ドランならではの演出にも注目の新作とは
俳優としても活躍するグザヴィエ・ドラン監督の最新作。自身の少年期の体験を基に、無名の少年との〝秘密の文通〞によって明らかになる世界的スターの死の真相を描くヒューマンドラマ。
TVドラマ出身の人気俳優ジョン・F・ドノヴァンを演じるのは、役柄同様にTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョン・スノウ役で絶大な人気を集めたキット・ハリントン。彼と文通する少年ルパートには「ルーム」で奇跡の演技を見せたジェイコブ・トレンブレイ、さらにナタリー・ポートマン、キャシー・ベイツ、スーザン・サランドンという三人のオスカー女優が華を添える。アデルやイギリスのロックバンド、ザ・ヴァーヴなどの歌詞と物語がシンクロするドランならではの演出にも注目だ。
ストーリー
2006年のニューヨーク。人気俳優ジョン・F・ドノヴァン(ハリントン)が歳の若さでこの世を去った。事件か事故が自殺か。真相を知るのは一人の少年だった――アメリカからロンドンへ引っ越してきた歳のルパート(トレンブレイ)は、子役をしている影響からか、学校ではいじめられがちで家庭でも口数が少ない内気な少年。
彼が唯一夢中になれるのはドラマ『ヘルサム学園』に出演するジョン・F・ドノヴァンだ。そんなルパートを母サム(ナタリー)は微笑ましく見守っていたが、彼は誰にも内緒でドノヴァンと秘密の文通を何年も続けていた。だが、ひょんなことから文通していたことが公になり、100通を超える手紙はメディアの餌食となってしまう。
主要キャラクター
ジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)
学園ドラマへの出演で一躍スターとなった若手俳優。29歳で突然命を落とす。
ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)
子役活動歴のある11歳の内気な少年。大ファンのジョンと密かに文通している。
グレース(スーザン・サランドン)
ジョンの母親。アルコール依存症で息子との関係はあまりよくない。
サム(ナタリー・ポートマン)
女手ひとつでルパートを育てる。息子を心配するあまり過保護な一面も。