市民の自由権をコントロールしようとするトランプ政権を彷彿とさせる
本作の舞台は、地球外生命体による侵略から9年後の2027年、シカゴ。制圧されたアメリカ政府は“統治者”と呼ばれるエイリアンの管理下に置かれ、完全支配されている。“犯罪の事前抑止”の名の下に、全市民の身体にはG P Sが埋め込まれ、死ぬまで監視、ルールを犯したものは地球外に追放されるという“囚われた国家”だ。
市民の貧富の差はかつてないほど拡大し、街は荒廃。この狂った状況を打ち破り、自由を取り戻すため密かに結成されたレジスタンス・グループは、市内スタジアムで開催される“統治者”による団結集会への爆弾テロを計画するが―。
このたび解禁された予告映像は、ミシガン湖に浮かぶ謎の巨大飛行体に“統治者”が定めたルールを犯した大量の人間が載せられ、秘密裏に“地球外”へと追放される様子をなす術もなく茫然と見つめる青年・ガブリエル(アシュトン・サンダーズ)の姿から始まる。
地球外生命体による侵略から9年、統治者のおかげで「失業者や犯罪が減り、アメリカは<再生>した!」と声高に謳われているが、その実態は“生活の全てを監視・支配される”という、「囚われた国家」だった。
市民は移動や物資も政府から制限される毎日。ガブリエルの兄・ラファエルは弟に「政府が言ってることは全部嘘だ」「地球の資源は統治者に奪い尽くされる」とその実情を吐露。そして、異物を排除することで支配と均衡を保とうとする狂った社会の仕組みに気づき、少数のレジスタンスたちは統治者に対して反旗を翻して爆弾テロを計画する。
一方で、シカゴ警察特捜司令官・マリガン(ジョン・グッドマン)は彼らの動向を探り、いち早くレジスタンスたちを捕えようと躍起に。「未来は変えられると世界に示すんだ」と鼓舞するラファエル。巨大な未知なる敵“統治者”に対して、真の自由をつかみ取るための徹底抗戦に向かうレジスタンスの面々の姿を捕えた、緊迫感に満ちた映像となっている。
同時に解禁されたポスターは、「アメリカ陥落から9年―。従うか? 抗うか? どちらか選べ。」という、突きつけるようなメッセージとともに、荒廃してしまったシカゴの街に浮かぶ謎めいた巨大飛行体の前に佇む青年・ガブリエルの後ろ姿を捉えたもの。彼の脇に危うげに立つ星条旗は、未知の敵“統治者”に対して立ち向かうレジスタンスたちの「自由への意志」を代弁するかのように見えるビジュアルとなっている。
地球外生命体の傀儡と化した政府による不都合な事実の隠蔽、メディアを巻き込んだ情報操作など、市民の自由権をコントロールしようとするトランプ政権を彷彿とさせ、北米公開時には「【起こり得る未来】への“警告”」(米・WIRED)と評された本作。「囚われた国家」のなかで、権力に従うのか、抗うのか? そして何のために生きるのか? 見る者に根源的な問いを投げかける問題作が誕生した。
製作・監督・脚本は、大ヒット作『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(11)を手掛けた鬼才、ルパート・ワイアット。『アルジェの戦い』(66)、『影の軍隊』(69)を手本に、複雑なテロ計画の連絡~準備~決行のプロセスを緻密かつ緊張感たっぷりに描き上げた。
また、主要キャラクターそれぞれが主人公ともいえる本作では、“統治者”に忠誠を誓うシカゴ警察特捜司令官“マリガン”役を『10 クローバーフィールド・レーン』や『モンスターズ・インク』のサリーの吹き替えの声でお馴染みのジョン・グッドマン、行方不明となってしまったレジスタンスのリーダーの兄 “ラファエル”(ジョナサン・メジャース(『荒野の誓い』『ホワイト・ボーイ・リック』)を探し続ける“ガブリエル”役をアシュトン・サンダース(『ムーンライト』『イコライザー2』)が演じるほか、娼館の妖艶な女主人をヴェラ・ファーミガ(『マイレージ、マイライフ』でアカデミー賞助演女優賞ノミネート)が務めるなど、実力派キャスト陣の個性を活かした豪華アンサンブルも見どころとなっている。
囚われた国家
2020年4/3(金)イオンシネマほか全国公開
配給:キノフィルムズ/木下グループ
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