最新インタビューを通して編集部が特に注目する一人に光をあてる“今月の顔”。今回取り上げるのは、SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」シリーズの新三部作を牽引してきたオスカー・アイザックとジョン・ボイエガ。完結編となる「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のMovieNEXリリースを前に、本作への思いや昨年末の来日エピソードなどを語ってくれた。
(カバー画像 ジョン・ボイエガ:Photo by Ki Price/Corbis via Getty Images)

強い絆で結ばれている彼らの関係性

1977年から続く「スター・ウォーズ」シリーズの新たなサーガとして、2015年に「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で幕を開けた“新三部作”。続く「最後のジェダイ」を経て、昨年末「スカイウォーカーの夜明け」でついに完結した。

それらすべてに重要な役どころで登場したのが、オスカー・アイザック演じる正義感に満ちた敏腕パイロット、ポー・ダメロンと、ジョン・ボイエガ演じる元ストームトルーパーにして主人公レイの良き相棒フィンだ。「フォースの覚醒」の運命的ともいえる出会いから共にレジスタンスを率いてきた二人。新三部作の登場人物の中でもとくに強い絆で結ばれている彼らの関係は、今作でさらに深まっているようだ。

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オスカー・アイザック

ジュリアード音楽院で演技を学び、2002年から本格的に俳優業をスタート。初主演作「インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌」(2013)がカンヌ国際映画祭グランプリに輝き、一躍注目の存在に。ティモシー・シャラメ主演のSF映画『デューン(原題)』が待機中。1979年3月9日、グアテマラ生まれの41歳。

画像: Photo by Ki Price/Corbis via Getty Images
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ジョン・ボイエガ

2011年に俳優デビュー。「スター・ウォーズ」新三部作のフィン役に抜擢以降、「デトロイト」(2017)や「パシフィック・リム:アップ・ライジング」(2018)など話題作に続けて主演。今後は法廷映画『ネイキッド・シンギュラリティ(原題)』でビル・スカーシュゴードと共演予定。1992年3月17日、ロンドン生まれの28歳。

スター・ウォーズは時代を超越している。きっと永遠に存続するんじゃないかな

──フィンとポーの今作での見せ場を教えてください。

ジョン・ボイエガ
今回はエキサイティングだよ。レジスタンスに献身して、この組織における自分の目的を分かっているフィンを見ることができるはずだよ。彼は仲間をバックアップしたいと心から思っているんだ。今はキャラクター同士の中に団結が生まれているから、そういう関係性がフィンにどのような影響を与えているのかを見ることができるよ。全員がそれぞれ新しいスタイルで戻ってくるんだ。どのキャラクターもそれぞれ成熟していることを見るだけでもね……。

「最後のジェダイ」と今回の間に彼らがどれくらいの時間を一緒に過ごし、お互いに影響を与え合ったのかを見ることができるところがクールだよ。

オスカー・アイザック
衣裳もエキサイティングに変化しているよね。

ジョン・ボイエガ
うん。良い形で変化しているんだ。そして全員が少しだけ以前よりも強くなっていて、それぞれ自分の技術が向上している。パイロットとして、レジスタンス・ファイターとして、そしてレイはジェダイとしてね。全員が10歩も前進していて、かなり強くなっているんだ。

──ポーについてはいかがですか?

オスカー・アイザック
ポーは今ではXウイングから降りて仲間と共にいるんだ。そして、同じような形でファースト・オーダーとの壮大なバトルの中でレジスタンスを有利にするために、自分にできるあらゆることをやっている。この時点でレジスタンスにとっての唯一の希望であるレイをバックアップしようと努力している。つまり僕らはとにかく彼女を背後から援護しようとしているんだ。

また、フィンとポーの関係が深まっていることも見ることができるよ。彼らはこのジャーニーの中で実に多くのことに取り組まなければならないんだ。

──スカイウォーカー・サーガの完結について、どう感じていますか?

オスカー・アイザック
素晴らしくエキサイティングなことだと思っているよ。1977年の一作目からスター・ウォーズがやってきたことは、人々のイマジネーションを大々的な形で刺激することだった。様々な世界や色々な異星人、クリーチャーを考え出してきた。だから、このストーリー全体を実現させることや、完結させることの一員になれたことは、ものすごくエキサイティングだね。

これまでとても素晴らしい形で様々なスター・ウォーズ映画が作られてきたけれど、それでもいつも何らかの疑問が残されている。だからこそ人々のイマジネーションは刺激され続けているんだね。

ジョン・ボイエガ
うん。とにかくあらゆる人々のイマジネーションに様々な形で影響を与えていると思うよ。長年にわたってスター・ウォーズは様々なフォーマットや訴え方に適応することが出来ていると思うんだ。映画をあまり好きではない人なら、スター・ウォーズの小説を読むこともできる。読書が嫌いでもビデオゲームを楽しむことができる。スター・ウォーズと関われる方法はとてもたくさんある。世界におけるスター・ウォーズの成長は時代を超越したものになっている。きっと永遠に存続するんじゃないかな。

スター・ウォーズの終わりは僕らの人生や仕事にとって新しいチャプターを意味する

──スター・ウォーズは人生にどのような影響を与えましたか?

