「とんび」や「流星ワゴン」など大切なものを失った家族の再生を描き続けてきた作家・重松清の小説を映画化した『ステップ』。
今作で主人公・健一の義父役を演じた國村隼のインタビューをお届けする。

『ゲーム・オブ・スローンズ』はハマってしまって2周しました(笑)

ーーここからはScreenOnline読者に國村さんオススメの映画などをご紹介頂きたいのですが、最近ご覧になって面白かった作品はありますか?

「『パラサイト 半地下の家族』は面白かったです。『哭声/コクソン』に出演した時に、韓国の映画界のシステムや現状を目の当たりにして、日本の映画界とのギャップを感じることは正直とても大きなものでしたね。韓国の映画人からしてみたら、いつもやっていることの延長線上に『パラサイト半地下の家族』があって、それが今回世界中の国の人達に受け入れられたんですよね。

物語がわかりやすかったのもあると思いますし、社会格差の構造など自分達の問題として受け取りやすかったのかもしれない。それから他国のカルチャーを楽しみたい気持ちとか色んな要素はあると思います。僕はアジア映画全体の中でまず韓国映画が世界を震撼させるだろうと感じていたので、『パラサイト 半地下の家族』が話題になった時は“やっぱりね!”と不思議には思いませんでした」

ーーポン・ジュノ監督の印象もお聞かせ頂けますか。

「ポン・ジュノ監督は本当にクレバーな方なんですよね。第37回青龍映画賞で男優助演賞と人気スター賞を頂いた時にすれ違ったことがあって。でも、監督はどんな大スターよりも皆の人気者で、大勢の人に囲まれていらして近づけなかったんです(笑)。でも、ソン・ガンホさんとはお話したり写真を撮ったりしました」

ーー今後ポン・ジュノ監督の作品に國村さんが出演する日も近い気がするのですが。

「(笑)。是非ご一緒したいです。“いつでもオファーください!”という気持ちです」

画像1: Photo by Tsukasa Kubota

Photo by Tsukasa Kubota

ーー話は変わりますが、海外ドラマをご覧になることはありますか?

「『ゲーム・オブ・スローンズ』はハマってしまって2周しました(笑)。羨ましいぐらいによくできたドラマですよね。お金も相当かかっているだろうなと思いながら観ていました」

ーーちなみに最終話はどう思われましたか?

「サーセイとジェイミーの最後は“なんで純愛ものみたいになってるんだ!”と、ちょっとムカつきました(笑)。ジェイミーはいいけどサーセイはもっと悲惨な死に方をするべきですよね。揉めごとの大半は彼女のせいで起きてますから、なんか納得いかんなと(笑)。最終章に関しては駆け足で終わらせた感があったというか。もう少しじっくりと作って欲しかったなと思います」

ーー推しキャラも教えて頂けますか。

「何人かいますけど、中でもジョン・スノウの恋人になった野人のイグリットが素敵だなと思いました。男勝りというか、戦士のように強いけど女性としても魅力的な人だと。もう少し見てみたかったなと思うキャラクターでした」

画像2: Photo by Tsukasa Kubota

Photo by Tsukasa Kubota

ーー最近注目しているハリウッド俳優はいらっしゃいますか?

「セドリック・ニコラス=トロイヤンが監督を務めたNetflixのオリジナル映画『Kate(原題)』でご一緒したウディ・ハレルソン。作品で彼とは絡むシーンが一切なかったんですけど、現場で色々と話をしました。凄く面白いひとなんです。9月11日公開のローランド・エメリッヒ監督作品『ミッドウェイ』にもウディと僕は出ているんですけど、そっちも一緒のシーンがなく…(苦笑)」

ーー『Kate(原題)』の現場でウディ・ハレルソンさんとはどんなお話をされたんですか?

「“どんなジャンルの映画が好きなんだい?”と彼が聞いてきたので、“ヒューマンドラマが好きかな”と答えたら“ふ〜ん…”と返ってきて(笑)」

ーー聞いておいてそんな薄い反応が返ってきたのですね(笑)。

「そうです(笑)。彼は続けて“『アベンジャーズ』はどう思う?”と聞いてきたので、“エンターテイメントムービーとしては非常に面白いと思うし嫌いじゃないけど、観終わったあとは「あ〜面白かった!」で終わる映画だよね。僕は観終わったあとにしばらく余韻が残るような映画が好きかな”と答えたんです。そしたらまた“ふ〜ん”と。“ノーコメントかい!”と心でツッコミましたよ(笑)」

ーー(笑)。ウディ・ハレルソンさんが『アベンジャーズ』の話をされるとは意外ですね。

「『アベンジャーズ』は彼の俳優としてのイメージと真逆な作品ですし意外ですよね(笑)。でも“僕は割とステレオタイプの人間で、ああいうのも好きなんだよ”と言ってました。もしかしたら半分ジョークだったのかもしれませんね(笑)。話している最中は時々フニっと笑う程度でほぼ無表情だから本気かジョークか読めないんですよ(笑)」

ーー貴重なお話が聞けて嬉しいです。いつか彼とガッツリ共演して頂きたいです。

「一番ご一緒してみたかったジョニー・デップとはこのあいだアンドリュー・レヴィタス監督の『Minamata(原題)』で二人のシーンが多く共演できたので、次はウディ・ハレルソンとそんな形でできたらいいなと思っています。あと、トム・ハンクスやジョン・マルコビッチも興味深い俳優さんなので、これからも色んな可能性を信じて俳優を続けていきたいですね」

画像3: Photo by Tsukasa Kubota

Photo by Tsukasa Kubota

(インタビュアー・文/奥村百恵)

<STORY>
健一はカレンダーに“再出発”と書き込んだ。始まったのは、2歳半になる娘・美紀の子育てと仕事の両立の生活だ。
結婚3年目、30歳という若さで妻を亡くした健一はトップセールスマンのプライドも捨て、時短勤務が許される部署へ異動。何もかも予定外の、うまくいかないことだらけの毎日に揉まれていた。そんな姿を見て、義理の父母が娘を引き取ろうかと提案してくれたが、男手一つで育てることを決める。妻と夢見た幸せな家庭を、きっと天国から見ていてくれる彼女と一緒に作っていきたいと心に誓い、前に進み始めるのだ。
保育園から小学校卒業までの10年間―――。子供の成長に、妻と死別してからの時間を噛みしめる健一。そんな時、誰よりも健一と美紀を見守り続けてくれていた義父が倒れたと連絡を受ける。誰もが「こんなはずじゃなかったのに」と思って生きてきた。いろんな経験をして、いろんな人に出会って、少しずつ一歩一歩前へと踏み出してきた。健一は成長を振り返りながら、美紀とともに義父の元に向かう。
そこには、妻が残してくれた「大切な絆」があった―――。

『ステップ』
7月17日(金)より全国ロードショー
監督・脚本・編集/飯塚 健(『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』、『笑う招き猫』、『虹色デイズ』)
原作: 重松 清「ステップ」(中公文庫)
出演: 山田孝之、伊藤沙莉、川栄李奈、広末涼子、余 貴美子
國村 隼
主題歌: 秦 基博「在る」(AUGUSTA RECORDS/UNIVERSAL MUSIC LLC)
配給: エイベックス・ピクチャーズ 
©2020映画『ステップ』製作委員会

画像: 映画「ステップ」7月17日(金) 遂に公開/予告編 youtu.be

映画「ステップ」7月17日(金) 遂に公開/予告編

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