わればいいなと思います。

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