撮影/久保田 司
インタビュー・文/辻 幸多郎
“これはすごく素敵な作品になりそう!”って思いました
──「わたしの相殺日記」は、自己流の相殺術で自由に生きようとするマイペースな桜庭萌が主人公の、完全オリジナルストーリーの作品になります。あのさんは本作が地上波ドラマ単独初主演となります。
「主演はすごくありがたいお話だなって思いましたし、そこへの期待感というか、“頑張りたいな”って気が引き締まりました。それに、東京タワーに登ったり、山に登ったり、座禅で肩をバン!って叩いていただいたり、普段のぼくでは絶対しないなって思うことをさせてもらえたので、そういう意味では今までの表現とは違うなと思って、ワクワクがすごくありました。新鮮でやりがいがあったので、それが映像にも出てるといいなって思うし、とにかく“楽しもう!”と思って挑んだので、スタッフの皆さんは大変だったと思うんですけど、ぼくはめちゃくちゃ楽しかったです」
──脚本を読まれての率直な感想もお聞かせください。
「まず、“体力つかいそう……”って(笑)。ツアー中なので“大丈夫かな……”って思ったんですけど、それでもやることへの意味がめちゃくちゃあるなって脚本を読んでいて思いました。自分らしく生きることの大切さとかが伝わってくる内容で、それが押し付けがましくないというか、重たくないというか、すごく楽しく伝わってきたんです。ぼくも楽曲で伝えたいことをポップに書くことがあるので、生きる術をラフに伝えるところが音楽とも似てるなって共感を覚えて、ぜひやりたいと思いました」
──後先考えず欲望のままに日々を謳歌している萌ですが、ご自身との共通点はありますか?
「自分がこうしたいと思ったらこうするというところは似てるなって思ったし、いろんなエピソードがある中でも、そんなに行きたくない食事会に萌が行って、その後にどうこれを相殺するかを考えてるところとかは自分も同じような経験が何度もあるので、めちゃくちゃ共感して、似てるなって思いました」
──逆にこれは違うなって思った部分はありますか?
「やっぱり運動面。運動をして相殺しようっていう発想は全くなかったので、偉いなって思ったし、それはぼくには経験がない話でした」
──役作りで意識されたことや苦労したことがあれば教えてください。
「今回はオリジナルストーリーということで、撮影しながら役を作っていくのはほぼほぼ初めてだったんですけど、だからこその自由さとか縛られない感じがあって楽しかったんです。寝相の悪さとかでおじさんっぽくやることを意識したり、しっかりものの弟との差を出したくてお家では大幅にだらけてみたり。ただ、だらけてる部分もあるけど、萌はそれまで社会人として働いていたのでハキハキ喋るところもあって、そこでは噛まないようにしたり、しっかり喋ることを意識しました。あとは本当に山登りとかは大変でした」

──撮影現場での印象的なエピソードがあればお聞かせください。
「濃厚な日々でしたから、印象的なことばっかりです。東京タワーも最後まで階段で登って。途中でエレベーターを使うのかなって思ってたんですよ。撮影日が近づくにつれて、スタッフの皆さんが“本当に登るよ”みたいな感じだったので、“本当に!?”って(笑)。でも、みんなで頑張ったから、ぼくもなんか頑張れました。映像では疲れがそのまま伝わってるだろうなって思います。あとは、竹中(直人)さんが出てくださっているんですけど、竹中さんはすごく面白い方で、エンターテイナーって感じがして、気が引き締まりました。竹中さん、演技中におならをしたんですよ。それがほぼ初日だったんですけど、“これはすごく素敵な作品になりそう!”って思いました(笑)」
──東京タワーや山登りの撮影のために、何かトレーニングはされましたか?
「何もしてないです。ライブがあっても、ジムもピラティスも行かないですし。逆に温存して、本番で100%以上出すっていうのを心がけてます」
──撮影では温存した体力を発揮して。
「発揮できたと思います。弱音が出てこなかったし、ツラいとかもあんまり思わなかったです。体力的にはたしかにゼーハーしましたけど。そのために運動とかはしなかったです」
──ちなみに東京タワーのてっぺんまで登った感想は?
「登り切ったっていう達成感はあったけど、一望するっていう感じではなく、“もう次の撮影か……”みたいな(笑)」
──筋肉痛にはなりませんでした?
「ならなかったです。運動はしないけど、ライブで体を動かしてるから、基礎体力はあるのかなって思いました」

