伝説のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、何があっても最後までステージに魂を捧げ続けた日々を描いた『ジュディ 虹の彼方に』。
今作でジュディ・ガーランドを演じたレネー・ゼルウィガーのSkypeインタビューをお届けする。
画像1: アカデミー賞®最優秀主演女優賞を受賞した
レネー・ゼルウィガー
『ジュディ 虹の彼方に』インタビュー

1939年にハリウッド黄金期を象徴する映画『オズの魔法使』の主人公ドロシー役に大抜擢されたジュディ。彼女が47歳の若さで亡くなる半年前、1968年の冬に行われたロンドン公演での日々を描いた今作。
厳しいレッスンを経て全曲自ら歌いあげるなど、全力でジュディ役に挑んだのは『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズで人気を博し、『コールド マウンテン』でアカデミー賞®助演女優賞を受賞し、本作ではアカデミー賞®最優秀主演女優賞を受賞したレネー・ゼルウィガー。
本作のプロモーションでの来日は叶わなかったが、Skypeインタビューに応じてくれた。
レネーはインタビューが始まると“ハーイ!”とこちらに向かって笑顔で手を振りながら挨拶し、和やかな雰囲気のなか本作の撮影秘話を語ってくれた。

ジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、
もっと理解したいという気持ちが
彼女を演じるモチベーションになっていました。

ーー第92回アカデミー賞®最優秀主演女優賞おめでとうございます! ジュディ・ガーランド役での受賞というのはレネーさんにとってどのようなものでしたか?

「この作品を観て心を動かされた方々は、きっとジュディ・ガーランドへの愛情を感じながらご覧になって、そしてジュディを演じている私のお芝居に対しても暖かい反応をしてくださっていると、そんな風に感じています。ジュディは数々の苦境を乗り越え、自身の出演作や歌を大切に思っていた、ということを感じながら演じていました。本作に関わった全員が、彼女を祝福する気持ちで作っていたので、アカデミー賞の受賞式ではそのようなことを思い浮かべながらスピーチしました」

ーー“晩年の彼女の人生は悲劇的だった”と言われることも多いですが、本作では子供を思う母親の姿やチャーミングな一面などジュディの色んな側面が描かれていました。

「おっしゃる通りで、“彼女の晩年は悲劇的だった”というのを覆したい思いで作った作品とも言えます。エンタテイナーとして、また一人の人間として、彼女がどれほどのインスピレーションを私達に与えてくれたのかを見せたかった。それだけじゃなく、ジュディは多様性を凄く大切にしていたし、親切な心や人への思いやり、勇気を持っていました。ですから、本作で描かれたジュディを、観客の皆さまが新たに記憶してくれたら嬉しいです」

画像1: ジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、 もっと理解したいという気持ちが 彼女を演じるモチベーションになっていました。
画像2: ジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、 もっと理解したいという気持ちが 彼女を演じるモチベーションになっていました。

ーーリハーサルの更に一年前から入念な準備をされたそうですね。

「まず、彼女の人生の最後の一章にあたる晩年期にいかに苦労したのかということを私は全く知らなかったので、少女の頃から女優として世界的に高く評価された彼女がどうして経済的に困難な状況に置かれてしまったのか最初は理解できませんでした。ですから、晩年の彼女を深く知って理解することから始めていったんです。私自身、多忙な時期のスケジュールのキツさは痛いほど知っていますし(笑)、それをマネージメントすることの大変さもわかっています。

お芝居だけじゃなく、彼女は大勢の前でパフォーマンスもしなければいけないので、肉体的にとてもハードだったのではないかと。それに体調や声の調子をしっかりとケアして管理しなければ、最高のパフォーマンスをすることができないのもキツかったと思います。それらを乗り越えてきたジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、もっと理解したいという気持ちが彼女を演じるモチベーションになっていました」

画像3: ジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、 もっと理解したいという気持ちが 彼女を演じるモチベーションになっていました。

ーージュディに関する膨大な資料を読めば読むほど不安になることはなかったですか?

「読めば読むほどハードルはあがるし、もう笑うしかないんですよね(笑)。そのうえ監督から『Over The Rainbow』の音源、それも初期のじゃなくて晩年に歌ったバージョンが送られてきて、そのあと『By Myself』、『Come Rain or Come Shine』、『The Man That Got Away』など次々と送られてくるから、“こんなの私には不可能!”って思ったり(笑)。だけど撮影のスケジュールはどんどん迫ってくるから考える暇なんてないし、とにかくやるしかない。そんな感じでやらなきゃいけないことが沢山あったので、追い込まれたことが結果的に良かったのかなと思います(笑)」

ーーステージでの歌唱シーン、とても素晴らしかったです。ジュディとしてステージに立って歌うお芝居に挑まれるときと、普段のお芝居のときとでは心境など何か違ったりするのでしょうか?

「いい質問ですね。だけど、そこを比較するのは私には難しいです。何故なら歌っているシーンのお芝居と、そうじゃないシーンのお芝居を違うものとして考えていないからです。歌うことも含めて彼女には色んな側面がありますから、その全てが合わさってひとつのキャラクターとして演じることができるんですよね。ただ、ジュディのように歌いながらパフォーマンスをすることは私にとって慣れ親しんだものではなかったので、そのスキルを身につけることはとてもスリリングでした。それに大勢の前で歌うなんて生まれ持った才能がある人にしかできないと思っていたから、それをお芝居でできることに凄くワクワクしました」

画像4: ジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、 もっと理解したいという気持ちが 彼女を演じるモチベーションになっていました。

ーー経験してみていかがでしたか?

「大勢の前で歌を歌いパフォーマンスすることの魅力みたいなものが理解できるようになりました。ジュディの言葉に“客席との間に生まれる愛を信じてる”というのがありますが、まさに“観客と自分との間に生まれる魔法みたいなものってこれなのね!”と、ジュディを演じたおかげで知ることができました。それは私にとって素晴らしいギフトでした。だって私、そんなに経験を積まずにステージの上に立って大勢の前でパフォーマンスしたじゃないですか。それってちょっとチート(ずるいこと)なのかなって(笑)。でも本当に良い経験ができたと思います」

ーー是非いつか生でレネーさんの歌やパフォーマンスを拝見したいです!

「心の準備ができてないから(笑)……いまはまだ難しいかもしれないけど、そんな風に言ってくださってありがとうございます!」

(インタビュアー・文/奥村百恵)

画像5: ジュディに対して尊敬の念を抱きましたし、 もっと理解したいという気持ちが 彼女を演じるモチベーションになっていました。

【ストーリー】
『オズの魔法使』の主役でハリウッドのトップに上り詰めてから30年が経とうとしている1968年冬、今では映画出演のオファーも途絶えたジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)は、まだ幼い娘と息子を連れて巡業ステージで生計を立てていた。そんな時、イギリスのクラブ〈トーク・オブ・ザ・タウン〉からショーの依頼が舞い込む。ジュディは、やむなく元夫のシド(ルーファス・シーウェル)に子供たちを託し、起死回生を賭け、単身でロンドンへと降り立つが…。

『ジュディ 虹の彼方に』
3月6日(金)より全国ロードショー
原作:舞台「End Of The Rainbow」 ピーター・キルター
監督:ルパート・グールド  
脚本:トム・エッジ
キャスト:レネー・ゼルウィガー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボン ほか
配給:ギャガ
© Pathé Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019 

画像: 【公式】『ジュディ 虹の彼方に』3.6公開/本予告 youtu.be

【公式】『ジュディ 虹の彼方に』3.6公開/本予告

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