予告編のラストは「家族は衝撃の結末を迎える」というコピーで締めくくられる
本作は、家族の関係を描いた繊細な人間ドラマでありながら、張り詰めた緊張感が観る者を襲う傑作サスペンス。アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは94点の高評価を得ている。
物語の主人公は、両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていく。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。
このたび解禁された予告編は、幼い子どもジュリアンの親権を取り決める元夫婦の姿から始まる。母親と姉と共に暮らすことになったジュリアンは隔週末だけ父親と会うことになった。しかし、父親を母親に近づけたくないジュリアンは嘘をつき続ける。そんな状況で父親は苛立ちが募り、徐々に狂気を帯びていく。執念深く追ってくる父親の行動はこの後、どこまでエスカレートしていくのか。時計の針が刻む音によって、圧迫感と緊張感を漂わせ、ラストは「家族は衝撃の結末を迎える」というコピーで締めくくられる。息を止めて見入ってしまう程スリリングな仕上がりだ。
作風は違うが親権を題材にした名作『クレイマー、クレイマー』(79)を念頭に置いて本作を手がけたルグラン監督が「メリル・ストリープにオマージュを捧げた」という母親役の髪型や服装にも注目だ。
ジュリアン
2019年1/25(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
© 2016 - KG Productions – France 3 Cinéma