\今月のイチオシ/
ナチス残党を追うチームの活躍を描く刺激度満点のエンターテイメント作
「ナチ・ハンターズ」
「アイリッシュマン」の大物男優アル・パチーノが主演し、「ゲット・アウト」の鬼才ジョーダン・ピール監督らが製作総指揮を務めた、理屈抜きに楽しめるサスペンス。1977年、ブルックリン。貧しいユダヤ系青年ジョナ(「パーシー・ジャクソン」シリーズのローガン・ラーマン)は、何者かに祖母を殺される。彼の祖母とナチスの収容所にいた大富豪マイヤー(パチーノ)は、実はナチスの残党を追うチーム“ハンターズ”のリーダーで、ジョナは志願してその一員に。
`同じ頃、アメリカにいるナチスの残党、大佐(レナ・オリン)らは政界を乗っ取って世界を支配し、“第四帝国”を築く陰謀の実行へ。バイオレンスがふんだんなうえ、人種をネタにしたブラックユーモアも多い、刺激的な成人向け作品だが、近い時代を舞台にした「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に通じる、ポップな感覚が楽しめる。一周回って逆に新鮮という痛快テイストだ。
キャラクターにも注目!
マイヤー・オファーマン(アル・パチーノ)
ニューヨーク在住の大富豪。第二次世界大戦中、自分を含むユダヤ人を差別したナチスの残党を今も追い、自宅の隠し部屋に“ハンターズ”の本部を置く。パチーノはナチスの“ウルフ”役も演じる。
ジョナ(ローガン・ラーマン)
有名大学入学をめざす一方、貧しいためにマリファナを売る青年。両親に代わって自分を育ててくれた祖母を殺されてしまい、復讐のために“ハンターズ”に加わる。なぜか暗号解読の才能がある。
注目01:
それぞれが特技を持つナチ・ハンターのメンバー
ナチスの残党を追う“ナチ・ハンター”は有名なサイモン・ヴィーゼンタールなど、実在するリアルな存在。しかし本作で活躍する“ハンターズ”は「ミッション:インポッシブル」のチームのように、ジョナがなぜか暗号解読が得意だったりと、それぞれに特技があるのがユニーク。少々不謹慎でも娯楽性を追求したのが楽しい。
注目02:
舞台となる1977年の風物を徹底的に再現したこだわり
1977年のアメリカを徹底的に再現したのがオールド映画ファンにも楽しめる。ニューヨークでは連続殺人者“サムの息子”が衝撃を呼び、映画館で「スター・ウォーズ」のエピソード4が上映されていて、地下鉄が落書きだらけだったりと、実に徹底している。海外ドラマには興味がないという大人の映画ファンもぜひトライしたい。
ナチ・ハンターズ
Amazon Prime Videoにて配信中