未知の惑星に不時着した一家の大冒険
「ロスト・イン・スペース」
(Netflixオリジナルシリーズ独占配信中)
SFドラマの古典「宇宙家族ロビンソン」を、21世紀の最先端VFXを駆使し壮大なスケールでリメークしたNetflixオリジナルドラマ。人類の植民地の星に向かっていたロビンソン一家、ママ、パパ、子供3人が乗った宇宙船は、未知の惑星に不時着してしまう。一家は惑星で決死のサバイバルを繰り広げながら宇宙への脱出をめざす。
3人の子供たちのエネルギーはすごかったよ
ーー1965年開始の「宇宙家族ロビンソン」をリメークすると聞いてどう思いましたか?
モリー「元のドラマを見ていなかったの。だからこのドラマの脚本を読んでいい内容だと思ったし、登場人物たちもよかったし、冒険も面白かったし。出演したいと願ったわ」
トビー「僕もそう。元のドラマも1998年の映画版も見ていなかった。そういうドラマがあることは知っていたけどね。でも本作の脚本を読んでみて、大人も子供も家族揃って楽しめると思って出演を決めたんだよ」
ーー3人の子役俳優との共演は?
モリー「子役との共演は難しい場合があるの。現場ではしゃぎ過ぎる子がたまにいてね(笑)。でも今回の3人は、ちゃんと育てられていたわ。だからとても共演しやすかった」
トビー「僕らみたいに長く俳優をしていると、若い俳優からエネルギーをもらうことがあって今回もそうだった。3人はよかったよ」
モリー「大人よりも子供のほうが、ごっこ遊びって得意じゃない?宇宙が舞台の場面では、私たち大人よりすごい勢いで宇宙に行った気分になっているのに圧倒されたわ(笑)」
ーーたくさんの作品に出演されていますが、お二人のキャリアでどの作品が自身のターニングポイントになったと考えますか?
モリー「自分で気に入っていても反応があまりなかった作品もあれば、予想よりウケた作品もある。今回初めてSFものに挑戦できたのは、自分にとって大きな収穫だったわ」
ーーモリーさんは1996年の映画「キスト」の異色のヒロインが印象的でした。
モリー「実はそれを挙げようかとも思ったのよ(笑)。初めての主演映画だったし」
トビー「僕は、ハロルド・ピンター作の『背信』を小さな劇場で演じたこと。観客との距離がものすごく近くて、俳優としてとても貴重な経験になったんだ」
ーースティーヴンスさんのお母さまは名優マギー・スミスさんです。最近はどんなご様子ですか?
トビー「新しい仕事のオファーが来ても、前に演じたことがある役と似ていると言って、断りまくっているんだ(笑)。もちろん、まだまだ演技ができるくらい元気だし、僕も期待しているよ」
ーー日本に対してはどんなイメージを持っていますか?
モリー「やはりおいしい食べ物かしら(笑)。昔からお寿司は大好き。東京はきれいで平和で、故郷のバンクーバー(筆者注・本作のロケも行なわれた)と似ていると思うわ」
トビー「僕は昔見たリチャード・チェーンバーレン主演のTVドラマ『将軍』のイメージが強いんだ(笑)。サムライとかが鮮烈だったね。黒澤明監督の『乱』もよく憶えている。次は日本のあちこちに行ってみたいな」
2人ともたたずまいはプロフェッショナルながら、気さくな一面も見せてくれた。
長い間一緒に仕事をしていると家族のような絆が生まれるの
「ロスト・イン・スペース」で長女ジュディ役を演じるテイラー・ラッセル、次女ペニー役を演じるミナ・サンドウォール、長男だけど末っ子のウィル役を演じるマックスウェル・ジェンキンス。みんな本作のような大作は初めて!というフレッシュなキッズたちだ。
ーーこのドラマで家族の役を演じるうえで、どんなことを意識しましたか?
ミナ「大作ドラマということで、とにかく真剣に演じなきゃと思いました。撮影初日は宇宙船ジュピター号の場面だったわ。素晴らしいセットの中、衣装の宇宙服は着心地が悪かったけど(笑)、一所懸命演じたおかげで家族5人のキャストの仲は深まったと思うわ」
テイラー「長い間一緒に収録していると、家族のような絆が本当に生まれるの。そこがこのドラマの見どころじゃないかしら」
マックスウェル「家から離れた遠いところで収録していると、どうしてもホームシックに陥ることがあるんだ。でもみんなのおかげで、あんまりさみしい思いをしなかったな」
ーーいちばん思い出深い場面は?
マックスウェル「ロケで氷山の上に行った時。ものすごい風景で、本当に驚いちゃった」
ーーみなさんが演じる役は、宇宙で迷子になる役ですが、実生活で迷子になることは?
ミナ「私はよく迷子になるわ!(笑)」
マックスウェル「お姉さんたちと一緒だと、僕も迷子になっちゃうことが多いよ(笑)」
テイラー「それは冗談でしょ、ね?(笑)」
ーーところで、アメリカのTVドラマの収録現場には、子役の俳優たちのための学校があるとか、家庭教師がいるって本当なの?
3人「イエス!」
ミナ「ある場面の収録が終わって、スタジオにある学校で勉強していたら、次の出番だよって声がかかったの。勉強するのか演技するのか、どっちなのか迷っちゃった(笑)」
テイラー「私はもう高校を卒業したからこのドラマではそれはなかったけど、高校を卒業するまではそういうことがあるわ」
ーー宿題に追われているとは思えないほど、いい演技をしていましたよ!
ミナ&マックスウェル「サンキュー!」
ミナ「私が泣いている場面は、私は勉強しているの?演技をしているの?って困っているところ。あれはリアルな涙よ(笑)」
ーー俳優じゃない時は何をしているの?
テーラー「今は大学受験でがんばっているわ。アフリカのガーナに行ってみたいなぁ」
マックスウェル「飼い主がいない犬を保護する活動に参加しています。あとバンド活動も」
ーー今後どんな映画に出てみたい?
テイラー「私はポール・トーマス・アンダーソン監督の映画が大好きなの。『ファントム・スレッド』もとてもよかったわ。それと、キャメロン・クロー監督の『あの頃ペニー・レインと』は最高だと思うわ(笑)」
マックスウェル「僕はマーベルの映画に出演したい!キャプテン・アメリカの少年時代とかやってみたいんだ」
3人とも元気いっぱいで圧倒されつつ、これぞハリウッドの財産というべき若き才能たちの自由奔放な姿勢は大いに刺激的だった。