主人公の漫画家・晴田真帆(吉田)の担当編集者であり、高校時代の同級生でもある嵐景政を大倉空人が演じる。嵐は真帆とマンガ部の先輩・雪嶋周(藤原)とどう関わっていくのか――?
撮影/久保田司
ヘアメイク/SUGA NAKATA(GLEAM)
スタイリスト/中瀬拓外
取材・文/SCREEN+Plus編集部

――本作はタイムスリップが軸になっておりますが、こういったSF的な作品に出演されるのはいかがですか?
ドラマのお話をいただいて嬉しかったです!タイムスリップという非現実的なものを経験できるのはすごく嬉しかったですし、なにより「どうやって撮るんだろう?」と撮影のしかたにすごく興味が湧きました。
――嵐景政(あらし・かげまさ)という登場人物について、どういうキャラクターだと捉えましたか?
最初はすごくクールで淡々としているのかなと思っていたんですが、監督さんとお話していく中で「実は、嵐は人見知りなんじゃないか?」というところに落ち着きました。
――それはどうしてでしょう?
現実を受け止めた時に出てくる表情がすごく分かりやすかったり。クールに見えますが、献身的に真帆をサポートしているところとか。嵐を人見知りだと思って作品を読んでいくと、「確かに!」と思える行動が多々ありました。嵐を嫌なヤツではなく可愛いヤツと思われるようにどう演じようかと監督とお話ししました。実際の原作漫画では、そういうキャラなのか、もしかしたら違うかもしれませんが、このドラマの中では人見知りという解釈で演じています。
――予備知識なく読むと、最初は真帆と雪嶋先輩と三角関係に…?なんて一瞬思ってしまいましたが、嵐は本当に真帆をサポートをする真面目な人でしたね。
監督にも聞いたんですが、嵐は真帆に一切恋愛感情はないと原作者の先生もおっしゃっていたそうです。それを聞いて、それはそうだなと思いました。嵐くんはどこまで真帆の担当期間が長くなっても、敬語で話しているのは、作家に対するリスペクトの表れだと思います。編集者ってカジュアルな服装の方が多い印象ですが、嵐はスーツで出勤しています。自分が決めた一つの仕事に対して真摯に向き合っているんだろうなと感じました。
――ストーリー部分も考えながら演じている部分や、また、本作で新たな挑戦もあったのでは?
自分の挑戦としては、今作ではセリフをしっかり一言一言伝えることを意識していました。以前、ほかの作品に出演した時に、ナチュラルな芝居を求められることが多かったんです。「トーキョーカモフラージュアワー」に出演した時は、自分はこういうナチュラルな演技が得意なのかな?と思ったんです。でも、同時に、「これだけじゃダメだ」と感じることもあり、その作品の世界に合ったセリフの言い回しやお芝居の仕方もあるんだなと分かりました。今回のドラマは、自分の役が軸になって視聴者の方がタイムスリップを理解していくと思うんです。だから、これまでみたいに普通にナチュラルな感じのお芝居をすると、流れてしまって伝わらないワードも増えていくと思いました。とにかくセリフをゆっくり発言し、視聴者に大事なキーワードを伝えることを意識しました。それが正解なのか間違っているのかは置いといて、ひとつの自分の挑戦としているので、完成した時に自分で観るのも楽しみです。
――原作漫画を読まれている方にも楽しみにして欲しいポイントはありますか?
ドラマという話数が決まっている中で、ちょっとした違いはあれど、変わらないものもあります。原作を愛している方の視点で観て欲しいです。真帆が雪嶋に対しての想う気持ちや嵐が真帆をサポートする姿。嵐は兄にはどんな気持ちだったのか……? 同時に雪嶋先輩も葛藤があったり……、一人ひとりのバックボーンにも注目してもらいたいですし、漫画では分からなかったキャラクターたちの目の動きや話し方、表情や行動の一つ一つが分かるのが実写のよさだと思うので、原作を知っている方にも楽しんで欲しいと思います。なによりドラマを観て、また漫画を読んだ時に、その人の声で再生されるのがまた一つ増える楽しみ方だと思うので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
――同世代の吉田さんや藤原さんといった俳優との共演はいかがでしたか?
藤原くんは「あらばしり」というドラマで一度共演させていただきました。その時よりも今回はセリフを交わすシーンが多くてすごく仲良くなりました。作品が終わっても交流が続けられたらいいなと思う先輩です! 吉田さんは事務所が一緒で、ノリがすごく自分と似ています。撮影中も安心感があるので、出会えてよかった仲間です。いつも撮影中はくだらない話で3人で盛り上がってました(笑)。

