ホラー映画を見ていて“あれ、これはあの作品と共通しているな”と思うことがあるでしょう。そう、ホラー映画には定型・お約束事のような“あるある”が存在するのです。これを知っているとホラー映画を見る時より楽しめるという“あるある”の中から、今回は加害者編を、ホラー・マスター塩田さんに解説してもらいましょう。(ライター:塩田時敏/デジタル編集:スクリーン編集部)

加害者編

行っちゃあイケネェよ、と諫める怪しい大人がいるのに、馬鹿者は必ず行く

画像: 地元の人間の言うことは聞いた方がいい(かもしれない)(「スティーヴン・キングは殺せない!?」)

地元の人間の言うことは聞いた方がいい(かもしれない)(「スティーヴン・キングは殺せない!?」)

村の入口のガソリンスタンドあたりで、小汚ない老人やホームレス風情から、危ないから行かない方がいいと忠告されているのに、若者達は大丈夫大丈~夫と能天気に乗り込んで、やっぱり爆死(笑)。禁秘やタブーに挑むのは若者の特権だが、ことホラー映画では大人の言う事は素直に聞くもんだぜ、馬鹿野郎(笑)。だがしかし、行っちゃあイケネェと言った親父が、実は殺人鬼だったりもする、というあるあるも無くはない。やっぱり、大人の言う事なんか聞くとロクな事はないかな(笑)。

殺人鬼はシャワーカーテンの影に潜んでいる

画像: ホラー映画史上屈指の名シーン(!?)(「エルム街の悪夢」)

ホラー映画史上屈指の名シーン(!?)(「エルム街の悪夢」)

これは巨匠ヒッチコック監督の「サイコ」が定着させたお約束。逆にいうならシャワーを浴びるとナニかが!というガチあるある。シャワーシーン、あるいは湖があれば何故か全裸で泳ぐ(笑)、などのサービスカットはホラー映画の使命。そして、ヒロインが入浴したらバスタブの中にっ!これ、ファン垂涎のあるある。

“エルム街”ナンシーの股間に迫るフレディの鉄の鉤爪は、映画史上屈指の名シーン。はたまた、メイクを落として顔を上げると、鏡の中に! 夢とシャボン玉がいっぱいのバスルームは、ホラーあるあるもいっぱいの、嬉しい宝庫である。

倒したと思った敵は、エンディングの後で必ず一度は甦る

画像: この墓からアレが……(「キャリー」)

この墓からアレが……(「キャリー」)

これはシリーズ化する必要性からも、簡単にはくたばらないのだ。ハッキリとモンスターの復活を描くのもあれば、多くの、そしてほとんどのホラーは、フフフッまだまだ終わっちゃいませんぜィお客さん、という匂わせたエンディングを迎えるのである。とりわけショッキングな終わらせ方は、地中から血塗れの腕が突然突き出る、ブライアン・デ・パルマ監督の「キャリー」だろうか。サム・ライミ監督の「悪魔のはらわた」もノケぞったなぁ。

父の日 母の日 誕生日、ハロウィン クリスマス 13金、記念日には何かが起こる

画像: 記念日ホラーの決定版はやはりこれ「ハロウィン」

記念日ホラーの決定版はやはりこれ「ハロウィン」

いつ?これもあるあるホリデーホラー。
どこで?森で、田舎で、テキサスで。これもあるあるカントリーホラー。
誰が?仮面をつけたマスクドホラー。
ナニを?殺人を。
何故?そんなのカンケーねぇ、これもあるあるアブサードホラー。
どのように?血塗れに、これもあるあるスプラッタホラー。

これがホラーの5w1h(笑)。

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