カサヴェテスやサフディ兄弟の作品を思わせると評判に
本作はスペイン出身の女優アナ・アセンシオが自身の経験をもとに製作した初監督作品。幸せになれると信じて入国しても、重労働&低賃金で雇われ生活苦に追い込まれる不法移民のリアルが描かれる。スーパー16で撮影され、その映像はカサヴェテスやサフディ兄弟の作品を思わせると評判になった。
主人公は、ニューヨーク、マンハッタンのボロアパートに暮らす移民女性のルシアーナ(アナ・アセンシオ)。彼女は反抗的で生意気な子供のベビーシッティングや露出の激しい衣装をまとった客引きなどで暮らしている。極貧の生活に疲れ切っていた彼女は、友人のロシア人女性から、高額なお金がもらえるおいしいバイトを紹介される。それは、セクシーなドレスを身に着けパーティーに参加するだけというもの。
ルシアーナが指定された地下室へと向かうと、彼女のような外国人の美女ばかりが何人も集められ、威圧感のあるマダムが、一人、また一人と得体のしれぬ奥の部屋に彼女たちを呼び込んでいく。不安と恐怖に襲われるルシアーナだったが、不法移民の彼女を助けるものはいない。そんな中、とうとう彼女に声がかかる・・・。彼女が生きるために選んだ究極の選択とは? そして、その先に待ち受ける衝撃とは?
大胆かつ繊細、そしてドキュメンタリータッチのカメラワークであぶりだされるのは、危険に晒された女性の不安。さらに利己的でサディスティックなニューヨークのセレブたちの歪んだ欲望をも鋭く切り取っていく。本作は、日本を含め世界がかかえる様々な問題と深く重なって注目を集め、世界中の映画祭で大絶賛された。
米国メジャー紙のレビュー(映評)でも絶賛の声
《THE NEW YORK TIMES》
控え目でありながら効果的に撮られたアセンシオ監督の脚本・監督デビュー作。アセンシオ監督はNYの移民女性が経験する闇を“Most Beautiful Island”で恐ろしくドラマチックに描いている。
《Variety》
16mmの手持ちカメラが主人公の不安をこれでもかと映し出す。そしてその後に映し出される、恐怖に観客はその場にいるのが自分でないことに安堵する。そしてラストに待ち受ける結末は、決して期待を裏切らない。
MOST BEAUTIFUL ISLAND モースト・ビューティフル・アイランド
2019年1月12日(土)より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開
配給:インターフィルム
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