“結局ちゃんと頑張ってるよね”って思いながら萌のことを見て、なんか励まされている気持ちにもなりました
──頑張らなくていいけど、諦めてはいないというのが萌のスタンスですが、あのさん自身と重なるところというのはありましたか?
「初めてこの世界に入った時に、“余裕そうに見える”とか“気楽そうに見える”と思われることってすごくいいなと思ったので、頑張らなくてもいいぐらい自分の欲望に正直に生きるっていうところはちょっと似てるというか。自分を大切にするって、意外とできなかったり、難しいことだなって思うので、“結局ちゃんと頑張ってるよね”って思いながら萌のことを見て、なんか励まされている気持ちにもなりました」
──萌のように“これやっちゃったけどこれで相殺する”みたいなことってありますか?
「朝までゲームをしちゃうとか。寝る時間がほぼないのに、めっちゃ働いたからこそ自分の時間を確保したいと思って、朝までゲームをやっちゃうことが多いんです。でも、そうなった時は次の日の仕事でだらけないようにしなきゃって。そこでだらけてしまったら、それはただのマイナスだから。それこそ“倍やってやろう!”みたいな感じにしてます。あと、嬉しいことがあると損をしたくなるというか、それで帳尻合わせるみたいなことは結構してます。なんか幸せでいると不安になるみたいな感覚に近くて、あんまり喜ばないようにしちゃう性格で。だから、雨が降ってたら水溜まりに入ってみたりとか、ちょっと雑に生きて“なんか嫌なことないかな”って(笑)。それはめちゃくちゃ幸せな行動だなと思いつつ」
──萌は“相殺する”という、いわゆるルールを日々の生活の中で課していますよね。ご自身の日常のルールというか、決められていることってありますか?
「逆に決め事やルールを作らないです。あんまり縛られたくない性格なので。縛られると逃げたくなる性格(笑)。萌じゃないですけど、本当に気分屋なので、その時その気分で動くタイプです」
──じゃあ、思い立ったら即行動があったりも?
「結構そうです。行動力はあるほうだと思います」
──主題歌についてもお聞かせください。
「主題歌は「KILL LOVE」という曲で、ぼくが作詞・作曲して去年出したんですけど、この曲はぼくの曲っていうよりかは、ファンとぼくの曲みたいなものに近い感じで書いているんです。だから、このドラマにあてがって書いたわけじゃないんですけど、サビの「一生HUGして一生KISSして一生KILLして生きてたいな」というところが、「わたしの相殺日記」の⾃分の嫌いな部分とかを殺したりしながら、最終的に⾃分を包み込んで愛せるように自分のことをハグするという、そこの世界観にすごく合ってるなと思って。それも奇跡的に合ったなって。めちゃくちゃ縁を感じると思ったので、ドラマにピッタリな楽曲になったんじゃないかなって思います」
──主題歌に選ばれたことは素直に嬉しい。
「嬉しいです。“あのさんの曲でぜひ”と言ってくださって、ぼくが「KILL LOVE」が合ってるんじゃないかと思って“「KILL LOVE」がいいと思います”って言ったんですけど、すごく良かったなって。ファンの方からもかなり愛してもらってる曲ですし。ドラマの主題歌に(リリースした)後からなるのも珍しいし、主演をやって、作詞・作曲もやって、ボーカルもやってるみたいなのが面白いなって思います」
──最後に、「わたしの相殺日記」の放送を楽しみにしている視聴者の方へメッセージをお願いします。
「すごくコミカルというか、気楽に観られる映像にもなってるので、それこそおいしいご飯をぼくが演じる萌と一緒に食べながら観てもらったり、ゴロゴロしながら観てもらって、次の日相殺する気持ちでその時は自分を開放して、何も考えずに観てもらえたら嬉しいなと思っています」
PROFILE

あの ANO
9月4日生まれ
2020年9月より「ano」名義でソロ音楽活動を開始。2022年4月、メジャーデビュー。音楽活動に留まらずタレント、女優、モデルとマルチに活躍中。近年の主な出演作は、映画『鯨の骨』(23)、『【推しの子】-The Final Act-』(24)、劇場アニメ『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(24)、ドラマ「民王R」(24)、「惡の華」(25)など
作品紹介



ドラマ25「わたしの相殺日記」
先行き不透明な世の中で、誰もが将来への漠然とした不安を抱えながら生きている。桜庭萌(あの)は、そんな不安から”いち抜け”した女性。「今を幸せに生きる」をモットーに、あえて定職に就かず、暴飲暴食、夜遊び、朝寝坊、爆買いなどなど、後先考えず欲望のままに日々を謳歌している。なぜなら、彼女にはとっておきの”必殺技”があるから。それは、経理上の相殺処理に着想を得た「自己流相殺術」だ。どんなに羽目を外しても、“相殺“すれば大丈夫……なのか!?
出演:あの
窪塚愛流 ゆめっち(3時のヒロイン) 遊井亮子 / 竹中直人
脚本:田口佳宏 吉見健士
監督:アベラヒデノブ 松浦健志 宮森玲実
主題歌:ano「KILL LOVE」(トイズファクトリー)
放送日時:2026年6月5日スタート 毎週金曜深夜24時52分〜25時23分
テレビ東京、テレビ⼤阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
2026年6月8日スタート 毎週月曜深夜24時30分〜24時59分
BSテレ東 ※6月15日を除く
※第3話は6月22日(月)深夜24時30分~24時59分
配信:各話放送終了後から、動画配信サービス「U-NEXT」にて第一話から最新話まで見放題独占配信
▶U-NEXT:https://t.unext.jp/r/tv-tokyo_pr
広告付き無料配信サービス「TVer」などで見逃し配信
▶TVer:https://tver.jp /series /sr4uh6omhf
▶テレ東HP(ネットもテレ東):https://video.tv-tokyo.co.jp/
▶Lemino:https://lemino.docomo.ne.jp/catchup/2-1-113-7
©「わたしの相殺日記」製作委員会
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