自身と似ているところ、似てないところ
天海祐希「あまり、ここが似ている似てないなと思いながら、演じることはないんですけども、割と楽観的なところは似てるんじゃないかなと思います。あとは、きっと私には無理ですね、篤子さんみたいな、大きな愛情で家族のことを思い、なんとか家庭を成り立たせようと奮闘するというのは、きっと難しいだろうな、頑張ってるなと思って、もう絶対に幸せになってもらいたいと思いながら演じていました」
ーーMC「篤子さんにエールを送りながら」
天海祐希「そうですねー」
ーーMC「松重さん、ご謙遜にもとれるようなお言葉ありましたが、愛情いかがでしたか?」
松重豊「本当にね、先程この映画の宣伝で番組に出させていただいたんですけど、そこで女性陣から総攻撃を受けたんですね、私。本当に女性の敵みたいな描かれ方をされてますけど、でもね、天海さん・篤子さんという方が家庭にいらっしゃると、旦那はあの程度でもなんとかなるんですよ、世の中は。うまくできたもので」
ーーMC「ちょっと待ってください、なんとなく(会場の)ご主人のみなさんがなんとなくうつむいていらっしゃいますけど(笑)」
松重豊「男子会は別の場所で今度やりましょうかね。(会場は)女性の方が多いと思うので。本当に大黒柱はああいうお母さんにこそふさわしい言葉で、最終的には篤子さんの愛に包まれるという結末になっていたでしょ?そういうことなので、わたくしは、ただのほほんといればよかったということでございます、ありがとうございました」
ーーMC「どうですか、天海さん」
天海祐希「とんでもないことですよ。気づかなかった方はもう1度観ていただきたいんですけど、よく篤子さんはご主人の章さんのほうを何かあるごとにチラッと見てるんですね。ということは、自分が前に出ていかなければいけなかったとしても、ちゃんとご主人のことをうかがっている、ここら辺はものすごく信頼関係がある夫婦だったんじゃないかなと思いながら」
松重豊「旦那を立てていただけるんですけど、こっち見たなと感じながらね、振り向かずに逆のほうを見てというのが、この夫婦の機微なのかなと思っていましたけどね」
ーーMC「そうでありながらも倒産した時に、なんとかなるから絶対という力強い言葉とか」
天海祐希・松重豊「アイス食べてましたからね」
天海祐希「当たりくじの」
ーー「その当たりくじがこの映画に結びついていると思うんですけど、いかがでしょう、松重さんとしては、役柄と似ているところ、こうじゃないところはありますか?」
松重豊「この仕事していると、その自分の役と自分との違い、相違点とか、よくわからなくなってくるんでね。ただ本当に2年前なんですけど、こうやって天海さん演じるその奥さんと家庭を持っていたということが、夢の中の出来事というか、現実にあったのかもしれない出来事に思い返されて、非常に幸せだったという記憶だけ残っているんですよ。そういうもんなんですね、役者って不思議なもので」
ーー2年前というお話がありましたけれども、令和になって即位の礼があったころですよね?撮影は2019年10月ころと聞いていますが。
松重豊「2年間でいろんな記憶が飛んでますからね」
ーーMC「その時に家族だったという記憶が、いまこうしてステージ上で家族として集まっていただきました。続きまして新川さん、どうでしょう」
新川優愛「似てないですねー。撮影が令和になった年の10月だったんですけども、私自身の結婚を発表させていただいたのが、その年の8月だったので、ちょうど、自分と同じような、タイミングでこの映画の撮影をさせていただいたんですけども、両親に相談もなく、結婚します!っていって結婚をというのは、自分はそんなことは勇気がなかったというか、ちゃんと練って練って結婚の発表、結婚をさせてもらったので、やっぱり、あの勢いのよさみたいな、まゆみちゃんの勢いというのはすごいなと思いながら、撮影してましたね」
――MC「みじんも譲る雰囲気なかったですね」
新川優愛「譲る気はなかったんでしょうね(笑)。あの、はい。お父さんとお母さんが。でも自由な役としてやらせていただいたのはそうなんですけども、だけどその中に勝手な意味だけじゃなくて、お父さんとお母さんは味方でいてくれる、最後は応援してくれるよなという思いも正当化しつつお芝居をさせていただきました」
――MC「天海さんいかがでしょう、お母さん役としては受け入れがたいことばかりが突きつけられる役でしたけど」
天海祐希「そうでしたねー。新川さんはご本人とはものすごく違って、ものすごく堅実ですもんね。古風ですし、立派。私たちより立派ですよね」
松重豊「本当に」
天海祐希「積立を増やすんだそうですよ」
