原作は2021年に第42回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の同名小説。「響け!ユーフォニアム」シリーズでお馴染みの書き手による、新時代の青春ストーリーが、注目の若手監督・井樫彩の手で映画化。
毒親のもとで生まれ育ち、人生を奪われてきた女子大生・宮田(南沙良)と江永(馬場ふみか)。ふたりがバイトするコンビニの同僚・堀口を演じる基が、優しく寄り添うような存在感を放つ。
画像: ――井樫彩監督からはこういう風に演じて欲しいといったリクエストみたいなものはありましたか?

――井樫監督と基さんは同世代ですが、監督の印象はいかがでしたか?

現場でのチームワーク、指揮のとり方が僕が想像していた井樫監督の雰囲気とはちょっと別物でした。顔合わせのときから、笑顔で優しくて、何て言うんだろうな……やわらかい雰囲気の方だったんですね。でも時間がない中で、どんどん撮らなくちゃいけないので、現場では監督としてすごくテキパキ仕切っていらっしゃってカッコ良かったです。

――効率良く現場を回していらっしゃったと。

リーダーシップを発揮されていました。すでに評価されている監督ですからね。96年の早生まれとおっしゃっていたので、本当に僕と同世代。お若いのに現場を仕切っていらっしゃって尊敬しかないです。

――舞台、ドラマ、映画と経験されて、それぞれの演技の違いは感じましたか?

まだまだ経験が浅いですけど、舞台と映像って違うなってこの作品の撮影期間に改めて感じました。舞台と映像は発声ひとつ取っても違います。舞台の発声は、マイクがなくても客席の一番後ろまで届くようなイメージ。感情が高ぶっていようがいまいが、まず声が届かないと意味がないんです。動きにしても、舞台だと身振り手振りを大きくして伝えるけど、映像は画角の中で伝えるものだから、より繊細な瞬間を1カットの中で伝わるように表現をしないといけないと思いました。

――映画出演が決まったとき、IMP. のみなさんの反応はどんな感じでした?

「おめでとう」と言われました。同時期にメンバーの何人かが映画の仕事が決まっていたので、お互い頑張ろうねと。男同士なので、お互いに深く話すこともなく、「とりあえずやるしかねえ!」みたいな感じでした。

――お互いの作品を観たら感想を伝えたりします?

ツアー中は一緒にいる時間も長いので、ライブのMC中にお互いの作品のことを話題に出しまたね。ファンのみなさんにはネタバレにならない程度に、「このシーンでこんなことやってたな」みたいなイジりトークをしつつ、「でも良かったよ。ファンの皆さんにもぜひ観て欲しいよね」って話しましたね。

――本作は友情という言葉では括れない関係性を描いていると思いましたが、完成した作品をご覧になってどんな感想を持ちましたか?

すごく儚く美しい情景を描いているからこそ、ふたりの置かれた環境や状況のしんどさみたいなものがより鮮明に映し出されている気がしました。だからこそ、ぜひ映画館で観て欲しい作品です。重いシーンの方が多いけど、監督もおっしゃっているように、決してそれだけじゃないと僕も思っています。ひとつの答えだけじゃないのが映画という表現の良いところで、僕も完成した作品を観たときに、彼女たちが置かれている境遇に対して、明確な解決を出しているわけではないなと思いました。でも同じような境遇の二人が出会い、わかり合えた。それがこの関係の美しさでもあると思うし、ラストはどこか希望を感じられるものでした。見終わって清々しい感覚になれたのが新しいなって思いました。この映画をきっかけに原作にも触れてみて、そこからいろんな想像をしていただくのも素敵だなって思います。

――最後に映画のwebサイトになので、基さんの好きな映画を教えてください。

好きな作品はいくつかあります。「アベンジャーズ」や「スパイダーマン」シリーズ、「ジョン・ウィック」や「イコライザー」シリーズといったアクション映画も好きです。そして『プラダを着た悪魔』もすごく思い入れがある作品ですね。洋服が好きになったきっかけで、ファッション誌をよく読むようになりました。

――その作品の中にあって、『プラダを着た悪魔』は異色ですね。

ファッション業界とファッション誌で働く人々を純粋にカッコイイと思えたんです。メリル・ストリープ演じる編集長も一見冷酷に見えるけど、キャラクター設定が絶妙というか。作品を通して作り手側の洋服やファッションへの熱量も感じたし、全てにおいてプロフェッショナルだなって思いました。自分たちが主演の舞台や今回の映画など、今いろんな経験をさていただいていて、経験値が上がり、いろんな分野のプロフェッショナルな方と一緒に仕事する機会が増えたんです。舞台ならアクションやエアリアルというアクロバットをやっていらっしゃる方、バレエや新体操の方。映画なら第一線で活躍されている俳優さんやもちろん今回の井樫監督も、いろんなプロフェッショナルの方に囲まれて仕事ができるのは、自分ももっと頑張らなきゃって刺激にもなりますし、熱くなります。僕はけっこう体育会系の人間なので、『プラダを着た悪魔』を観て感化さている自分がいました(笑)。

画像4: 毒親のもとで生まれ育ち、人生を奪われてきた3人の女子大学生を描く映画『愛されなくても別に』。三者三様の「不幸」の中で優しさが光るコンビニ店員を基俊介(IMP.)が好演!【インタビュー】

<プロフィール>
基俊介
生年月日:1996年10月17日
出身地:埼玉県

男性7 人組グループ「IMP.」のメンバー。
2023年8月18日、デジタルシングル「CRUISIN’」で世界同時配信デビュー。
同年11月15日公開のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート”JAPAN Hot 100”で「CRUISIN’」が2位にチャートイン。2024年6月に有明アリーナにて初の単独ライブを成功させる。
2025年1月から初の単独ツアー「IMPERIAL LIVE TOUR 2025」を開催。
2025年5月からは初の主演舞台「IMPACT」を上演。
TBSドラマストリーム「三人夫婦」の主題歌となったIMP. の4thシングル「Cheekto Cheek」が6月23日にリリースされる。

『愛されなくても別に』
7月4日(金)公開

画像5: 毒親のもとで生まれ育ち、人生を奪われてきた3人の女子大学生を描く映画『愛されなくても別に』。三者三様の「不幸」の中で優しさが光るコンビニ店員を基俊介(IMP.)が好演!【インタビュー】

Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

<STORY>
宮田陽彩(南)は、言うなれば「クソ」のようなキャンパスライフを送っていた。奨学金を受けて大学に通い、それ以外の時間は家事とコンビニでのアルバイトに明け暮れ日々。いつも通り早朝にバイトを終え、母のために朝食を作ってから登校した宮田は、同級生の江永雅(馬場)の父親が殺人犯であるという噂を耳にする。金髪にブルーをのせたヘアカラーと濃いアイメイクがトレードマークの江永はバイト先の同僚でもあったが、地味な陽彩とはあまりにも対照的で、一度も会話を交わしたことはなかったが――。
基は宮田と江永が働くコンビニの同僚・堀口を演じている。

出演:南沙良 馬場ふみか
本田望結 基俊介(IMP.) 伊島空 池津祥子 河井青葉
監督:井樫彩
原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

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