トラウマを抱えながらも懸命に生きる人々の姿を描く
今や恋愛映画の旗手と呼ばれる今泉力哉監督の『退屈な日々にさようならを』(第6弾)や、上映館数350館・動員224万人を突破し、社会現象と化した上田慎一郎監督作品『カメラを止めるな!』(第7弾)など数々の話題作を輩出しているENBUゼミナール主催の「シネマプロジェクト」。その第9弾となるのが本作だ。
とある民宿を舞台に長編映画初主演の青野竜平と郷田明希の2人が織りなす物語。トラウマを抱えながらも懸命に生きる人々の姿を描き、クスッと笑えるエピソードと共に最後にはホッと温かい気持ちに包まれる作品になっている。
柴田浩二(青野竜平)は、川辺の民宿で生まれ、今もそこで働きながら暮らしている。ある日、社長である父親(近藤芳正)が、見知らぬ女と出て行った。浩二は一人で民宿を続ける事となり、途方に暮れる。
そんな中、東京から家出してきたという女(郷田明希)が現れ、住み込みで働く事に。美穂と名乗るその女に浩二は惹かれ、誰にも話した事の無い少年時代の河童にまつわる出来事を語る。このままずっと二人で民宿を続けていきたいと思う浩二だったが、美穂にはそれが出来ない理由があった。
監督は本作が長編映画デビューとなる51歳の新人・辻野正樹。監督のオリジナル脚本にあわせ、ワークショップオーディションで選ばれた16名のキャストに、ベテラン俳優の近藤芳正をゲスト俳優に迎え撮影に挑んだ。
公開に先駆け、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督ら映画人3名より応援コメントも到着した。
<応援コメント>
懐かしい友人と再会して思い出話に花を咲かせるような。そんな時間を感じる映画でした。それぞれがそれぞれの問題を抱えた、癖のある登場人物たち。そんな彼ら彼女らが大集合して大騒ぎするラストシーン。彼らの行動は正しいのか、正しくないのか? そんな事を超えて、なんとも奇妙で清々しい多幸感に襲われました。
上田慎一郎(映画監督)
色んなものをしょいこんで立ち止まってしまった主人公が51歳の新人監督辻野さんと重なる。きっと辻野さんは人間が大好きなんだと感じるラストシークエンスに笑い泣き! 主人公同様にこれから突っ走るはずだ。
足立紳(脚本家・映画監督)
監督独自の視点による愛溢れる画だった。人の心に寄り添う脚本とワンカットワンカット、ひとりひとりに見せ場を作りながら、映画でしか表現できない“過去から未来へ飛び出す”ダスティン・ホフマンの『卒業』のような瑞々しい2人の姿が、今も目に焼き付いている。
伊藤さとり(映画パーソナリティ)
河童の女
2020年7/11(土) 新宿K’s cinema、7/18(土)池袋シネマ・ロサほか全国順次ロードショー
配給:ENBUゼミナール
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