歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭で鮮烈な長編映画デビュー!!
坂本悠花里監督は、東京藝術大学大学院映画専攻にて編集を学び、2019年公開の短編オムニバス映画『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督。その後に制作した中編・短編作品が数々の映画祭で評価されてきた。
そんな坂本監督が手掛けた本作『白の花実』が、初の長編作品でありながら、第73回サンセバティアン国際映画祭〈New Directors部門〉に正式招待され、スペインでのワールドプレミアが実現。さらに、New Directors部門の中でもクロージング作品ということもあり、本部門のラストを飾る上映として期待が高まっている。
本作は、周囲に馴染めず転校を繰り返してきた主人公・杏菜(美絽)が、転校先の全寮制女子校で出会った、美しく完璧なルームメイト・莉花(蒼戸虹子)の突然の死をきっかけに、残された≪日記≫と、莉花の“魂”に静かに侵食され、心を揺るがせていく姿を耽美かつ繊細に描いた物語。『ヴァージン・スーサイズ』(1999)では描かれなかった、“死の向こう側”へとそっと踏み込んでいくような、かつて観たことのないガーリーなファントム・ファンタジー。
【サン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門とは】
サン・セバスティアン国際映画祭は毎年9月に行われるスペイン語圏最大の歴史ある映画祭。New Directors部門は1985年に創設され、長編作品2作目までの監督作品が対象。 濱口竜介監督のデビュー作『PASSION』(08)を世界に先駆けて上映した部門で知られ、ジョナサン・グレイザー(『関心領域』(23))のデビュー作『セクシー・ビースト』(00)も出品されるなど、名だたる映画監督たちの登竜門となっている。今年は9月19日(金)~9月27日(土) (※現地時間)に開催。受賞式は現地時間の9月27日(土)に行われる。公式な賞としては、審査員が選出するNew Directors賞と18~25歳の審査員により選出されるTCM Youth賞があり、年によってNew Directors賞のSpecial Mentionが設置される。
監督・キャストよりコメント到着!
坂本悠花里監督
『白の花実』が、歴史あるサン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門でワールドプレミアを迎えられることを本当に嬉しく思っています。素晴らしいスタッフ・キャストと作り上げた映画です。スペインから世界へ、たくさんの人たちと出会えることを楽しみにしています。
杏菜役 美絽
初めての主演映画で、サン・セバスティアン国際映画祭にご招待いただき、とても光栄に思っています。海外の皆さまにこの作品をご覧いただけること、そしてどのような感想を持っていただけるのか、今から楽しみでなりません。


栞役 池端杏慈
本当に光栄です。坂本監督をはじめ、たくさんのスタッフさんのおかげで完成した作品を海外にも届けられるという幸せを大切に受け止めています。 国を超えて多くの人の心に残る作品となれば嬉しいです。
莉花役 蒼戸虹子
漠然と憧れを抱いていた海外映画祭で出演させていただいた映画が上映されるなんて、何だか夢のようで、すごく、嬉しいです。サン・セバスティアンの皆さんが作品をご覧になって、どんな感想をもたれるのか、今からすごく楽しみです!

『白の花実』
12月26日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか

©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
<STORY>
周囲に馴染めず、転校を繰り返してきた少女・杏菜。たどり着いたのは、静かな森の奥にある全寮制の女子校。その寄宿舎で彼女を迎えたルームメイトは、美しく、完璧で、誰からも好かれる少女・莉花だった。しかし間もなく、莉花は屋上から身を投げ、自ら命を絶った。
残されたのは、一冊の≪日記≫。そこには、笑顔の裏に潜んでいた苦悩、怒り、痛み—— そして、幼なじみ・栞との記憶や、言葉にできなかった“ある想い”が綴られていた。 杏菜が≪日記≫を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような“魂”が現れる。それはまるで、莉花の魂そのもののように、静かに、杏菜の中へと入り込んでいく。
一方の栞は、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた。だが、杏菜を通じて莉花の魂に導かれるように、次第にふたりは歩み寄っていく。「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」その問いはやがて、生き残った少女たちの心に深く染みわたり、それぞれの“わたし”が、静かに揺らぎはじめる――。
出演:美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 伊藤歩 吉原光夫
門脇麦
監督・脚本・編集:坂本悠花里
配給:ビターズ・エンド