オスカー・アイザック
膨大だよ。これまでの僕らの生活の大きな部分を占めているんだ。もうそろそろ6年になる。その年月ずっと僕らの生活の骨組みになってきたんだよ。次の映画が作られることはもう分かっていたから、他の作品に出るにはスター・ウォーズの間に押し込むようにスケジュールを入れなければならなかったしね。いつでもまた戻ってきて一緒にやり続けるって分かっていたんだ。

それが終わりを迎えるというのは、僕らの人生にとっても仕事にとっても、まったく新しいチャプターを意味することなんだ。

ジョン・ボイエガ
他の作品の現場に行くと、こういう経験がいかに特別なものなのかを思い知らされるよ。それだけ長い間こういう人たちと共に仕事をしてきたということだね。それが時を経て僕の人生に影響を与えてきたんだと思う。でも今、僕はそこから離れなければならないんだ。悲しいね。

──二人が一番好きなスター・ウォーズ映画は?

オスカー・アイザック
僕は映画館で初めて観た映画の「スター・ウォーズエピソード6/ジェダイの帰還」だね。小さなマスクを装着して変装するランド・カルリジアンの小さなフィギュアを持っていたよ。僕のお気に入りだったこともあって、あの作品は心の中でとても特別な場所に残っているんだ。それからエンディングの素晴らしいイウォークの歌もね。

ジョン・ボイエガ
それは僕も覚えているよ。僕は「エピソード5/帝国の逆襲」だな。それか「エピソード3/シスの復讐」。「シスの復讐」はダークだった。アナキンが堕ちるからね。あそこでアナキンは完全に変わるんだ。悲劇だよ。そこがクールだと思ったんだ。

──特にエンディングは本当に悲劇的ですね。

ジョン・ボイエガ
あのエンディングね。グッとくるよ。

──日本での思い出を教えてください。

オスカー・アイザック
渋谷をたくさん歩き回ったよ。とにかくすごいところだね。とくに楽しかったのは、着いた初日に僕とJJ(エイブラムス監督)でふらついていたら道に迷ってしまって、結局、別の道に行き当たって、そこで小さなレコード店を見つけたんだ。本当に最高な日本のジャズ・レコードを買って……とにかく道に迷うには最高な土地だね。巨大なビルがあり、どのフロアもまったく違っているしね。この土地の興奮と謎は本当に驚異的だよ。それから、日本のマインドフルネスや気配りに感動したよ。

──マインドフルネスを日本で感じますか?

オスカー・アイザック
うん。成功とは何かを違う形でとらえている。アメリカでは、とにかく成長してどんどん大きくなることばかりが重視される。一方ここでは、どんなにヘンテコなことであっても上手に出来れば、それがひとつの成功の形なんだ。僕はその発想が大好きだな。大きく成長することではなく、いかに上手くなるのかという発想がね。

ジョン・ボイエガ
僕はこの国の自己表現が好きだな。自分自身の表現の仕方がね。自分の中にある子供心を見せることを恐れていないんだ。飛行機でも大人が本格アニメを見ていたりするし。

オスカー・アイザック
そうそう!

ジョン・ボイエガ
とても真面目な顔でね。それが大好きなんだ。だって僕の母国では、それはオタクだって言われたり、レッテルを貼られてしまうようなこととされているからね。でも日本ではむしろごく普通のことなんだ。

オスカー・アイザック
うん、それに関連してユーモアセンスのようなものもあるよね。

──この国ではオタクでも問題ありません。

ジョン・ボイエガ
クールだよね。そこが大好きだよ。

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」2020年4月29日(水)MovieNEX発売/デジタル先行配信中

画像: ©2020 & TM Lucasfilm Ltd.
©2020 & TM Lucasfilm Ltd.

監督/J・J・エイブラムス
出演/デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー

42年にわたる「スター・ウォーズ」シリーズの完結編。祖父ダース・ベイダーに傾倒し銀河の支配者となったカイロ・レンと、“伝説のジェダイ”ルーク・スカイウォーカーの思いを継いでフォースを覚醒させたレイ。“光と闇”のフォースをめぐる最終決戦の行方は──。

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