凸凹夫婦が階級を飛び越え貧乏人になりすまして“お受験”に挑む!
本作は、デリーの下町で洋品店を営む夫婦が、娘の“お受験”のために階級を飛び越え富裕街に貧民街にと住まいまで変えて悪戦苦闘する中で、人生において本当に大切なことに気付くまでを描いていく、笑いと涙の珠光の教育エンターテイメント。2017年にインドで公開された本作は年間興収トップ10入りの大ヒットを記録した。
デリーの下町で結婚衣装の店を営んでいるラージ・バトラは、妻のミータと娘のピアの3人暮らし。娘の将来のため、ラージとミータは娘を進学校に入れることを考えていた。そうした学校は面接で親の教育水準や居住地まで調べていることを知るが、ふたりの学歴は高くなく、2人は娘のために高級住宅地に引っ越して本格的に面接に臨むが、結果は全滅。
落胆する2人に、ある進学校が低所得者層のために入学に優先枠を設けているという思わぬ話が舞い込む。追いつめられたラージたちは貧民街に引っ越して優先枠での入学を狙うのだったが・・・。
タイトルの『Hindi Medium』とはインドで“ヒンディー語で授業を行う公立学校”のことを指す。対して、英語で授業を行う私立の名門校は“EnglishMedium”とされ、主人公夫婦は娘を『EnglishMedium』に入学させようと奮闘する。
主人公ラージを演じるイルファーン・カーンは、『アメイジング・スパイダーマン』『インフェルノ』など多くのハリウッド映画に出演する一方で、『めぐり逢わせのお弁当』『スラムドッグ$ミリオネア』など数多くのインド系作品で高い評価を受けてきた名優。
本作では、家族想いでありながらどこか抜けたところがある父親をコミカルに演じ、インド国内の映画賞である国際インド映画アカデミー賞、スター・スクリーン・アワード、フィルムフェア賞で主演男優賞3冠を果たした。
ラージの美しき妻でなりふり構わない教育ママであるミータを演じるサバー・カマルは、パキスタンで最も活躍するトップ女優のひとりで本作がインド映画初出演。彼らが魅せる凸凹夫婦の軽妙なコンビぶりに注目だ。
監督は、脚本を担当したシャー・ルク・カーン主演『アショカ大王』(映画祭上映)、監督作『結婚の裏側』(映画祭上映)などのサケート・チョードリー。本作で国際インド映画アカデミー賞で監督賞、フィルムフェア賞で最優秀作品賞を獲得した。
現代インドでよい仕事を得るための必須スキルとされ、教育の質を測る上で重要視されているのが“英語”。本作は、コメディタッチで誇張されたストーリーという形をとりながら、インドで実際にあった父親が学位しか持っていなかったため娘の入学を拒否されたという驚愕の出来事をもとに、ラージとミータと同じように高等教育を受けることができなかった親達への丁寧なヒアリングを経て制作された。
日本版ビジュアルでは、そんなインドの現実も踏まえた<英語が話せないなんて!>という刺激的なキャッチコピーとともに、“お受験”に翻弄される家族の姿をコミカルに切り取っている。
ヒンディー・ミディアム
2019年9月6日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
配給:フィルムランド、カラーバード