来る2019年5月1日に、平成という元号が新元号に改められることになりました。そこで平成の約30年間に渡る映画界の流れや動向を10年ごとに区切って、その時期の本誌を紐解きながら振り返ってみます。第1回となる今回は平成元年(1989年)〜平成10年(1998)です。あなたはその頃、何をしていましたか?

世界中の新旧映画が押し寄せていた時代

平成最初の10年間はほぼ1990年代と並行していたと言っていいだろう。それでも平成元年は1989年と、まだバブル景気の真っ最中。ソニーがハリウッド大手コロンビア映画を買収したのもこの年だ。DVDはまだなく(次世代メディアと呼ばれ出したのは平成8年ころから)、ビデオ文化が花盛りで、個性的なミニシアターも数多く、世界中の新旧映画が押し寄せていた時代だ。本誌SCREENでは第一次?英国男優ブームの最中。コリン・ファースやヒュー・グラントもまだ20代だった。

翌年からバブルは徐々にしぼみ出したものの、まだその余波が残っていたのが平成初期。その頃の人気スターは、80年代に人気の出たトム・クルーズやジャッキー・チェン、ジョディ・フォスターなど。90年代半ばに入ってくると、ブラッド・ピット、キアヌ・リーヴス、レオナルド・ディカプリオ、ナタリー・ポートマンなど“新人”が登場。彼らはその後も息の長い活躍を見せるのはご存じのとおり。

ヒット作では、今でも特別なネームバリューを持つ「インディ・ジョーンズ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ターミネーター」「ダイ・ハード」「ジュラシック・パーク」「ミッション・インポッシブル」などのシリーズが大人気。しかしこの10年で最大のインパクトを残したのが、平成9年末に公開され、翌年の映画界を席巻した「タイタニック」。SCREENも本作の世界的ブームに乗って、主演のディカプリオが表紙を飾る回数が飛躍的に増えたのだった。

それでは一年ずつ紹介していこう。

平成元年(1989)

画像: 平成元年は英国美形男優ブーム真っ最中で、20代のヒュー・グラントやコリン・ファースがグラビアに(1989年11月号)

平成元年は英国美形男優ブーム真っ最中で、20代のヒュー・グラントやコリン・ファースがグラビアに(1989年11月号)

1. ヒット作・話題作:
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」「レインマン」「ブラック・レイン」など
 
2. 読者選出ベスト男女:
マイケル・J・フォックス、シガニー・ウィーバー
 
3. 死去:
ローレンス・オリヴィエ、ベティ・デイヴィス
 
4. 主な出来事:
1月8日に平成と改元、消費税(3%)施行、ベルリンの壁崩壊
 
5. 流行:
横浜ベイブリッジ開通、ゲームボーイ発売

平成2年(1990)

画像: 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のコンビ、マイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドがそれぞれ日本のCMに(1990年6月号)

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のコンビ、マイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドがそれぞれ日本のCMに(1990年6月号)

1. ヒット作・話題作:
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3」「ダイ・ハード2」「ゴースト/ニューヨークの幻」「プリティ・ウーマン」など
 
2. 読者選出ベスト男女:
マイケル・J・フォックス、ジュリア・ロバーツ
 
3. 死去:
グレタ・ガルボ、レナード・バーンスタイン
 
4. 主な出来事:
東西ドイツ統一、バブル経済崩壊
 
5. 流行:
おどるポンポコリン、『NOと言える日本』

平成3年(1991)

画像: 「ホーム・アローン」で天才少年と話題のマコーレー・カルキンが来日し、人気を集めた(1991年8月号)

「ホーム・アローン」で天才少年と話題のマコーレー・カルキンが来日し、人気を集めた(1991年8月号)

1. ヒット作・話題作:
「ターミネーター2」「ホーム・アローン」「シザーハンズ」「ダンス・ウィズ・ウルブズ」「羊たちの沈黙」など
 
2. 読者選出ベスト男女:
エドワード・ファーロング、ジョディ・フォスター
 
3. 死去:
デヴィッド・リーン、フランク・キャプラ
 
4. 主な出来事:
長崎・雲仙普賢岳で火砕流発生、新宿新都庁が開庁
 
5. 流行:
宮沢りえヌード写真集発売、大相撲『若貴』ブーム

平成4年(1992)

画像: ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの「ボディガード」は大ヒットとなった(1992年11月号)

ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの「ボディガード」は大ヒットとなった(1992年11月号)

1. ヒット作・話題作:
「ボディガード」「ホーム・アローン2」「フック」「エイリアン3」「氷の微笑」「JFK」「美女と野獣」など
 
2. 読者選出ベスト男女:
ケビン・コスナー、ジョディ・フォスター
 
3. 死去:
マレーネ・ディートリッヒ、アンソニー・パーキンス
 
4. 主な出来事:
バルセロナ・オリンピック、クリントンが米大統領選勝利
 
5. 流行:
きんさん・ぎんさん、ドラマ「愛という名のもとに」

平成5年(1993)

画像: 日本で絶大な人気を誇る永遠の妖精オードリー・ヘプバーン死去により、追悼記事が組まれた(1993年4月号)

日本で絶大な人気を誇る永遠の妖精オードリー・ヘプバーン死去により、追悼記事が組まれた(1993年4月号)

1. ヒット作・話題作:
「ジュラシック・パーク」「クリフハンガー」「アラジン」「逃亡者」「許されざる者」「パーフェクト・ワールド」など
 
2. 読者選出ベスト男女:
ケビン・コスナー、ジョディ・フォスター
 
3. 死去:
オードリー・ヘプバーン、リヴァー・フェニックス
 
4. 主な出来事:
皇太子ご成婚、サッカー“ドーハの悲劇”
 
5. 流行:
輸入タイ米、ドラマ「ひとつ屋根の下」

▶︎▶︎どんどん行こう!次は平成6年〜平成10年▶︎▶︎

This article is a sponsored article by
''.