「レイヤーケーキ」（2004）のシドニー
「レイヤーケーキ」（2014）
「キングスマン」のマシュー・ヴォーン初監督作。裏社会からの引退を決意した切れ者の麻薬ディーラーが、最後に引き受けた仕事で予期せぬ事態に巻き込まれる。ブレイク前のトム・ハーディやサリー・ホーキンスも出演。
時代遅れのギャングであるおじを崇拝する青年。だるだるのジャージと角刈りがトレードマーク。仲間からパシリのように扱われたり、ダニエル・クレイグ演じる麻薬ディーラーにガールフレンドを奪われそうになったりと、なかなかのヘタレキャラ。ベンは本作が映画出演5本目ながらクレイグとは3度目の共演！
「パフュームある人殺しの物語」（2006）のグルヌイユ
「パフュームある人殺しの物語」（2006）
映像不可といわれたベストセラーをトム・ティクヴァ監督が映画化。類い稀な嗅覚を持つ青年がある香りに出会ったことから凶行に駆り立てられていく。本作以降ベンは、ティクヴァ作品にチョイ役含めほぼすべて顔を出している。
まだ“新鋭”と呼ばれていたベンの名を世に広めた作品。驚異的な嗅覚を持つグルヌイユは、理想の香りを求めて次々殺人を犯す無垢と狂気が表裏一体の難役。死んだ女性の体臭を嗅ぐという変態性の高い行為も受け入れられてしまうのは、ベンが持つ天性の気品か。ベンが演じてきたキャラクターの中でダントツに生命力が高い。
「アイム・ノット・ゼア」（2007）のアルチュール
「アイム・ノット・ゼア」（2007）
ロックスター、映画スター、革命家など様々な顔を持つボブ・ディランの謎多き半生をクリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、ヒース・レジャーら6人の俳優が演じた伝記映画。監督は「キャロル」のトッド・ヘインズ。
本作に登場する“6人のボブ・ディラン”のうち、ベンは自らを“アルチュール・ランボー”と名乗る詩人としてナレーター的な役割を担当。活動的な他のディランとは異なり出番はそこまで多くないが、1つの場所に留まりカメラに向かって独白する姿が妙に印象に残る。気怠そうにタバコをくゆらせる仕草も実にモノクロ映え！
「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」（2009）のジョン・キーツ
「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」（2009）
19世紀の詩人ジョン・キーツとその恋人ファニーの悲恋を、キーツの詩や二人がやりとりした手紙などを織り交ぜて描く。監督は「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン。タイトルの“ブライト・スター”はキーツがファニーに宛てた愛の詩から。
夭逝した詩人ジョン・キーツの恋をロマンチックに描いた本作は、ベンの真骨頂ともいえる儚い美しさが凝縮された一本。花の香りや季節の移ろいまでも感じられるような映像美とキーツの浮世離れした存在感がベストマッチ。目を離したら消えてしまいそうなビジュアルとは裏腹に、エンドロールで詩を朗読するベンの声がいつまでも耳に残る。
「テンペスト」（2010）のエアリエル
「テンペスト」（2010）
ジュリー・テイモア監督がヘレン・ミレンを主役に迎え、「タイタス」以来二度目となるシェイクスピア作品を映画化。国を追われた魔術師が娘と共に流れ着いた孤島で魔術を操りながら復讐を遂げる様子を、幻想的な映像を交えて描く。
シェイクスピアの同名戯曲を映画化した本作でベンが演じるのは、なんと両性具有的な空気の妖精。白塗りメイクにクネクネとした動きで、ヒト以外のキャラを違和感なく演じている。CGとはいえ終始ほぼ全裸でちょこまかと動き回る様子は目のやり場に困るほど。澄みきった歌声も聴けるオマケつき。
「007 スカイフォール」（2012）のQ
「007 スカイフォール」（2012）
