4D技術とは?
『4D』についてみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか? 2Dは平面で、3Dは立体……ここまでは常識ですが、4Dとなってくると途端に「ハテナ」となってしまう人もいるのでは?
ご多分に漏れず筆者もはじめて4Dと聞いたときは、「むむ、立体の次は……リアルに人が出てくる? でもそれって映画でなくミュージカルでは?」なんて思ったものです。
もちろんそれは大きな勘違いですので、改めてここで『4D』について解説していきます。
『4D』とはデジタル以外のリアル要素のこと
これまでの映画は2Dであれ3Dであれ、目と耳(視覚と聴覚)で楽しむものでした。ここに、嗅覚や触覚といったリアルな体感要素を取り入れたのが4D技術です。
簡単に言えば、嵐のシーンでは客席に水が振り、風が吹き付け、映画内で雷鳴轟けば場内にフラッシュが焚かれ、爆発シーンであればうっすらと煙が出る。美女とすれ違えば、鼻腔をくすぐる香りが漂い、激しいアクションシーンでは映像に合わせて座席が揺れる……と、自分が映画のシーンを体感できるのが『4D』なのです。
『4D』=3D+効果ではない!
前述したとおり、4Dとはシアター内に設定されたリアルな体感要素のことであり、映像に関することではありません。つまり、映画本編は2Dでも3Dでも関係なく、4D技術と連携さえすればどんな映画も楽しめます。
最近では、過去に上映されたアニメ映画なども4D化されており、より多くの方が気軽に楽しめるようになってきています。
4DX・MX4Dの違いは?
では、映画館でよくみる「4DX」・「MX4D」とは何なのでしょうか。
このふたつは開発企業が異なる4D技術を用いた演出システムであり、いわばライバル関係にあります。どちらも観客を楽しませてくれることに変わりはないのですが、その演出方法には若干違いがあります。ここからはそれぞれの特徴を紹介していきます。
韓国生まれの演出システム「4DX」
4DXは、韓国のCJ 4DPLEX社が開発した映画用の演出システムです。主な演出は下記の通り。
- モーション:前後・上下・左右に動く座席と振動
- エアー:顔、頬、耳へのエアー噴射
- フラッシュ:照明による光の演出
- 香り:シーンに合わせた香りの噴射
- 風:強力なファンにより吹き付ける風
- 水:シーンに合わせて飛び散る水や雨
- バブル:劇場内を漂う泡
- 煙:スクリーン周辺から噴射される幻想的な煙
- 嵐:風と水の組み合わせ
- 雪:スクリーン周辺に舞い散るリアルなパウダースノー
※劇場によっては上記組み合わせによる演出説明がされている場合もあります。
4DXはシアター全体を使ったダイナミックな演出が多い傾向です。実際どんな演出がされているかは、解説映像がありますので下記よりご覧ください。
米国生まれの演出システム「MX4D」
MX4Dは、米国のMediaMation社が開発した映画用の演出システムです。主な演出は下記の通り。
- 突き上げ:座席下部からの衝撃
- 地響き:座席の震えによる地響き体験
- つつき:背中をつつく効果
- ネックティクラー:首筋に何かが触れるような感覚
- レッグティクラー:足元に何かが触れるような感覚
- 水しぶき:シーンに合わせた水や雨
- 香り:シーンに合わせて劇場内を漂う香り
- 風:そよ風や向かい風といった演出
- エアー:顔に飛んでくる瞬間的な突風
- 霧:山や湖を彷彿とさせる空間を覆う霧
- ストロボ:爆発や雷鳴シーンで走る強烈な閃光(5色対応)
MX4Dは、座席周りの繊細な演出が多くなっています。ホラー映画などでは首筋に何かが触れる、足を掴まれる!なんて恐怖体験も味わえます(味わいたくない気もしますが…)。
実際どんな演出がされているかは下記の動画がわかりやすいです。