舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』崎山つばさ×安井謙太郎×陳内将 インタビュー

見どころ

――映画と連動していて映画を観た人なら続きが気になっているはずです。とは言えそれぞれ独立した作品なので、舞台からでも楽しんでいただける内容ということで、舞台ならではの見どころをそれぞれ教えていただけますか？

崎山「これは舞台全般に言えるかもしれないんですけど、表現的な部分で例えば殺陣ひとつでもダンスと組み合わせたり、身体で表現できるもので表現するという部分。映画だとCGだったりするんですけど、舞台で死神が出る方法をどう表現するのか、いろんな舞台表現をすると思うのでそういった点や、戦うシーンがとにかく多くなっていくと思うのでそれぞれの戦い方も見どころの1つかなと思います」

安井「映画はとてもいい意味で分かりやすくストレートなんです。舞台は舞台らしさというか、どの角度からも観られるというか立体的なお話だなというのを思っていて、いい意味で難しい話になっていて舞台ならではというか、観る人たちに幅を持たせていろんな楽しみ方があるのは舞台ならではだなと僕は思いました」

陳内「映画と舞台の決定的な差って、途中休憩できるかできないかだと思うんですよ。僕ら役者も１回着替えの時間で休憩とかするんですけど、あの時のバッと一瞬でお客さんが言っている声って０から80デシベルくらいの強さでくるんです。これって続きが気になってくれてるんだとか、第一幕を満足してくれているんだとか。撮影現場にはお客さんの生の声は届かないけど、舞台だとそれが聞こえるし、休憩の声だけじゃなくても、涙をすする音とか、笑い声とか、集中している沈黙でさえも僕らの芝居の底上げをしてくれるので、今か今かと舞台に立つ日を待ち焦がれております！はい！」

――舞台では少年社中の毛利亘宏さんが脚本・演出を担当されていますが、毛利さんとは、みなさんは初めましてですか？毛利さんの印象やアドバイスなどやり取りは何かありましたか？

陳内「僕は今作で３回目です！」

崎山「僕はソーシャルディスタンスです（笑）（＝毛利氏の演出作品は初めての出演の意）」

安井「僕は７ORDERというグループに所属しているんですが、メンバーが毛利さんの舞台に出演したことがあるので、Zoom（オンライン）会議くらいな感じです（笑）」

崎山「初めましての挨拶をした後に毛利さんとインタビュー取材をしたんですが、その取材の中で、脚本を書く上ではこの２ヶ月の間でいろんなパターンで練りながら脚本を書けたとおっしゃっていたので、練りに練った作品を僕たちができるのはすごく幸せだなと思いました」

安井「僕は初号（試写）の時にお会いした時に、毛利さんから（毛利さんのモノマネで）“いっぱい戦ってもらうから”と」

崎山「真似しがち（笑）、もう１回やってみて」

安井「“いっぱい戦ってもらうから”」

（同席のプロデューサーからもちょっと似ていると）

安井「“いっぱい戦ってもらうから”というお言葉に僕がお返しした言葉は、“手からビームとか出ませんか？”と、正直今の舞台ってすごいじゃないですか、でも“いや、それはない”と言われました。出鼻を挫かれました（笑）」

陳内「僕は、いわゆる人外という存在を適当な感じで役者が演じると寒くなってしまうじゃないですか、でもそれを毛利さんがおっしゃっていたのが、 “陳内にだったら”とお話しをしてくださって。毛利さんは“こんなおいしくできるキャラクターを絶対殺させない“と言って愛情を注ぎに注ぎまくってくれて、毛利節と言いますか、”うわー、こんな風に僕を使ってくれるんだ“みたいな９年越しの愛情だと受け取って！早くそこのシーンの稽古やお客さんの驚く顔とか早く味わいたいという感じです」