「世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている」
本作は、日本が世界に誇る“もったいない精神”に魅せられオーストリアからやってきたフードアクティビストが日本を旅し、食品ロスの問題をおいしく楽しく解決していく、目から鱗のドキュメンタリー。
“もったいない”とは元々は仏教思想に由来する言葉。ケニア出身の環境保護活動家ワンガリ・マー
タイさんが、「もったいない」を世界共通の合言葉として掲げたことでも世界中から注目を浴びた。無駄をなくすということだけではなく、命あるものに対する畏敬の念が込められた日本独自の美しい言葉だ。
「世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている」このもったいない状況を変えるため、オーストリアからもったいない精神発祥の地・日本にやってきたのは、フードアクティビストで映画監督のダーヴィド・グロス。
実は日本でも年間643万トン(国民ひとりあたり毎日お茶碗一杯分)もの食料が廃棄されており、この量は世界の食料援助量の約2倍。残念ながら日本の食品ロスは世界トップクラスなのだ。
東京オリンピックの30年後、2050年には世界人口が90億人に達し、食べ物が足りなくなると言われているのに…。
ダーヴィドは、旅のパートナーのニキと一緒にオリジナル・キッチンカーで日本全国を巡る4週間の旅に出る。道中、もったいないアイデアを持つユニークな日本人シェフ達と出会った2人は、捨てられる運命にある食べ物をおいしい料理に生まれ変わらせる“もったいないキッチン”を日本各地でオープン!食品ロスの問題をおいしく楽しく解決していく。次第に2人はもったいないの先に、食品ロス解決のヒントだけではない、たくさんの幸せを見つけていく。
ダーヴィド・グロス監督メッセージ
映画監督として、フードアクティビストとして8年間世界中を旅してきました。最初は問題ばかりが気がかりでした。世界中で生産される食料の3分の1が捨てられているのです。とても衝撃的な事実です。
気候危機の時代に、このような無駄があってはなりません。しかし、今は問題ではなく解決方法に目を向けています。問題はとてつもなく大きいかもしれませんが、人々の創造的な取り組みははるかに大きいのです。この点、日本は特に興味深い国です。
⽇本は⻑い歴史の中で、⾷⽂化への畏敬の念を有していますが、他方で、世界で最も食料廃棄をしている国の一つでもあります。そんな日本は、もったいない精神という類まれな考えにより、未来をよりサスティナブルにする革新的な“レシピ”を持っています。
もったいないは、日本だけでなく、世界中にひらめきを与えることのできる考え方です。その始まりは、あなた自身の態度と、キッチンから始まります!
もったいないキッチン
2020年8月、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺 他 全国順次 ロードショー
配給:ユナイテッドピープル