スティーヴン・キングの原点であり代表作を映画化したアクションSFファンタジー「ダークタワー」が2018年1月27日から公開している。キング・ワールドの小説世界の焦点とも言われる本作とはいかに?

暗黒の塔を守る最後のガンスリンガーの物語

世界の均衡を保つ巨大な暗ダークタワー黒の塔があった。それを守るのはガンスリンガーと呼ばれる男たちだが、いまは一人しか残っていない。そして黒衣の男が塔を倒し世界を崩壊に導こうとしている……

画像: 黒衣の男は塔を倒そうとしている

黒衣の男は塔を倒そうとしている

「IT/イット〝それ〞が見えたら、終わり。」の大ヒットも記憶に新しい、多数の作品が映像化されているスティーヴン・キングの長大なサーガの映画化で、ガンスリンガーに「マイティ・ソーバトルロイヤル」のイドリス・エルバ、黒衣の男に「ゴールド/金塊の行方」のマシュー・マコノヒー、そして物語のカギを握る少年にTV「女医フォスター」のトム・テイラーが扮している。出演はほかに「エンド・オブ・キングダム」のジャッキー・アール・ヘイリー、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のクローディア・キムら。

監督は幼い頃からキング・ファンだったという「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のニコライ・アーセルで、アキヴァ・ゴールズマンらと共に脚本も手がけている。製作には人気監督でもあるロン・ハワードも参加している。キング自身もクレジットはされていないが、映画の製作段階のあらゆる過程に関わったという。

物語のあらすじは、ぜひこちらからご確認いただきたい。

今回は、注目すべきポイントをご紹介。

「ダークタワー」これを知るともっと面白い!

01: キング・ワールドの焦点

原作者のスティーヴン・キング
Photo by Astrid Stawiarz

スティーヴン・キングがこのサーガを書き始めたのは大学を出たばかりの22歳の時。第一巻が出たのは1982年のことだったが、それから22年もの歳月をかけて全7部(+外伝1冊)が書き継がれてきたのだ。彼のほかの小説の中のキャラクターの多くがこのサーガと結びついており、また内容面でもクロスオーバーすることもある。まさにこのサーガはキングの小説世界の集大成・焦点ともいうべき作品なのだ。

02: 『童子ローランド、暗黒の塔に至る』

原作は「黒衣の男は砂漠の彼方へ逃げ去り、そのあとをガンスリンガーが追っていた。」という文章で始まる。これは19世紀イギリスの詩人ロバート・ブラウニングの詩『童子ローランド、暗黒の塔に至る』からインスパイアされたもので、このサーガの原点ともいえるだろう。キングはほかにもJ・R・R・トールキンの『指輪物語』、クリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウェスタン「続・夕陽のガンマン」にも影響を受けたと語っている。

「ダークタワー」
2018年1月27日公開
原題『暗黒の塔』2017年度作品
1時間35分
アメリカ映画
ソニー・ピクチャーズ配給 

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