天海祐希主演映画『老後の資金がありません！』初日舞台挨拶で「公開を迎えられてHappy！」(天海)

個性豊かなキャスト揃いの中での撮影

前田監督「いま草笛の話があったように、みなさんがどれだけ自由にみなさんの個性を発揮していただけるかなというところで、リラックスして演じてもらえる場を、例えば松重さんと天海さんのご夫婦の話もありましたけども、おうちがそういう風に思えるようにスタッフ・美術も含めてみなさんで作ってもらって、提供させてもらったつもりなんですけど。そういう場作り・雰囲気づくりというか、天海さんと松重さんがちょっと待ってもらっている間に、部屋の中でお話しされているところをそのままよーい、スタートをかけられるような状況だったので、すごく僕はやりやすかったです」

――MC「うまく日常生活を滑りこませるような感覚ですか？」

前田監督「そうですね、実際あの家で何十年も暮らしている夫婦の役ですからなるべくそこにいてもらいたかったという感じで、ちょうどそこにいて時間を過ごしていただいたことですね。草笛さんは、人生最後のセリフがあるんですけど、「ワガママに生きた方が勝ちよ！」という言葉が。草部さんの言葉そのままなので。最初は違うセリフだったんですよ」

――MC「そうだったんですか」

前田監督「“私こういう固いセリフよりもっといいセリフないの？”ということで、いろいろ考えて、脚本家の斎藤さんにお願いしたら、わかったということで、あの言葉が出てきました」

草笛光子「あの言葉はとってもうれしかったです。あれはこの通りだと思いまして、私の役の。とってもうれしかった」

前田監督「いかに俳優さんたちがわがままに演じてもらえるかというつもりでいました」

本作の主題歌を担当する氷川きよしの楽曲「Happy!」にちなみ、最近ハッピーだったこと

天海祐希「今日を迎えられた事ですね。1年の公開延期は本当に苦渋の決断だったと思います。私は映画を知ってもらうための1年間、と前向きにとらえてきたけど、世の中の皆さんの努力と忍耐のおかげで、こうして(劇場が)満席の光景をみることができました。こんなハッピーなことがあるでしょうか?ねぇ??」

会場「拍手」

松重豊「その通り！実は孫が生まれたんですが...この状況なので会えてなかったんです。でも先日、ようやく会うことができました」

新川優愛「今日を迎えられて本当にハッピーです！」

草笛光子「昔だったら、映画は撮影したらそこで終了。こうやってお客様の前で話せることなんてありませんでした。こういう映画の初日を迎えるのは初めてです。皆さんに迎えられてこの映画は幸せですね。もう思い残すことありません！」

最後に主演の天海祐希よりメッセージ

天海祐希「今日は足を運んでくださってありがとうございます。1年間、公開が延期になり、みなさんに観てもらえるこの日を心待ちにしていました。毎日、大変なこともあると思います。まだまだ、苦労している人も辛い思いをしている人も多いと思います。ぜひ、この映画を観て、きよしくんの歌で、一時でもハッピーになってお家に帰ってくれればと思います。毎日が元気になるように、この映画を使ってください！」

STORY

主婦・後藤篤子(天海祐希)は悩んでいた。 家計は妻に任せきりの夫・章(松重豊)の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、娘(新川優愛)と息子(瀬戸利樹)を育て上げた。節約をモットーに、老後の資金をコツコツ貯めてきたはずなのに...親の葬式に330万、子供の派手婚に300万！そんな中、夫が失職！と次々とお金の災難が襲い掛かる！なんとかしてやりくりするものの篤子の努力はむなしく出費はかさむばかり。いよいよ姑・芳乃(草笛 光子)への仕送りさえ捻出できなくなった篤子は、義理の姉夫婦との話し合いの席で、芳乃を引き取ると口走ってしまう。しかし、元・老舗和菓子屋女将は、超がつくほどの浪費家だった・・・！貯金0円が目の前に迫る！