コロナ禍を乗り越えてもなお、真偽不明な怪情報やフェイクニュースが世に溢れ、ネット上で瞬く間に拡散され、真実が覆い隠された時代。「あの時、虚実あふれる情報に翻弄された男」の物語が爆誕した。本作で「反ワクチンの象徴」として祭り上げられ、変貌していく浅岡信治を成田凌が演じる。出演を決めたいきさつや誰にでも起こりえる事象をたっぷり語った。

撮影/久保田司
取材・文/柳真樹子
ヘアメイク/高草木剛(VANITÉS)
スタイリスト/カワセ136(アフノーマル)

画像1: 【インタビュー】テーマもスタッフもキャストもすべてがチャレンジング! 成田凌が映画『#拡散』出演に至ったその理由

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――とてもチャレンジングな内容です。本作へのご出演のいきさつを教えてください。

別のドラマの撮影をしている時に、マネージャーさんから「面白そうな作品があるので、一回、脚本を読んでみて」と言われました。おっしゃる通りチャレンジングな内容だなと思いましたが、脚本を港岳彦さんが書かれているという時点でとても魅力的でした。この題材を港さんはどう描くのだろうとわくわくしながら読み進めましたが、やっぱりとても面白くて!この作品で描かれているのは、すごく身近な世界です。富山に住むとある男性の物語として、僕たちのすぐ近くにある日常が映し出されているように感じました。

――脚本を読んでからは即決だったとか?

面白くて一気に読みましたね。数時間後にはマネージャーさんにお受けしたいですと伝えていました。港さんの脚本は、髄に入っていく感じというかとても面白いんです。決して他人ごとではないと思いましたし、触れられたくないところに触れられる感覚にもなりました。

そして、白金監督は今回が初監督、普段は照明を務められている宗さんが撮影監督ということで、スタッフのみなさんも初めてのチャレンジをされるのだと勢いを感じて、より楽しみになったことも覚えています。

――この作品は、社会派な部分とエンタメな部分が微妙なバランスかと思いますが。

そうですね。そのバランスをとっている要素の一つとして、撮影の仕方が挙げられるかなと思います。今まであまり見たことがない特殊な撮り方もありました。例えば、SNSの声の見せ方として、SNSの画面をプロジェクターで僕の体に映し出すとか。あとは、急にみんながカメラ目線で話すシーンがあるのですが、そこは見ている方に突然出演者と目が合ったような緊張感が走るんじゃないかと思います。

たまたま自分がこの間まで舞台をやっていて。舞台だと客席に向かって話す人がいることによって、お客さんが集中できる効果があるらしいんですよ。そのような、物語をただ観ているだけではない感覚も本作にはあるのかなと思いました。自分事として観られるようにというか、そういう撮り方をしていた理由が、出来上がった作品を観て腑に落ちました。

――被害者なのか加害者なのかわからない役を演じることはいかがでしたか?

浅岡信治を演じる上で、あまり気持ちを安定させないようにしていました。なんとなく生きる気力に欠けているけど、急にスイッチが入る人という印象です。でも、スイッチが入ったかと思えばすぐ下がるみたいな、周りに翻弄される人ってそういうところがあるのかなと思いました。エナジードリンクを飲んだ時の血糖値みたいな感覚です(笑)。

――沢尻エリカさん演じる福島美波の「あっという間に仕上がりましたね」というセリフ。その通りの信治の変化が面白かったです。

いいセリフですよね。そこまで刺激がない毎日だったのに急に刺激的なことが起こったことで、信治はあっという間に変わってしまいます。調べてみたら、人間が最もストレスを感じるのは配偶者の死らしいです。だから、急にそのストレスが生まれた人間の不安定さが表現できたらいいなと思っていました。ビジュアルも少しずつ変えてましたね。最初の方は帽子を深くかぶっているんですけど、ちょっとずつ有名になってきてからは帽子を浅めにかぶったり、前髪を分けて顔を出すようになったり……。服装もこれまでには選ばないような色味だったり、少しずつ派手なものになっていきます。かっこつけたいけどダサい、みたいな感じにしたいなと、衣裳さんと絶妙な塩梅を探りながら決めていきました。結果、どんどん愛せない雰囲気になれたかなと思っています。唇も血色が悪かったり、肌も乾いてて顔がむくんでいたり。なんとなくだらしなく感じるビジュアルも、前日の食事やメイクで微調整していました。

――信治には共感できるところはありました?

共感はできないけど、仕方がないかなと理解できる部分はあります。元々強い意志とかはなくてふわっと漂っているような人だし、顔と名前を出して、急に周りからおだてられて持ち上げられたら、変わらない方が難しいのかなと。「何か嫌だな」と思われるように演じましたが、誰にでもあり得ることなので、責めることはできない人です。

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