ケネス・ブラナー(1960.12.10)
出身地:北アイルランド
俳優活動:1981〜
出身校:ロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アート(Royal Academy of Dramatic Art)
セイターこそ珍味大作の中で一番珍味だった!?
難解だ〜、難解だ〜、と騒がれつつもクセになるという珍味大作「TENET テネット」で、世界滅亡を目論みつつDVもしちゃう悪役セイター。この作品、最初はロバート・パティンソン(=ニール)の「俺、全部知ってますけどね」的な余裕ぶっこきにハマるものの、何度か観ていると「セイター、デカいこと考えてるけど、結局は淋しい人よね……」というかんじでハマってしまうの。
これ、ケネス様ことケネス・ブラナーをひいき目で観ているあたしだから、というわけではなく、割と周りでは聞こえてくる意見。セイターこそ珍味大作の中で一番珍味だった、というオチ。そこで注目すべきは、セイターを演じたケネス様がどんだけの器か、ってことですよ!
\ココがすごい/
役者だけでなく映画監督としても超一流!
ケネス様、最近は監督としての活躍がめざましいのよね。ビッグなところで『マイティ・ソー』や『シンデレラ』、小ぶりなところで『アルテミスと妖精の身代金』や『シェイクスピアの庭』。
しかも、彼がすごいのは、「北野武か!」ってくらいに、自身の監督作で主演までやってしまうところ。でも、それって今に始まった事じゃないのよね。
そもそもケネス様。「英国一のシェイクスピア俳優」「英国の名優」と呼ばれているゆえんはどこにあるのか。だって、キャリアの初期から「ローレンス・オリヴィエの再来」って呼ばれるくらいのお人よ!
\ココがすごい/
RADA主席卒業からのローレンス・オリヴィエ賞受賞
彼は、英国俳優ではどうしてもつきまとう出身階級は労働階級の出。それも北アイルランドはベルファスト出身。イングランドで過ごした学生時代から演劇をやってたんだけど、アクセントや発音でいじめを受けていたのね。お芝居が心のよりどころだった、ってのもなんとなく納得の幼少期。
そこからが天才。RADA( ロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アート)に進学して、首席で卒業し、すぐにローレンス・オリヴィエ賞で最優秀新人賞を受賞。23歳でロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加して……って、その辺の経歴はバックナンバーのSCREEN10月号を参照くださいな。とにもかくにも、シェイクスピアの舞台に立ったら右に出る者ナシ。それって英国演劇界においては最強。
\ココがすごい/
初監督兼初主演作がアカデミー賞候補に
映画界に進出しても、さすが天才肌。脇役でも主役でもなんでも器用にこなし、映画キャリアの初期から監督&主演作を手がける多才ぶり。なんせ1989年の『ヘンリー五世』からアカデミー賞ノミニーになるのだもの。
その後、90年代こそ、ハリウッド映画だと存在感薄めだったものの、2002年の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』からジワジワとハリウッドでも重要な立ち位置になっていくのよね。でも、ここまで目立つ存在になっているのに、まだオスカーを持っていないというのもおかしな話(BAFTA=英国アカデミー賞やエミー賞は持ってるんだけど)。
きっと近い将来オスカーを獲得して、ゲイリー・オールドマンのときのように「ケネス様だよ? 今までオスカーとってなかったなんて!」って騒がれることでしょう。だって、2012年にはナイトの称号をゲットしたサーよ、サー!
\ココがすごい/
“相思相愛”の相手がみな芸術家肌!
さて、そんなケネス様。『ダンケルク』もあったからノーラン組のようですが、『TENET』はまだノーランとの2作目。でもね、ノーランも毎度「ケネスは本当にすごい。こっちが言ったことをすぐ理解して、それ以上のことをしてのける」って大絶賛。
ケネス様も「ノーランはすごいよ。僕じゃ絶対思いつかないことをやるし、役者に対してものすごく丁寧で仕事しやすいんだ」と相思相愛。あ、愛と言えば、最初の結婚はエマ・トンプソンで、その後ヘレナ・ボナム・カーターと交際してたのよね(今はアート・ディレクターのリンジー・ブラノックと結婚17年目)。演技派カップルの演技論、聞いてみたかったわ……。
いずれにしてもケネス様は、英国アラカン俳優で右に出るモノなしの名優であり名監督。監督&主演作『ナイル殺人事件』の公開を、首を長くして待ちましょ!
©2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.
Photos by Getty Images