歌われる曲は『クール・ランニング』でおなじみの「I Can See Clearly Now」
このたび解禁された映像は、舞台となるシンシナティの公共図書館で突如歌い出す裸の男性が出現するシーン。静かな場所あるはずの図書館だが、どこからか大ボリュームの歌声が聞こえはじめる。館内は笑いを伴いつつも騒然とし始める。
異変に気づき、声の元を辿る図書館員のグッドソン(エミリオ・エステベス)とマイラ(ジェナ・マローン)。外を望む大きな窓があるフロアに着くと、そこになんと、全裸の男性が熱唱しているのだった…!
目の前の異様な光景に唖然とした表情で声の主を見つめるふたり。呆れて苦笑いのグッドソンの肩を私に任せてとばかりに叩き、マイラは果敢に「服を着てください」と注意する。それでもお構いなしで歌い続ける男性。騒ぎをきき駆けつけた図書館の警備員と、常連のホームレスたち。歌っている曲は、『クール・ランニング』(93)の挿入歌でおなじみの大ヒットソング「I Can See Clearly Now」。
マイラは「やめさせて 私の好きな歌よ」、グッドソンは「頼む エルネスト」と、おかしな来館者に関わりたくないのか対処を警備員にお願いするが、「裸の男との絡みは職務に含まれない」とあっさり断られてしまう…。
それでも歌い続ける全裸の男。続々と警備員が駆けつけるが、「裸なんて聞いていない」と予想外の事態に呆然。意を決して、警備員のひとりが「あの…すみません」と話しかけると、そこでふっと、男性は意識を失い倒れてしまう! 奇想天外! 思わず爆笑の場面と同時に、「公共」の場である図書館だからこそ、あらゆる人が訪れるということを改めて感じさせるシーンとなっている。
本作は図書館という、誰もが利用したことのある身近で物静かな空間を舞台にした“あっと驚く”ヒューマン・ドラマ。記録的な大寒波の到来により、緊急シェルターがいっぱいで行き場がないホームレスの集団が図書館のワンフロアを占拠。突如勃発した大騒動に巻き込まれたひとりの図書館員の奮闘を軸に、予測不可能にして笑いと涙たっぷりのストーリーが展開していく。
ある公共図書館の元副理事がロサンゼルス・タイムズに寄稿したエッセイにインスピレーションを得て、完成までに11年を費やし監督したのは名優、エミリオ・エステベス。
先日行われたオンライン試写会でいち早く鑑賞した人からは、「パブリック=公共のあるべき姿、貧困への無知、誰の権利を守るべきかなどの難しい社会問題を、ユーモラスな演出で分かりやすく説き、社会に訴えかけた傑作。コロナ禍への支援の輪が広がる中で、その追い風となるであろう映画」「重いテーマの反面、ヒューマンドラマとしての温かみもありとても観やすい作品」「理不尽には声をあげよう、そう明るく前向きになれたラストでした。泣いた」と絶賛の口コミで盛り上がっている。
パブリック 図書館の奇跡
2020年7/17(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
配給:ロングライド
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