あの“魔法使い”が再びスクリーンに帰ってくる!
この冬最大の話題作の一本『メリー・ポピンズ リターンズ』はアカデミー賞5部門に輝いたディズニーの名作映画『メリー・ポピンズ』のじつに半世紀以上ぶりとなる続編。前作から20年後を舞台に、幸せを見失ってしまったバンクス一家のもとに再び現われた魔法使いメリー・ポピンズが起こす“奇跡”を描いていく。
主人公メリー・ポピンズを演じるのは『クワイエット・プレイス』が話題を呼んだ実力派女優エミリー・ブラント。そして、街灯点灯夫でメリーの古くからの仲間ジャックにはリン・マニュエル・ミランダが抜擢された。ミランダはブロードウェイ・ミュージカル界の大スターであり、ディズニー作品『モアナと伝説の海』で作曲・歌を担当したことでも知られている。
二人が絶妙な呼吸で魅せるミュージカル・シーンは作品の大きな見どころ。お茶目なポーズを取りながら写真撮影に応じる二人の姿からは、今回の作品を通じてすっかり意気投合した様子が伝わってくる。
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「メリー・ポピンズ リターンズ」アカデミー賞ノミネート!
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私の人生における一期間として永遠に心に残る体験になったわ
ーー1作目の『メリー・ポピンズ』を覚えていますか?
エミリー・ブラント
『一作目の映画を見たのは……私は確か6歳か7歳だったと思うけれど、あの映画の魔法に、そしてメリー・ポピンズにすっかり夢中にさせられたわ。きっとこの世代のどの子どももあの映画を見たことがあると思うけれど。私は「メリー・ポピンズ」と聞くと、自分のノスタルジアに焼き付いているあの魔法と安心感のコンビネーションを思い出すわ』
リン・マニュエル・ミランダ
『僕は音楽を書く仕事をしていて、それは僕の人生に最高な喜びをあたえてくれるもののひとつなんだ。そんな僕にとってのヒーローが(一作目の音楽を手がけた)シャーマン兄弟だよ。映画『ウォルト・ディズニーの約束』で紹介されていたけれど、彼らのコツは人々が思っていることの逆をやることなんだ。
歌詞で「down(下がる)」って言っている部分では音を上げる、という感じでね。僕も自分の歌でそのアイデアを拝借したんだ。あれは彼らが編み出して、あの一作目で完成させたテクニックと言えるだろうね』
ーー原作小説やあのオリジナル映画が人々からこれほど愛され、普遍的な作品になっている理由はどこにあると思いますか?
エミリー・ブラント
『「メリー・ポピンズ」は、公開された当時、あの時代の偉大なまとめ役となったと誰かが言っていたけれど、それって今の時代にも必要なことだと思うの。今の私たちはとても脆い時代に生きているわ。でもこの映画にはシニカルさがまったくなく、私の夫(監督・俳優のジョン・クラシンスキー)の言葉を借りるなら、この作品は“喜びの爆弾”なの。とにかくとても感動的で、こういうタイプの作品は他にないと思うわ。こういう経験をすることがいかに必要かということを、多くの人々はおそらく気がついてすらいないのではないかしら』
リン・マニュエル・ミランダ
『僕も自分の息子に「メリー・ポピンズ」を見せてあげたことを覚えているよ。僕の息子は幼くて、まだ言葉も話せない時期だったけど、あの音楽が始まると息をのんでいたんだ。素晴らしくも魅惑的な曲と世界のなせる業さ。僕らもまた、それを呼び起こすためにベストを尽くしたよ。
僕が何よりも気に入っているのは、ロブ(マーシャル監督)をはじめとする製作チームが、あのオリジナルの魅惑を呼び起こそうと苦心を重ねて丹念に臨んでいることなんだ。アニメーションの場面では、オリジナル版と同じように手描きアニメーションを使っている。“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス”なんかは、オリジナルとまったく同じように何もかもがマジカルさ。そういう古き良き魔法を呼び起こすことって、本当にエキサイティングだよ』
自分の視点を少し変えてみれば、突如として世界はマジカルになるんだ
ーー今回の映画はあなた方にとって素晴らしい経験になりましたか?
エミリー・ブラント
『私の人生における一期間として心に永遠に残る体験になったわ。メリー・ポピンズのような役柄を演じることも、彼らと今回のようなやり方で一緒に仕事をすることも未曾有のことよ……特別で独特なものとして、私の人生のとても大切なものとして、これからもずっと残ることになると思う』
リン・マニュエル・ミランダ
『僕が思うに、この映画で学べることは、視点についてなんだ。困難を受け止め、退屈や大変さをしっかりと受け止めた上で、自分の視点を変えて見ると、突如として、世界はマジカルになる。お風呂が冒険になり、部屋掃除はスリリングなミュージカル・ナンバーになり、道に迷うことはチャンスになる。世界の見方についてのそういう発想は、この世界での生き方に影響をあたえるし、他者への接し方にも影響をあたえるものだよね。今こそ、それが一番大切な時代に来ているんじゃないかな』