この度、10月20日(月)に、映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』初となるイベントを実施!主演の水上恒司、木戸大聖、綱啓永、JUNON(BE:FIRST)ら街を守る正義の不良軍団<チーム・防風鈴>キャストと、萩原健太郎監督登壇のキックオフイベントが華々しく開催された。
映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』 キックオフイベント

主人公・桜がてっぺんを目指すストーリーにちなみ、イベントは日本のシンボル・東京タワーのふもとで実施。作品カラーのグリーンに染め上げた会場には、風の特効を用いた劇中の“ウインドアクション”シーンさながら、瞬間最大風速25m/sの爆風が吹き抜け、木の葉が舞う中、キャスト陣が登場。熱狂的ファンの大歓声に包まれながらイベントは幕を開けた。
主演を務めた水上恒司は、「撮影現場で“風を可視化する”という表現に使われたハリケーンは、こんなもんじゃありません!もっと大きくてとんでもない風の中で、僕らはアクションをやりました。『よーい、スタート!』の声しか聞こえなくて、助監督さんの身振りを見て『カメラが回ったんだ』なとわかるいぐらいでした」と過酷な撮影を振り返る。

水上恒司
綱もまた「相手のセリフがまったく聞こえないので、口の動きを見て予想しながら演じていました」と語り、極限の環境での芝居だったことを明かす。さらにイベントでは、観客にもその“ウィンドアクション”を体感してもらおうと、客席にも突風が吹きつける演出が!思わず水上が「せっかくみなさん、おめかしして来てくれたのに! なにやってくれてんだっていう!」と立ち上がって心配するほどの爆風に、会場は歓声と笑いに包まれた。

綱啓永
長い黒髪が特徴の杉下京太郎を演じたJUNONは、「僕は髪が長い役だったので、風のアクションではそこが一番大変でした。風が吹くと髪で前が見えなくなるし、避けても顔に貼りついて…すごかったですね」と、長髪ゆえの苦労を語る。萩原監督も「実際に俳優のみなさんに吹かせている風とは別に、画面の奥に映っている木なども全部揺らさないといけないので、スタッフ総出で揺らしていました」と、見えない努力が詰まった“ウィンドアクション”の舞台裏を語り、作品への期待をますます高めるエピソードとなった。

JUNON(BE:FIRST)
ケンカはめっぽう弱いが情報収集に長けた楡井秋彦(にれいあきひこ)を演じた木戸大聖は、「まず原作を拝見して、にいさとる先生の『WIND BREAKER』へのリスペクトをしっかり持って臨みたいと思いました」と真摯な思いを語る。続けて、「二次元のキャラクターを三次元で、人間として生きている存在にする――その難しさに、クランクインまでは正直不安もありました。でも萩原監督と作品を創り上げていくうちに、自分の中で少しずつ“楡井”という人物像が確立していくのを感じました」と、役との向き合い方を振り返った。

木戸大聖
頭脳明晰かつカンフーや合気道を彷彿とさせる独特のケンカスタイルで、右目の眼帯がトレードマークの蘇枋隼飛役を演じた綱啓永は、「もともと原作が大好きで、蘇枋君もすごく好きなキャラクターだったので、本当にうれしかったです!」と笑顔を見せる。「もちろんプレッシャーも相当ありましたが、そんなことを言っていられないくらい、役にまっすぐ向き合いました。僕ら役者がその瞬間を本気で生きれば、その熱量は必ず画面越しに伝わると思って。クランクインしてからは怒涛の日々でしたが、全力で頑張りました」と、作品への熱意をにじませた。
風鈴高校の頂点に君臨する梅宮一を崇拝する荒くれ者、杉下京太郎を演じたJUNONは、「原作が好きだからこそ、プレッシャーを強く感じました。自分に杉下役のオファーが来たこと自体、正直驚きでしたね。そもそも演技に挑戦するのは初めてだったので、その点でも大きなプレッシャーがありましたし、二次元のキャラクターを三次元で表現することへの重圧もありました」と語った。
個性豊かなキャラクターについて水上は、「桜の持つ弱さや、照れるという感情の表現が大事でした。原作に寄せすぎるとキャラクター的になりすぎるので、人間らしい生理感を使って自然に演じることを意識しました。桜の初期の攻撃性や暴力性が、どのように移ろっていくかを軸に置きながら、人間の生々しさをどう映すかを考えた作品です」と明かす。さらに「僕自身、野球をしていたので、チームでは頑張るけれどプライベートではさっと引いてしまう、そんな桜の気持ちも理解できました。良くないなと思いつつ(笑)、でもその弱さを含めて愛おしく感じました」と語った。綱も「確かに孤高な部分はありましたね」と共感を示し、JUNONは「僕も人見知りな方なので、最初は水上君にどう話しかければいいかわからず、撮影以外ではほとんど話せないこともありました。本を読んでいる時間も多くて」と、現場での水上について明かす。それに対し水上が「違うんですよ!現場で綱さんとJUNONさんはずっと携帯ゲームをしていたんです。若者としては、それより本を読んだ方がいいのではと思って(笑)」と弁解すると、JUNONが「綱さんと僕は二人で『WIND BREAKER』のゲームをやってたんですよ!」、綱も「作品のためにやってたんだよね!」と即座に結託。水上がたじたじになるやり取りに、客席からは大きな笑いが起こった。
また、桜の独特な半分黒・半分白の髪型をウィッグではなく地毛で再現したことについて、水上は「本当に大変で、二週間に一度、左半分だけブリーチしていました。どれだけブリーチしても三日後には根本から黒い毛が生えてきて、いつまで続くんだろうと思いましたね。でも、役者にとっては当たり前のこと。むしろ尽力してくださったのはヘアメイクの方々で、現場でも多くのキャストのケアをしてくれました。一番の功労者と言ってもいいくらいです」とねぎらい、チームワークの良さがうかがえるエピソードとなった。

