ぶつかり合いながらも強い絆で結ばれていく二人の姿に胸が熱くなる
ガサツなイタリア系運転手と黒人天才ピアニストの“まさかの友情”を描いた本作は、父であるトニー・リップからドクター・シャーリーとの旅の話を聞いた息子ニック・バレロンガがプロデューサーとして映画化した“まさかの実話”。異なる世界に住むふたりの壮大なズレに笑い、胸を熱くするツアーの本当の目的が爽快な感動を呼ぶヒューマンドラマだ。
物語の舞台は1962年、人種差別が色濃い時代。粗野で無教養だけれど人間的魅力に溢れるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は口のうまさと機転の良さを買われ、ホワイトハウスでも演奏したこともある黒人天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)に、南部ツアーのための運転手兼用心棒として雇われる。偏見と差別が根強い南部でドクターが安全に旅をするために欠かせないもの、それは黒人が利用できる宿を記した旅行ガイドブック<グリーンブック >だった。
このたび解禁された予告では、未だにジャズともクラシックともジャンル分けができない独自の音楽を切り拓いたドクター・シャーリーのドラマティックなピアノで始まる。
マナーの悪いトニーに苦言を呈するドクターと、そんなことはお構いなしに、斬新な方法で特大ピザを頬張り、道にゴミを放り捨てたりと自由気ままに振る舞うトニー。気まずい雰囲気で始まった、なにもかもが正反対のふたりの旅。ところが、ドクターの演奏に心を打たれ一気に彼の音楽のファンになる素直なトニー。ドクターも、トニーの愛妻ドロレスへの手紙にあまりの拙さにラブレター指南をするなど、ふたりの距離は少しずつ近づいていく。
しかし、ある事件をきっかけに口論となり、トニーが「アンタは他の黒人と違うからな!」と裕福な生活を送るドクターを非難してしまう。それに対し、「黒人でもなく白人でもなく…どう生きるのが正解だ?」と悲痛に叫ぶドクター。演奏会ではスタンディングオベーションを受けても、レストランでは入店を拒否される。それでも「人の心を変えられると信じる」ドクターを、「アンタにしか出来ない事がある」と支えるトニー。8週間のツアーの終わりに、ふたりが得たものとは…?
本作は第76回ゴールデン・グローブ賞で作品賞、助演男優賞、脚本賞と最多3部門を受賞。またアカデミー賞の行方を占うにあたって重要な賞となる第30回全米製作者組合賞(PGA)で作品賞を受賞した。1/22(現地時間)発表されるアカデミー賞のノミネーションのゆくえにも注目だ。
グリーンブック
2019年3月1日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
配給:ギャガ
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