前作ホラー映画として史上最大のヒットとなった前作。そして2019年11月1日(金)に日本公開される続編「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」もすでに公開された64か国で初登場1位の大ヒットを記録。世界を熱狂させる「IT/イット」の魅力とは何なのでしょうか?新世代の「スタンド・バイ・ミー」ともいわれる本作のヒットの理由に迫ります。

〝今からでも遅くはない〞という勇気をもらえる

画像: 〝今からでも遅くはない〞という勇気をもらえる

道端の排水溝にペニーワイズの顔が浮かび上がるなど、トラウマ的ドッキリシーンが忘れられない前作だが、続編のスリルは、その比ではない。ペニーワイズの登場シーンも増えたうえ、現在のルーザーズが味わう恐怖だけでなく、前作では描かれなかった彼らの過去のエピソードが記憶としてよみがえるので、緊張の糸がとぎれない。映像と音の相乗効果によるドッキリ効果も倍増されているし、その合間のホッコリさせる笑いも効果的で、ホラーエンタテインメントとしての進化を実感できるだろう。

さらに見どころなのは、大人になったルーザーズの人間関係で、一瞬で友情の絆が戻ってしまう再会シーンは感動的。そして子供時代にほんのりめばえた愛がよみがえっていく姿に、観ているこちらはキュンと胸を締めつけられる。ペニーワイズとの攻防では、その友情や愛情が絶妙に組み込まれるので、思わず涙腺がゆるむ人もいるかもしれない。そしてこの部分に「IT」全体の魅力が凝縮されているのだ。

同じスティーヴン・キング原作の「スタンド・バイ・ミー」は、作家になった主人公が過去の友情を回想し、しみじみと感動させる作りだったが、この「IT」もルーザーズの一人、ビルは脚本家で作家。「スタンド・バイ・ミー」では果たせなかった、大人になってからの再会が実現し、「あの頃」の甘く切ない記憶や友情を再確認する。そうした作品全体の作りが、大人の観客の心を刺激してくるのだ。

原作では子供時代が1950年代を舞台に描かれたが、映画版では80年代で、大人の時代が現代に変更され、より今の観客のノスタルジーを誘うことに成功。何よりルーザーズ7人の個性がくっきりと描かれ、子供時代、大人時代ともに、演じたキャストがその個性を絶妙に表現している。「多様性」でも共感させる作りで、誰もがどこかで自分の現在、および思い出と重ねてしまうはず……。子供時代にやり残した、あるいは後悔したことを、大人になっても取り戻せる、今からでも遅くはないという勇気をもらえる「IT」のドラマチックなテーマを、この続編で改めて確認してほしい!

画像: 一瞬で友情の絆が戻る再会シーンは感動的

一瞬で友情の絆が戻る再会シーンは感動的

ストーリーをチェック

連続児童失踪事件に終止符が打たれてから27年。米メイン州の田舎町デリーで再び凄惨な事件が発生する。かつて“それ”と対峙したルーザーズ・クラブの7人の仲間たちは、一人街に残っていたマイクの呼びかけにより再び顔をそろえる。『“それ”が現われたら僕たちも戻る』と誓った27年前の約束を守るために。

イギリスに住むビル(マカヴォイ)は映画業界で脚本家として活躍。ベバリー(ジェシカ)はファッション業界で成功していたが暴力的な夫に悩んでいる。それぞれに違う道を歩んでいたルーザーズ・クラブの面々はつかの間の再会を喜び合うが、メンバーの一人が姿を現わさない。そこにはすでに“それ”の魔の手が忍び寄っていた。この町を離れて元の生活に戻るべきか、恐怖と向き合うべきか。彼らはそれぞれに究極の選択を迫られる。

「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」
2019年11月1日(金)公開

原題:IT 第2章/アメリカ/2019年/2時間49分/配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:アンディ・ムスキエティ/出演:ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・ヘイダー、ビル・スカルスガルド
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

前作Blu-ray発売中
「IT/イット “それ” が見えたら、終わり。」ブルーレイ
2381円+税 WBHE

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