音楽を原動力にしたカーアクションに大興奮!
【ストーリー】
ベイビー(アンセル・エルゴート)は、幼い頃に遭った交通事故の後遺症で耳鳴りが止まず常にiPodで音楽を聴いて過ごしている。彼は天才的なドライビング・センスが買われ、大物犯罪者が組織する強盗団の逃走を任されているが、いつかこのクレイジーな環境から抜けしたいと考えていた。ある日、デボラ(リリー・ジェームス)と出会ったベイビーは彼女と恋に落ち、自ら決めた“最後の仕事”と覚悟を決めて挑むのだがーー
主人公のベイビーを演じるアンセルは『ダイバージェント』シリーズで注目され、『きっと、星のせいじゃない。』で大ブレイクした人気急上昇中の若手俳優。俳優として活動するだけでなく、“DJアンソロ”としてデビューするなど、音楽の才能も発揮している。また191㎝の長身を生かしてモデルとしても活躍しており、プラダのキャンペーンモデルも務めている。そんなアンセルの来日インタビューをお届けします。
ーー劇中でコモドアーズの『Easy』が使われていましたが、実はアンセルさんはこの曲をオーディションの時にリップシンクされたそうですね。
「そうなんだ。ただ、最初に貰った台本には『Easy』以外の全ての楽曲が脚本に組み込まれてたから、オーディションの後に『Easy』が劇中で使う音楽に追加されて凄く驚いたよ。エドガーも何も言わずに『Easy』を追加した新しい脚本を送ってくれたんだ。粋なことしてくれるよね! おかげで撮影が余計に楽しみになったんだ」
ーー共演されたジェイミー・フォックスさんがアドリブをされたと伺ったのですが、アンセルさんがアドリブをしたシーンはありましたか?
「僕はアドリブはそんなにしなかったかな。というのも、アドリブの必要性を感じないほどエドガーのことを信頼していたし、ベイビーというキャラクターが色彩豊かでユニークだったから。役者がアドリブをするのはキャラクターにもう少し色味を加えたい時だと思うんだけど、今回はその必要がなかったんだ。ジェイミーのアドリブは、聞いたこともないような面白い台詞をぶつけてくるから最高に楽しかったよ! ただ、彼が演じているバッツと同じような勢いで色んなことを言ってきたときは、撮影中に使っていたiPodの音量をマックスにしてジェイミーの声が聞こえないようにしてたけどね(笑)」
ーー撮影中はキャストの皆さんが小型イヤホンをつけて実際に劇中で流れる音楽を聴きながらお芝居していたそうですが、その手法で演じてみていかがでしたか?
「劇中で流れる音楽を聴きながら撮影することは滅多にないからユニークな手法だなと感じたよ。もし他の作品でその手法で撮影したとしても、使うつもりだった楽曲が編集段階で権利関係がクリアできずに使えなくなってしまうこともよくあるんだ。でも今回は権利関係を全てクリアにしてから撮影をスタートしたし、そのぐらいこの作品にとって音楽が大事なんだということも実感した。ダイナーのシーンでベイビーがデボラに“朝の2時ね”とメモを渡すシーンの撮影時も、イヤホンから壮大な楽曲が聴こえていたおかげで力強い表情ができたと思う。シーンごとに使われる楽曲を知っていれば、観客もそのシーンでどんなムードになるか想像できるから、そういう環境でお芝居ができたことは良い経験になったよ」
ーーお芝居する上で非常に効果的だったということですね。
「そうだね。あと、芝居以外のところでも良い効果を生んでいたよ。通常はキャスティングされた俳優同士で、特に恋人同士を演じる場合はケミストリーリードと呼ばれる二人の化学反応を見る読み合わせを行うんだけど、今回は一切やらなかったんだ。ある日突然、僕とリリーは対面して“それじゃあよろしく!”みたいにスタッフから言われて(笑)。その時に劇中で使う音楽を共有したことで同じ波長を感じられたし、同じムードに入れたというか、絆が生まれたんだよね。プライベートでもパーティやロマンティックなディナーなんかで誰かと音楽を分かち合うと、より深い関係性を築けるんじゃないかなと感じたよ」
ーー今作に出演して改めてエドガー作品の魅力をどんなところに感じていますか?
「最近のハリウッド作品はアート系の作品と比べてビジネス色が強くなってると思うんだ。どれも似たような映画に感じてしまうほど、あまり監督のオリジナル性を感じられないことも多い。でも、エドガーはニッチェなものを作る監督のうちの一人だと思っていて、彼独特のビジョンがあってユニークな作品を毎回撮っている。今作も絶対に特別な作品になると思ったから参加することにワクワクしたし、本格的ハリウッド作品となった今作で、クエンティン・タランティーノやマーティン・スコセッシ、ポール・トーマス・アンダーソン、デヴィッド・O・ラッセルなど僕が大好きな監督のように、エドガーももっともっと活躍していくんじゃないかな。とにかくエドガーの作品に出演できたことは最高の経験になったし、僕にとって特別な作品になったよ。是非劇場で観てね!!」
監督、脚本:エドガー・ライト
キャスト:アンセル・エルゴート
リリー・ジェームズ
ケヴィン・スペイシー
ジェイミー・フォックス
ジョン・ハム
エイザ・ゴンザレス
ジョン・バーンサル 他
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
現在公開中