会場「(笑)」
天海祐希「積立を増やすんだそうです、これから。不安になられたそうなので、積立を増やすとおっしゃってました。まあ、よくできた娘さんですよ、本当に」
新川優愛「いや(照)はい、ありがとうございます」
――MC「そういうお話は撮影中になさったりされたんですか?」
天海祐希「取材の時になどに、(松重さんと)2人で、なんと素晴らしい娘さんですかって」
松重豊「ちゃんと老後の資金のことをこの歳で考えてるんだもんね」
新川優愛「はい」
松重豊「ちゃんとそういうところ、ためになる映画ですね。撮影中からもそういう話題もしていました」
新川優愛「勉強になりました」
――MC「撮影中はご家族というのはどういう雰囲気で、空気を醸す努力とかされたんですか?」
天海祐希「特にしませんでしたよね」
松重豊「努力はしてないですね。本当に家族なんで、そのここはこうしよう、ああしようというより、食卓を囲んで食事をするっていうことだけで、その空気感は自然とでてきちゃうんで。さっきの話じゃないですけど、こういう家庭、僕持ってたのかもしれないなというくらいの、そういう空気に浸っていた撮影期間ですね」
――MC「自然とご家族に」
松重豊「だったでしょ?」
天海祐希「だった。だったよー」
新川優愛「ただ、私はお二人(天海祐希&松重豊)のほうが先にクランクインをされていたので、ご夫婦の雰囲気にポンッと、なんというんですかね、乗せてもらうじゃないですけど、おんぶに抱っこというか、頼らせていただいたという気持ちです」
――MC「そんな中、天海祐希さんは泣いたり笑ったり、感情が爆発するシーンが多かったですね」
天海祐希「ねー、振り回されてましたもんねー」
――MC「あの涙は本当にうわーっと出てきちゃうような感覚だったんでしょうか」
天海祐希「プロですからね」
会場「(笑)」
――MC「篤子さんが乗り移っているかのような」
天海祐希「あれだけいろんなことが起こったらやっぱりね。でもとても楽しかったですよ、ジェットコースターに乗っているかのようで」
――MC「ジェットコースターでしたね」
天海祐希「楽しかったですね、ね(松重に向けて)」
松重豊「あ、俺?楽しかったですよ。だから楽しい思い出しかないですけど」
――MC「この雰囲気ですよね、俺って」
松重豊「同意求められてるんだなっていう、この夫婦のキャッチボール感というんですか、そこが幸せなんですね。ああやってのほほんといられる幸せ。男性陣後で話しましょうね」
会場「(笑)」
――MC「さて、草笛さん、ご自身の役柄・芳乃さんを演じられて、似ている気がするな、絶対こういうことはしないわというところはございますか?」
草笛光子「監督が隣にいらっしゃるので言いづらいですが。まあ、私はかき回し役。かき回しに来たような役ですよね。そういう役はあんまりやってこなかったですんですが。だから思いっきり羽を伸ばして、やらせていただいたつもりです」
――MC「映画の中でいろんなお衣裳、ハイヒールからヨガスタイルから、毒蝮さんスタイルとか、ご自身ではいかがでしたか?」
草笛光子「この芳乃は、たぶん主人が生きている頃は着物を着て出ていたような女性だと思ったんです。その女性が、いま服を着て羽を伸ばしてきたという。そうしたら何を着るかというところから入りましたね。だからこの頭の型も今日はちょっと芳乃に寄せていますけど、着物を着ていた女性がやりそうな頭というようにしています」
――MC「お帽子も素敵でしたもんね」
草笛光子「あらそうですか、あれ私の帽子」
前田監督「結構草笛さんご自身の衣裳とか身に着けるものも提供していただいたんです。草笛さんそのものだと芳乃の役はそうだと思っていたんで」
草笛光子「それはちょっと。ちょっと困るんですね。かき回す役だと思って、思い切って出させていただきましたけど、監督は私のことをそのまんまでおかしい人と言われて。面白い人とか楽しい人とかかわいい人と言ってくださればいいんですけど、おかしいって言葉は相当ショックでしたね」
前田監督「おかしいにはすべてが入ってるんですよ。おかしいの中には、素敵な人とかかわいい人とか、上品とかすべてが入っている言葉なんです」
草笛光子「おかしいの中に入ってるんですか?ウソばっかり」
会場「(笑)」
草笛光子「ああいうことをおしゃって、私を丸め込んで。監督が思うようように丸め込まれてやったつもりです」
――MC「本当にお歌も素晴らしかったですし、見どころ満載で、ありがとうございます。監督にもお話を伺いたかったんですが、これだけのほかにもたくさんのキャストのみなさんが、ご出演なさっていました、演出するうえで、心がけたこと、注意されたことはありますか」