サム・メンデスがメガホンを取ったクレーグ版ボンドの3作目。本作から登場したベン演じるQは次作「007スペクター」（2015）、最新作「007／ノー・タイム・トゥ・ダイ」（2020）にも出演。
「007」シリーズ23作目に突如舞い降りた“天使”。それまで徹底してシリアス路線を貫いてきたダニエル・クレイグ版ボンドにジョークを言わしめた功績は称賛に値する。武器開発係のQというキャラは過去にも登場しておりベンは4代目。マジメな役職なのに猫を飼っているだとかアールグレイが好きだとか、ちょっとした設定がいちいち乙女心をくすぐる。
「007スカイフォール」フォックス・HEよりブルーレイ発売中
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「クラウド アトラス」（2012）のロバート
「クラウド アトラス」（2012）
ウォシャウスキー姉妹とトム・ティクヴァ監督が手掛けた、時代も国も超えた6つのエピソードで綴られる一大叙事詩。トム・ハンクス、ハル・ベリー、ジム・ブロードベントら俳優陣が複数の人物を演じたことも話題に。
6つの物語が並行して展開する本作で5つのキャラクターを演じたベンは、1936年のエピソードに老作曲家に人生を狂わされる作曲家志望の青年として主演。ジェームズ・ダーシー演じる恋人とのベッドシーンは、奔放なベンが愛おしくてたまらなくなること請け合い。ほかのエピソードにも様々な人物として顔を出しているので探してみよう！
「追憶と、踊りながら」（2014）のリチャード
「追憶と、踊りながら」（2014）
ともに大切な人を失ったロンドンに暮らす中国人の老女と英国人の青年。言葉も世代も違う二人の心の交流を描く。カンボジア生まれロンドン在住のホン・カウ監督が自身の母への思いを重ねたというデビュー作。
キャラ立ちした役が多いベンにとって珍しい等身大の青年。ゲイであることを隠したまま逝った恋人の母親ジュンとの関係に悩む役どころだ。言葉の通じないジュンに対するむき出しの苛立ち、短いながらも親密さが詰まった恋人とのシーンなど、普通っぽさが新鮮。本作でベンは、佇まいだけで切なさや喪失感を表現するというハイレベルな技を披露している。
「未来を花束にして」（2015）のサニー
「未来を花束にして」（2015）
約100年前の英国で女性の参政権を求めて立ち上がった女性達の勇気ある行動を実話に基づき映画化。主演のケアリー・マリガンをはじめ、メリル・ストリープ、ヘレナ・ボナム＝カーターら女優陣のパワフルな演技にも注目。
過酷な環境で働く妻を気遣う優しい夫＆子煩悩なよきパパぶりを堪能できる前半に対し、後半は女性参政権運動に身を投じていく妻を恥じる保守的な夫に変貌。妻を子供から引き離そうとする非情なサニーに目を覆いたくもなるが、彼が単なる無理解な夫に見えないのは、厳しい行動の裏にある妻への愛を繊細に汲み取ったベンの演技があってこそ。
「リトル・ジョー」（2019）のクリス
「リトル・ジョー」（2019）
2020年7月17日（金）日本公開！
「ルルドの泉で」のジェシカ・ハウスナー監督が手がけるサイエンス・スリラー。人々に幸福をもたらす深紅の美しい花“リトル・ジョー”の開発に成功した女性。だが花が成長するにつれ、彼女の周囲にある変化が起きていく。
バイオ企業で植物開発に取り組む研究者。シングルマザーの同僚アリスが開発した新種の植物“リトル・ジョー”の花粉を吸いこみ、少しずつおかしくなっていく。草食っぽく見えて実は肉食なのか、思いを寄せるアリスに対して積極的にアプローチ。“オス感”あふれるベンの演技にドキッとさせられる。小顔ぶりがわかるマスク姿もポイント高し。
番外編！
「ロブスター」（2015）の足の悪い男（ジョン）
女性へのアプロ―チが独特！
声を担当した「パディントン」（2014）
「ゼロの未来」（2013）の医師
見た目は奇抜だけど言ってることはマトモ！
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