成田 陽子(なりた・ようこ)
ロサンジェルス在住。ハリウッドのスターたちをインタビューし続けて37年。これまで数知れないセレブと直に会ってきたベテラン映画ジャーナリスト。SCREEN誌特別通信員としてハリウッド外国人映画記者協会に在籍。
他の女優たちがキラキラとした露出過剰のドレスのレッドカーペットで、一人黒いタキシードなどを着て現れる。美人にして、個性的なエヴァンは相変わらず、迎合せず、毅然として、個性的な魅力を放っていました。「ウエストワールド」(1973)は以前にユル・ブリンナー主演のSF西部劇でしたが、現在放映週のテレビシリーズはさらにSF要素が加わって、かなり機会なドラマ、アンソニー・ホプキンス、エド・ハリス、ベン・バーンズ、タンディ・ニュートン、ジェームズ・マースデンなどのスターが共演しています。
エヴァンが世の中の注目を引いたのは「サーティーン」(2003)という少女と母親のドラマ。すでに成熟して、鋭い大人の目を持ち、自分の体を切り裂く精神的に不安定な13歳を激しく演じて、鳥肌が立つほどの演技力でした。
1978年9月7日ノースカロライナ州のローリーに両親ともに俳優、演技コーチという家族の元に育ち、最初に世間をアッと驚かせたのは、当時47歳のマリリン・マンソンという白塗りの歌手と結びついて18歳だったエヴァンはロリータの役を楽しんでいる印象を与えました。
「私は危険と興奮を求めて生きたいの」と親に告げて、マリリンとの8ヶ月のツアーバスに乗り込んだそう。2010年にパリの舞台で婚約プロポーズ、7ヶ月では曲、その後は自分はバイセクシュアルと宣言して、女性と交際を始めています。
お次は英国俳優、「ビリー・エリオット」(2000)のバレーを目指す少年の役で有名になったジェイミー・ベルと交際をして2012年に結婚、息子が生まれてすぐ14年に離婚、そのあとはミュージシャンのザックヴィラと7ヶ月間婚約して、最近別れたそうです。
そして周囲の驚きの反応を栄養に、ますます美しく、劇的なルックスとなって、頼もしい女優になってきました。
シアトリカルに傲慢な、ちょっとヴィヴィアン・リーにも似ている彼女の痛いほどのクールビューティールックに思わず引き込まれそうになりませんか。