「3⼈⽬の主⼈公」と⾔われるほどの重要な役割を担う“⾳楽”
本作は前作『イーダ』で第87回アカデミー賞・外国語映画賞を受賞、世界的な評価を受けるポーランドのパヴリコフスキ監督が、ポーランド・ベルリン・ユーゴスラビア・そしてパリを舞台に、⼼
と五感を刺激する⾳楽と映像で綴るラブストーリー。
冷戦下で恋に落ち、⻄と東で揺れ動き、別れと再会を幾度となく繰り返しながらも、時代に引き裂かれたピアニスト・ヴィクトルと歌⼿・ズーラの美しくも情熱的な恋が描かれる。
このたび本予告映像が解禁。1949年、東⻄冷戦の影響が⾊濃く出始めていた共産主義政権下のポーランドで、歌⼿を夢⾒るズーラ(ヨアンナ・クーリク)がピアニスト・ヴィクトル(トマシュ・コット)も審査員を務めるポーランドの⺠族⾳楽舞踏団“マズレク”のオーディションを受けるところから映像は始まる。
瞬く間に激しい恋に落ちる2⼈。その後、マズレクの花形として舞台で輝き続けるズーラだったが、⻄側の⾃由な⾳楽・ジャズへの渇望を⽌められないヴィクトルはズーラとともにジャズが⾃由に演奏できるパリ(⻄側)への亡命を決意、しかし、冷戦の時代は容赦無く2⼈を引き裂いていく・・。
劇中流れる印象的な歌「Dwa serduzkaドゥヴァセルドゥシカ(2つの⼼)」は、ポーランドの伝統⾳楽と舞踏を継承する実在の楽団であり、本作では“マズレク”のモデルとなった“マゾフシェ”が⻑く歌い繋いできたスタンダードナンバー。
この楽曲は、冒頭ズーラがマズレクのオーディションで歌う際は東側の象徴である純粋なポーランド⺠謡として、パリのジャズバーで歌う際は当時東側では禁⽌されていた⻄側の⾳楽・ジャズのバージョンとして登場。
本楽曲が形を変えながら何度も登場することでズーラとヴィクトルの関係性や時代の変化をあらわすメタファーとして表現され、本作ではズーラとヴィクトルに次いで「3⼈⽬の主⼈公」と⾔われるほどの重要な役割を担う“⾳楽”の魅⼒の⼀端を感じることのできるシーンとなっている。
またポーランドの⺠族⾐装をまとったマズレクの美しい舞台やレッスン⾵景も必⾒だ。
「結局、⼤きな疑問は、永遠に続く愛の可能性はあるのか?愛は、⼈⽣を、歴史を、この世界を超越することができるのか?」とパヴリコフスキ監督が語るように、過酷だがドラマティックでもあった時代に⾳楽で結ばれ、互いへの燃え上がる愛だけは貫こうとする2⼈を描いた本作。
髪の⽑1本、草の葉1枚、そよぐ⾵と⽔⾯まで、すべてのショットが私たちの⽣きる世界はこんなに美しかったのかと教えてくれる映像で綴られる、⼼と五感を刺激する極上のラブストーリーとなっている。
COLD WAR あの歌、2つの⼼
2019年6月28日(⾦)
ヒューマントラストシネマ有楽町,ヒューマントラストシネマ渋⾕ほか全国公開
配給:キノフィルムズ