編集部追記:2019年2月23日に公開した記事を、2019年3月19日に一部更新しました
2018年のトロント国際映画祭で観客賞を受賞、期待されていたアカデミー賞も3部門獲得!
1962年、黒人差別が色濃く残る南部でコンサートツアーを行なった黒人天才ピアニストとイタリア系用心棒の実話に基づき、何もかも正反対の二人の奇跡の旅と友情を描くロードムービー。用心棒の息子だったニック・ヴァレルンガが父から聞いた話を基に脚本化し、「メリーに首ったけ」のピーター・ファレリー監督が映画化した。2018年のトロント国際映画祭で観客賞を受賞し、本年度アカデミー賞では5部門でノミネート。作品賞、助演男優賞、脚本賞の3部門をも受賞する素晴らしい結果となった。
主演は「はじまりへの旅」のヴィゴ・モーテンセン、相手役は「ムーンライト」のマハーシャラ・アリで、二人は共にオスカーにノミネートされている。ほかに「ブロークバック・マウンテン」のリンダ・カーデリーニらが共演している。
天才黒人ピアニストと用心棒の“奇跡の旅”を描く感動実話
ストーリー
ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナのフロアマネージャー、トニー・リップ(モーテンセン)は、粗野で無学だが口が達者で頼れる男だった。彼は店が改装で二か月の休みに入るためその間の仕事を探していた。そこへ舞い込んできたのがホワイトハウスでも演奏したことがあるというインテリの黒人天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(アリ)の運転手兼ボディーガードの仕事。黒人差別の色濃い南部へコンサートツアーに出るという。
黒人用旅行ガイド=グリーンブックを手に出発した二人は、それぞれの流儀にこだわり最初は互いに反発するが、次第に相手と理解し合うようになっていく。だがツアーの最終地アラバマ州バーミンガムで思いがけない出来事が起こってしまう。
主要キャラクター
粗野で無学だが口の達者な用心棒
トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)
一流ナイトクラブのフロアマネージャーとして用心棒も務めるイタリア系。粗野で無学だが口が達者で、揉め事はすべて収める。運転手兼用心棒として南部への旅に同行する。
インテリの黒人天才ピアニスト
ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)
ホワイトハウスでも演奏したことのある黒人天才ピアニスト。クラシックを学んだがレコード会社の勧めでエンターテインメントを演奏する。ある“目的”を胸に南部への演奏旅行を企画。
ドロレス(リンダ・カーデリーニ)
トニーの妻。トニーは実は黒人に偏見を持っているが、彼女にはそれはない。
オレグ(ディミテル・D・マリノフ)
ツアーに参加するチェロ奏者。シャーリーが危険なツアーに出た目的を理解している。
注目1:
父の話を映画化するため50年間温めてきた脚本家
物語は脚本陣の一人ニック・ヴァレロンガの父親の実話に基づいている。ヴァレロンガは父の話をいつか映画化したいと思い、ドクター・シャーリーにインタビューするなどして準備を整えてきた。
注目2:
天才の演奏を実際に弾いたのは現代の天才ピアニスト
シャーリーの音楽はクラシックにジャズやアフリカ音楽の要素を加えたユニークなものだったが、4歳からピアノを始め17歳でジュリアード音楽院に入った天才クリス・バワーズが見事に再現した。