大人気ドラマ「ウォーキング・デッド」でジーザス役を演じたトム・ペインが主演を務める「プロディガル・サン 殺人⻤の系譜」がWOWOWにて11月10日より日本初放送される。悪名高いシリアルキラーを父に持つプロファイラーを演じたトム・ペインにリモートで行ったインタビューをお届けする。(インタビュアー・文/奥村百恵)
画像3: (c) Warner Bros. Entertainment Inc.

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ーー本作はトムさんにとってドラマシリーズでの初主演になりますが、「ウォーキング・デッド」で主演を務めたアンドリュー・リンカーンさんをお手本に本作の現場の雰囲気作りをされていたそうですね。

「映画の主演経験はあったのですが、長期間に撮影が及ぶテレビシリーズの現場は初めてのことも多くて、映画とテレビシリーズとは勝手が全然違うんだということを本作で知りました。そこでアンドリューをお手本にしようと思ったわけですが、彼は『ウォーキング・デッド』の現場でゲスト出演する俳優に“ウェルカム!”と歓迎の言葉をかけていましたし、自分の出番がなくてもゲスト出演する俳優の撮影初日には必ず顔を出していました。主演の彼がそういう姿を見せてくれるとキャストやスタッフの士気がぐんと上がるんです。『ウォーキング・デッド』の現場は常に家族のような温かい雰囲気があって、みんなが楽しそうに取り組んでいたけれど、それはトップに立つ人たちがそういう雰囲気を作ってくれたからだと実感したんですよね。なので、アンドリューをお手本に現場の雰囲気を作っていったらやっぱり楽しかったし、チームのみんなからも感謝の言葉をかけてもらえて嬉しかったです。たまに気難しかったり人にきつく当たったりする俳優の話を聞くと、“だったらやらなければ良いのに”と残念に思うというか…。人生は短いので、この幸運に感謝する気持ちを大事にしています」

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ーー『ウォーキング・デッド』と言えばトムさんは銃やキックを使ったアクションをされていましたが、本作ではどのようなアクションに挑戦されましたか?

「『ウォーキング・デッド』ではマーシャルアーツをやったりして楽しかったけれど、シリーズに参加した最初の頃、“はい、乱闘が始まるよー!”の一声でアンドリューがすぐさま群衆の中へ飛び込んでアクションが始まったから、“え、スタントマン使わないの?”と驚いたりしていましたね。本作に関しては想像していた以上にアクションが多くて、時には窓を突き破って飛び降りるなんてこともやっています(笑)。特に難しかったのが、リグを装着してカメラを持ったままやったアクションシーン。あれは大変でした。可能な限り自分でできることはやるようにしています。ただ、僕としてはアクションよりも感情的になるシーンのほうが難しかったというか。泣いたり、叫んだり、大声をあげたり、笑ったりと、凄くエネルギーを使うんです。毎週マラソンを走っているかのような気分でしたね」

ーー再び第一話の話に戻りますが、回想シーンでマルコムと話をしようとした犯人が警察官に撃たれてしまい、マルコムはその警察官を責めますよね。それは何故だと思いますか?

「マルコムは“人は生まれながらにして悪人ではない”と思いたいのではないでしょうか。そう思うことで自分が救われるような気がするのかも。あのシーンでマルコムは“人殺しは生まれながらにして壊れた人間なのではなく、誰かに壊されるのだ”と言いますが、きっと自分の父親のことを“後天的に何かがあって、あのようになった”と思いたいんですよね。マルコムが連続殺人犯のプロファイラーをしているのは殺人者の根本に迫りたいからであり、それは父親を、ひいては自分を理解する手がかりになるかもしれません。面白いのは、視聴者はマルコムだけじゃなくマーティンにも惹かれるということ。心の奥底で“人は生まれながらにして悪人ではなく、何か外的な要因があってそうなる”と信じたいからだと思いますし、僕もそうだったりします。役作りのために“ハッピー・フェイス・キラー”という異名の連続殺人犯のことをフィーチャーしているポッドキャストを聴いたのですが、犯人が幼少の頃に父親から受けた虐待について語っていて、それが殺人犯になった要因のひとつでもあると感じました。きっとマルコムは“ハッピー・フェイス・キラー”のように父親を悪人にさせた外的要因を突き止めたいと思っていて、更に父親に贖罪を求めているのではないでしょうか」

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ーー最後の質問になりますが、シーズン2への継続が決定したと発表がありましたが、本作の人気の要因はどこにあると思いますか?

「シリアルキラーをフィーチャーするシリーズはたくさんあっても、家族背景まで描いている作品は少ないと思います。両親とのわだかまりや家族の問題を抱えている人にとって共感しやすいのがポイントかなと。とあるエピソードで、父親の独房に母親とマルコムが行くシーンがあるのですが、マルコムは両親が顔を合わせるのを見るのが随分久しぶりだったりするんです。そういう複雑な家族関係が描かれていて、そんな空気のなかマーティンが父親らしく振る舞おうとするところなんかは見ていてとても面白いんですよね。そういったユーモアもふんだんに散りばめられていますし、犯罪シーンもバラエティに富んでいて飽きない。そもそもシリアルキラーが出ているドラマを観て“楽しい!”と思えたのなら、その時点でショーとして成功していると言えるのではないでしょうか(笑)」

<STORY>
FBIのプロファイラー、マルコムはある事件の現場で保安官を殴って解雇される。マルコムの父親で医師の マーティンは“外科医”と呼ばれたシリアルキラーで、マルコムがまだ幼いころに、23件の殺人容疑で逮捕された。マルコムは以来、犯罪者の心理に興味を抱き、殺人犯の視点で考えてその心理を理解する凄腕のプロファイラーになったが、父親の逮捕によるトラウマに悩まされ情緒不安定な一面も。かつてマーティンを逮捕したニューヨーク市警の警部補ギルは、マルコムに犯罪捜査への協力を依頼。担当する最初の事件は、マーティンが女性4人を殺した“四重奏(カルテット)”という事件を模倣したものだとみられる。マルコムはFBIに入る時に会わないと決めた父親に意見を聞くため、精神科病院にいるマーティンと10年ぶりに再会するが……

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製作総指揮:グレッグ・バーランティ ほか
出演:トム・ペイン(マルコム・ブライト役/声:武藤正史)
マイケル・シーン(マーティン・ウィットリー役/声:高木渉)
ルー・ダイアモンド・フィリップス(ギル・アローヨ役/声:てらそままさき)
ベラミー・ヤング(ジェシカ・ウィットリー役/声:加藤有生子)
ハルストン・セイジ(エインズリー・ウィットリー役/声:森なな子)
オーロラ・ペリノー(ダニ・パウエル役/声:品田美穂)
フランク・ハーツ(JT・ターメル役/声:安齋龍太)
ケイコ・アゲナ(イドリサ・タナカ役/声:榊原奈緒子)

画像: 全米ヒットクライムスリラーが日本初放送!「プロディガル・サン 殺人⻤の系譜」トム・ペイン インタビュー

「プロディガル・サン 殺人鬼の系譜」

WOWOWプライムにて11月10日(火)スタート(全20話)[第1話無料放送]
毎週火曜 夜11:00|毎週水曜 夜10:00(字幕版)

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