人類の歴史を変える偉大な発見をしたと発表した世界有数の財団“ライフ財団”。だが一方で、彼らは秘かに恐るべき人体実験をしているという噂も流れていた。正義感あふれる記者エディ・ブロックは財団の研究所への潜入に成功。しかしそこで被験者と接触した彼は、地球外生命体“シンビオード”に寄生されてしまう。やがてエディの体に恐るべき異変が。彼の中で“悪”が解き放たれ増殖し、肉体を蝕んでいく。そうしてエディと一体化したそれは最悪最恐の存在ヴェノムとなる。
主演は「ダンケルク」のトム・ハーディが務めており、彼はスタン・リーらと共に製作総指揮にも加わっている。共演は「ゲティ家の身代金」のミシェル・ウィリアムズ、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のリズ・アーメッド、スコット・ヘイズ、リード・スコット、ジェニー・スレイトら。「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」のウッディ・ハレルソンもキーとなる役で顔を見せている。
監督は「ゾンビランド」のルーベン・フライシャー。脚本は「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」のジェフ・ピンクナーとスコット・ローゼンバーグのコンビと「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のケリー・マーセル、ウィル・ビール。製作には「アメイジング・スパイダーマン」シリーズも担当したアヴィ・アラドほか。ヴェノムの映像はすべてCGによるもので、VFXスーパーバイザーは「インセプション」と「インターステラー」で二度のオスカー受賞歴を誇るポール・フランクリンが担当した。
恐怖の化身ヴェノムだが、アメリカでは大人からキッズまで驚くほどの大人気を誇っている。今回トム・ハーディーが主役を引き受けたのも、彼の息子がヴェノムの大ファンだったから。コミックではヴェノムはスパイダーマンの最大の宿敵であり、ニューヨークを守るのがスパイダーマンなら、ヴェノムはサンフランシスコの守護神という存在。しかもさまざまな悪がはびこる今の世の中で、そいつらを喰い尽くしてしまう“最悪”は、超カッコいいダークヒーローというわけだ。
映画の中でヴェノムになった主人公エディがこうつぶやく。『最悪…こいつはクセになるぜ』。どうやら映画「ヴェノム」もクセになりそうだ。
『ヴェノム』
2018年11月2日公開
2018年度作品。1時間52分。アメリカ映画。ソニー・ピクチャーズ配給
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