今回初めて単独主人公として映画化されるジョーカー。バットマンの宿敵として長年人気を誇るこのヴィラン、なかなかつかみどころがありません。新作「ジョーカー」を見る前にそのオリジナルのルーツと様々な映像作品で語られたその正体の変遷を、もう一度おさらいしておきましょう。(解説:紀平照幸/デジタル編集:スクリーン編集部)

ジョーカーに命を吹き込んだ俳優たち

バットマンの映画は1940年代から作られているが、ジョーカーの映像化は1966年のTVシリーズとその映画版「バットマン」が初。演じたのはシーザー・ロメロ。ただし、他の役柄との関連で髪の毛は緑色ではなく金髪のまま。コメディ色の強いシリーズのため、雰囲気もかなり違いオリジンも語られない。ティム・バートンの映画版「バットマン」(1989)でジャック・ニコルソンが演じたジョーカーはかなり原作に忠実。

しかし、ここで“ブルースの父親を殺したのがチンピラ時代のジャック・ネイピアだった”という新たな設定が加えられた。彼を薬品タンクに落として変貌させたのがバットマンであることから、『ジョーカーがバットマンを生み出し、バットマンがジョーカーを作った』という裏表の関係を作り出したのだ。

ティム・バートン監督版で演じたジャック・ニコルソン

2008年の「ダークナイト」でヒース・レジャーが演じたジョーカーは、犯罪者のファイルにも登録がなく、語る過去もそのたびに違うという謎の存在として登場。サイコパスの部分が強調され、その“純粋な悪”に徹した演技は、レジャーにアカデミー助演男優賞をもたらした(残念ながら死後だったが)。

「ダークナイト」のヒース・レジャー

2016年の「スーサイド・スクワッド」では全身タトゥーの出で立ちで現れ、ビジュアルも一新。ギャングスターとパンクロッカーを合わせたようなイメージで、ジャレッド・レトが演じていた。ここでは物語を引っ掻き回すトリックスター的な役どころ。

画像: 「スーサイド・スクワッド」のジャレッド・レト

「スーサイド・スクワッド」のジャレッド・レト

アニメの「レゴ®バットマンザ・ムービー」(2017)でもメインのヴィラン。ゴッサムの面々が日本の戦国時代にタイムトリップして戦国武将に成り代わるという奇想天外な「ニンジャバットマン」(2018)ではジョーカーは“第六天魔王”織田信長というラスボス的な位置づけだった。アニメはTVシリーズや長編オリジナルにもたびたび登場。1992年版と2016年版では「スター・ウォーズ」のマーク・ハミルが声の出演をしている。

TVシリーズ「ゴッサム」(2014)ではキャメロン・モナハン扮するジェローム・ヴァレスカがジョーカー的役割で登場。笑いガスで街を混乱に陥れた。そして最新作「ジョーカー」(2019)ではホアキン・フェニックスがアーサー・フレックという後にジョーカーとなる男を演じる。果たして今度はどんな顔を見せてくれるのか?楽しみは尽きない。

TV シリーズでジョーカーを演じたシーザー・ロメロ

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