名匠・黒澤明と、その多くの作品で主演を務めた三船敏郎が初めてタッグを組んだ映画「醉いどれ天使」。映画公開の約半年後に舞台作品として上演されたという。当時の台本は長い間眠っていたが、近年発見され、2021年に舞台化し大盛況のうちに幕を閉じた。そして今回、25年舞台版として『醉いどれ天使』が上演される。
三船が演じた闇市を支配する若いやくざ・松永に挑むのは6年ぶりの主演舞台となる北山宏光。松永を翻弄するダンサー・奈々江を阪口珠美が演じる。難役に悩みながらも楽しく稽古に励んでいる阪口に本作への想いを伺った。
画像2: ――奈々江は松永から岡田へと乗り換えたり、割と向上心がある女性かなと感じました。阪口さんは奈々江をどんな女性と解釈していますか?

――阪口さんはおっとりした印象なので奈々江の性格とは真逆だと思います。そんな阪口さんでも奈々江に共感できる部分はありますか?

一見、まったく似ていないのかなと思いましたが、自分を客観的に見ると、本心を隠して感情を出さないところは似ているかもと最近発見しました。

――そういった意味では、本心を隠すのは女性あるあるですよね。本心では松永のこともちゃんと好きだったのかなと思いました。例えば、松永タイプと岡田タイプ、実際にいたらどちらを選びますか?

松永の強いだけではなく人間っぽくて弱々しいところに奈々江は惹かれたと思います。“子供っぽいな、可愛いな”と感じていたはずなので、そう考えると松永はやっぱり魅力的なんだと思います。

――松永を演じた北山さんの印象はいかがでしたか?

ドラマに出られているのを拝見していると、すごくクールに演技されている印象だったので、「怖い方なのかな~」と思っていたのですが……。実際は場を明るくしてくださるし、些細なことも気にかけてくださるので、素晴らしい座長さんです!

――岡田とのシーンも多いと思いますが、大鶴義丹さんはいかがでしょうか?

ベテランで大御所の方なのに、すごく優しいんです! ダンスの練習も一緒に付き合ってくださったり、舞台用の声の出し方も教えていただきました。本当にとてもお優しい方です。

――このチームでの稽古の雰囲気も教えてください。

すごくいい雰囲気です。本当にみなさんが温かくて、同じ方向に「醉いどれ天使」を考えていて、みんなで同じゴールを目指しているんだなと感じます。私も必死についていっています。

――タイトルにかけて、今、阪口さんが酔っているものはありますか?

ハーブティーです。ハーブティー専門店で試飲して、いろんな種類を試したんですが、結局たくさんの種類を買ってしまっていて(笑)。いざ飲みはじめてみると、どれも美味しくて、毎日、茶葉を変えながらハーブティーに酔いどれています。

――「SCREEN ONLINE」にもこのインタビューを掲載します。映画媒体ですので、阪口さんのこれまで観た映画作品を伺ってもよいでしょうか?

好きな映画を何でも挙げていいなら、1位は『ズートピア』です! 健気に頑張る姿や友情に泣けて、本当に大好きな作品です。

――好きなキャラクターとかいるんですか?

免許センターの受付にいるナマケモノ(フラッシュ)です。おっとりして優しい空気で、本当にああいう人いたらいいのにな~と思います。何度も繰り返し観ていますね。

――ちなみに最近観た映画は何でしょう。

TWICEのダヒョンさんが出演されている『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』という韓国映画です。もともと、韓国映画やドラマが好きで観に行きました。現代に疲れている人、仕事で頭がいっぱいな人にオススメしたいです。キラキラした空気感を観て癒されてほしいです。せかせかした気持ちが爽やかに吹っ飛びます。

――映画に関する最後の質問です。ずっと心に残っている映画はありますか?

『犬と私の10の約束』。私も19年犬を飼っていたので、犬への気持ちがすごくリンクするし、また同時に大事な人との時間も1秒も無駄にできないなと知りました。映画を観た時はすごく幼かったのですが、その時なりにすごく印象付けられました。時間を無駄にしないようにと学んだ作品です。

画像: ――映画に関する最後の質問です。ずっと心に残っている映画はありますか?
画像2: “子どもの頃の夢はダンサー” 阪口珠美が舞台『醉いどれ天使』の艶やかなダンサー・奈々江役で新境地へ【インタビュー】

<Profile>
阪口珠美
生年月日:2001年11月10日
出身地:東京都
2016年9月より乃木坂3期生として活動、2024年7月卒業。
バラエティー番組などで活躍中。

<近年の主な出演作>
朗読劇『少年のアビス』(25年)
ドラマ『合コンの悪魔 〜サレ妻たちの華麗なる復讐〜』(25年)

<レギュラー>
ラジオ「阪口珠美のだいすこ日和」パーソナリティ

『醉いどれ天使』

出演:北山宏光
渡辺 大 横山由依・岡田結実(Wキャスト)
阪口珠美/佐藤仁美 大鶴義丹
原作:黒澤 明 植草圭之助
脚本:蓬莱竜太
演出:深作健太

【東京】
11月7日(金)~23日(日)/明治座
【愛知】
11月28日(金)~30日(日)/御園座
【大阪】
12月5日(金)~14日(日)/新歌舞伎座

画像3: “子どもの頃の夢はダンサー” 阪口珠美が舞台『醉いどれ天使』の艶やかなダンサー・奈々江役で新境地へ【インタビュー】

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