公開はまだ先ながら映画が完成し、一足先に試写を観たキャスト陣。JUNONは「始まりから終わりまでずっとワクワクしながら観ました。青春を感じさせてくれるし、仲間のありがたさも伝わってきて、すごく心が温まる映画になっていると思います」と笑顔で振り返る。
綱はまず萩原監督に向かって「監督、めっちゃ面白かったです!」と率直な思いをぶつけ、その後に「僕は原作のファンでもありますが、冒頭の桜のシーンから『これは大丈夫だ、めっちゃ面白い!』と確信しました。恒司の熱量は現場でも感じていましたが、画面からも伝わってきて、その中に自分も参加できたことが本当に幸せでした。映画が伝えたいメッセージもしっかり詰まっています。ちなみに僕が登場するシーンでは個性的な音楽が流れたりしているので、そこにもぜひ注目してください」と声を弾ませた。
木戸は、「アクションは疾走感やテンポが抜群で、作品のテーマである“言葉”もすごく大事にされていました。防風鈴の総代・梅宮が桜にかける一言一言も心に響いて、出演している自分ですら感動するくらいでした。アクションとヒューマンドラマの緩急が本当に絶妙で、どの世代の方にも楽しんでもらえる作品になっていると思います」と自信をのぞかせた。
水上は、「アクションが派手だと人情部分の感情が薄れがちになることもありますが、今回は僕が演じる桜の気持ちのグラデーションを軸に、周りのキャラクターも変化していきます。それぞれのキャラクターが持つ個性や、役者が役を通して届けようとしたメッセージが『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』にはしっかり詰まっていると思います。これは萩原監督の現場での演出や作品づくりの工夫、そしてそれに応えてくれたスタッフの存在があってこそで、僕たちはのびのびと役を全うすることができました。完成した映画を観て、改めてひしひしと感じましたし、少なくとも今の時点で、この作品に携われて本当によかったと思える映画になっていると思います」と感慨深く語った。

萩原健太郎監督
そんなキャスト陣の思いを聞いた萩原監督は、「嬉しいですね。水上君と最初に会ったとき、『桜以外のキャラクターが、桜の物語を進めるだけに見せたくない』と言われて、なるほどと思いました。主人公は桜ですが、キャラクターひとりひとりが映画の世界でしっかり生きていて、場合によっては桜だけでなく、敵対する側のキャラクターにさえ共感してもらえるかもしれない。そういう映画を作りたいと思ってきたので、キャストが自分の演じた役を愛してくれて、こうした感想を聞けるのは監督冥利に尽きます」としみじみ語り、キャストと監督の強いチームワークと絆がうかがえる瞬間となった。
最後に、主演の水上から「この映画は主人公の桜を中心に描かれていますが、桜と<防風鈴>の仲間たち、さらに敵対する<獅子頭連>のキャラクターたちとの関わりを見ても、一言で片づけられない奥行きのある表現ができていることを嬉しく思います。防風鈴のメンバーもそれぞれの個性がしっかり立っていて、僕だけでなく周りのキャストも輝いています。こうしてプロモーションの場に立ち、『こういう思いで役を生きました』と語れる作品になったことを誇りに思います。これからは、皆さんの応援があってこそこの映画は成り立つと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします!」と映画公開を心待ちにするファンへ向けてメッセージが贈られた。
『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』
12月5日(金)公開

©にいさとる/講談社 ©2025「WIND BREAKER」製作委員会
原作:にいさとる『WIND BREAKER』(講談社「マガジンポケット」連載)
出演:水上恒司 木戸大聖 八木莉可子
綱啓永 JUNON(BE:FIRST) 中沢元紀 曽田陵介 萩原護 髙橋里恩
山下幸輝 濱尾ノリタカ 上杉柊平
監督:萩原健太郎
配給:ワーナー・ブラザース映画