本作は、戦後世界文学にムーヴメントを巻き起こした文学運動“ヌーヴォーロマン”の旗手アラン・ロブ=グリエとヌーヴェル・ヴァーグ左岸派の代表格アラン・レネという、当時のフランスにおける「文学」と「映画」におけるカルチャー・ヒーローの二人が奇跡的なコラボレーションを果たし、1961 年ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞した名作。
劇中でもオリジナルデザインの衣装を提供したフランスのファッションブランド「シャネル」のサポートによって4K 最高精細・最高解像度での完全修復が施され、4Kデジタル・リマスター版としてリバイバル公開される。
このたび本作のメインビジュアルと予告編が完成した。メインビジュアルに映るのは、ココ・シャネルが本作のためにデザインしたブラックシフォンドレスとドレープ、そしてパールのジュエリーをまとったヒロイン、デルフィーヌ・セイリグ。
シャネルの原点回帰である、シンプルにしてエレガント、クラシカルにしてモダンな「ドレス・ア・ラ・マリエンバート」と呼称された衣装は、「シャネル・スタイルの集大成」「ココ・シャネルの記念碑的傑作」と絶賛され、ブリジッド・バルドーも全く同じ衣装一式をココ・シャネル本人に発注したという逸話があるほど。
本作の公開50 周年記念となった2011 年の春夏シャネル・コレクションでも、ディレクターを務めたカール・ラガーフェルトが、このドレスにオマージュを捧げた衣装をデザイン。さらに、セイリグのサイドにカールを施した髪型は、セイリグ本人が製作陣の反対を押し切って自ら選んだスタイル。セイリグが参照したのは、20 代のココ・シャネルのヘアスタイル。「マリエンバート・カット」と称されたこのヘア・スタイルも、ドレスとともに一大ブームを巻き起こした。
予告編では、去年会ったと言う男と、全く覚えていないと言い張る女の駆け引き、そして女の心が男の言葉によって、揺らぎ、変化してゆく様が、リズミカルに展開。音楽に合わせて画面に点滅する文字は、「詩的」「神秘的」「官能的」「優雅な」といった本作を形容するフランス語。また、ブラックシフォンドレスだけでなく、ホワイトシフォンドレス、リトルブラックドレス、ジャガードドレスなど、一連のシャネルの衣装をまとったデルフィーヌ・セイリグの美しい姿が、シャネルの全面サポートによって完全修復された流麗な映像で映し出されている。
去年マリエンバートで
2019年10/25(金)YEBISU GARDEN CINEMA 他 全国順次ロードショー
配給:セテラ・インターナショナル
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