『キングスマン』シリーズのタロン・エガートンが主演を務め、ノンクレジットながら昨年の大ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』の最終監督を務めたデクスター・フレッチャーを監督に迎えて制作された映画『ロケットマン』。
『SING/シング』(2016)で美声を披露したタロン・エガートンが、今作でも圧巻のパフォーマンスでエルトンの珠玉の名曲を歌い綴っている。
プロモーションのため来日したタロン・エガートンが、今作の撮影秘話やエルトン・ジョンと親交を深めたことで感じたことなどを語ってくれた。
エルトンはとても愛情深くて
親切で優しくて、素晴らしい方でした
ーークランクイン前にエルトン・ジョンさんがご自宅にタロンさんを招かれて、そこで色々なお話をされたそうですね。お話された中で特に印象に残った言葉を教えて頂けますか。
「エルトンとは本当に色々な話をしたので、ひとつだけピックアップするというのは凄く難しいのですが……嬉しかったのは、彼が自分で初めて買ったダイヤのピアスを僕にプレゼントしてくれたこと。そのピアスは今作でエルトンがリハビリをしているシーンで僕がつけているので、是非チェックしてみてください」
ーーエルトンさんは今作の製作総指揮を務めてらっしゃいますが、タロンさんとも積極的に交流されていたのですね。
「とても親切にしてくれましたし、エルトンの自宅に彼の家族と一緒に泊まらせてもらったりもしたんです。そんな風に彼と交流を深められたことが、エルトンを演じる上で大きな助けになりましたし、かけがえのない経験をさせてもらえたと思います。エルトンは本当に色んな面で支えてくださいました」
ーー今作は孤独を抱えたエルトンさんの哀しい側面などが描かれていますが、実際はどのような方でしたか?
「とても愛情深くて、僕だけじゃなく彼の周りの人すべてに親切で優しくて、素晴らしい方でした。僕のことを心配して連絡をくれたりもします。それに凄くユニークな一面も持っていて、時にはイタズラを仕掛けてきたり、冗談で意地悪を言ってみたり、からかってきたり(笑)。一緒にいて凄く面白い方なのでとても刺激になりました」
ーーエルトンの名曲の数々をミュージカル仕立てで歌い綴るシーンがどれも素晴らしくて見応えタップリだったのですが、中でも『Saturday Night’s Alright/土曜の夜は僕の生きがい』が個人的に好きでした。踊りながら歌うという難しいシーンでしたが、ワンカットで撮影された部分もあったとか?
「実はあれはセクションごとに撮っていて、それを上手く繋ぎ合わせてワンカットに見せているんです……ってこんなこと話しちゃっていいのかな(笑)。実はあのシーンのリハーサルは撮影のかなり前から入念にやっていて、準備をしっかりやってから挑むことができました。ただ、ダンスに関してエルトンのパートはそこまで多くは組み込まれていないんですよね。ダンサー達の振り付けの中にエルトンがどう絡んでいくかというのがひとつのテーマでもあって、ああいった大きなお祭りのようなシーンで彼は何を伝えようとしているのか、ということをまずは考えなければいけませんでした。
何故かというと、あのシーンでは10歳のレジー(エルトン)が5年ぐらいの間に様々な文化や音楽的なものから影響を受けて、それを吸収しているということをギュッと凝縮して見せているからです。彼がインド系の人達のバングラや、カリブ系の若者達のスカといった音楽から影響を受けながら音楽を作っていたことがよくわかるシーンになっているので、そういったこともしっかりと感じながら撮影に挑んでいました」
ーーちなみにタロンさんご自身はエルトンさんから影響を受けて作曲をされることもあったのでしょうか?
「いえ、全く(笑)。もしも僕が曲を作ったとしても聴けたものじゃないですよ(笑)」
ーーできることならタロンさんの歌声を生で聴いてみたいのですが、今後ワールドツアーをやってみたいというお気持ちはありますか?
「合間にトークを挟みながら、10曲ぐらい披露するようなちょっとしたコンサートならやってみたいです。ワールドツアーとなるとヒュー・ジャックマンぐらいファン層が広くないといけないんじゃないかなって(笑)。だけど短めのコンサートだったらいつか実現できるかもしれませんね。その時は是非遊びにきてください!」
インタビュー完全版は「SCREEN 11月号」に掲載されます!!
(インタビュアー・文/奥村百恵)
【ストーリー】
イギリス郊外ピナー。
家に寄りつかない厳格な父親と、子供に無関心な母親。
けんかの絶えない不仲な両親の間で、孤独を感じて育った少年レジナルド・ドワイト(タロン・エガートン)。
唯一神に祝福されていたのは彼の才能――
天才的な音楽センスを見出され、国立音楽院に入学する。
その後、寂しさを紛らわすようにロックに傾倒する少年は、ミュージシャンになることを夢見て、古くさい自分の名前を捨てることを決意する。新たな彼の名前は「エルトン・ジョン」だった。
『ロケットマン』
2019年8月23日(金)全国ロードショー
監督:デクスター・フレッチャー『ボヘミアン・ラプソディ』
脚本:リー・ホール『リトル・ダンサー』
製作:マシュー・ヴォーン『キングスマン』シリーズ
エルトン・ジョン
キャスト:タロン・エガートン『キングスマン』シリーズ
ジェイミー・ベル『リトル・ダンサー』
ブライス・ダラス・ハワード『ジュラシック・ワールド』
リチャード・マッデン「ゲーム・オブ・スローンズ」
配給:東和ピクチャーズ
PG12
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