「ウォーキング・デッド」ジーザス役でおなじみのトム・ペインが
異色のプロファイラーをスリリングに熱演!
悪名高いシリアルキラーを父に持つプロファイラーが、特異な経験と才能を活かしてニューヨーク市警で難事件を解決していく姿を描いた本作。主演を務めるのはドラマ「ウォーキング・デッド」でジーザス役を演じたトム・ペイン。五感のすべてを駆使して極限まで犯罪者の心理に近づける前代未聞のプロファイラー・マルコムを魅力的に演じている。
マルコムの父でシリアルキラーのマーティン・ウィットリー役を『フロスト×ニクソン』や『グッド・オーメンズ』のマイケル・シーン、他にも映画「ヤングガン」シリーズのルー・ダイアモンド・フィリップスやドラマ「ギルモア・ガールズ」のケイコ・アゲナなどが脇を固め、「ブラインドスポット タトゥーの女」や「リバーデイル」などのヒットドラマを連発するグレッグ・バーランティが製作総指揮を務めている。
全米での大ヒットを受けてシーズン2への継続も決定した本作の撮影秘話や父親役のマイケル・シーンについて、更に「ウォーキング・デッド」の現場エピソードなどをトム・ペインが語ってくれた。
「自分の中にある一面を引き出して、それを大げさに演じるのは楽しい」
ーー本作への主演が決まったときはどのような心境でしたか?
「FOXのテレビシリーズで主役をいただけたことや、素晴らしいスタッフと一緒に仕事ができることにワクワクしました。中でも一番嬉しかったのはマイケル・シーンとの共演。それを知った瞬間、僕はリビングルームで飛び跳ねたんですよ(笑)」
ーー(笑)。実際にマイケル・シーンさんとお芝居してみていかがでしたか?
「それはもう素晴らしい経験でした。密室で二人きりになるシーンなど、特にパイロット・エピソードの撮影はワクワクしましたね。マーティンがいる独房へ向かう廊下を歩くと、自分の中のテンションがどんどん変わっていくんです。そして独房へ入るとチェーンに繋がれたマーティンがいて、一定以上の距離を進むことができないようになっている。その“境界線”を踏み越えると、部屋の中のエネルギーががらりと変わるので、それを上手く使って工夫しながらお芝居をしているとどこへ向かうのかわからないまま走る感覚になって楽しいんです。彼となら安心してお芝居ができるし、お互いが『プロディガル・サン 殺人⻤の系譜』の世界を生きていると感じられる。そんな経験ができた僕は本当に幸運な俳優だと思います」
ーー第一話の冒頭で、連続殺人鬼である父・マーティンは「我々は同じだ」とマルコムに言いますが、トムさんはこの言葉の意味をどう捉えましたか?
「そのセリフこそがマルコムを描く軸であり、彼の抱える最大の恐怖でもあると思いました。自分がどこかで豹変し、父のようにならないとも限らないと身構えているんです。そもそも父親が殺人者の性向を見せ始めたのは何歳の時だったかもわからないし、父に“我々は同じだ”と言われると、マルコムの中で何かのトリガーが作動してしまうというか。同時に、父親がマニピュレーションに長けていることもちゃんと知っているんですよね。シーズン1は、ある謎が少しずつ明かされていき、マルコムの記憶の断片も呼び戻されるので、そういった部分も楽しめると思いますよ」
ーーマルコムとご自身との共通点はありますか?
「どんな役柄を演じていても共通点は出てくるもので、キャラクターに応じて自分の中にある一面を引き出して、それを大げさに演じるのは楽しいです。僕は周りの人達とのやり取りの中で時おり垣間見せるマルコムの遊び心が好きだし、真心があるところもいいなと思っているので、そこは強調して演じているかもしれないですね。それから、マルコムの父親への思いを表現する際には自分の親への感情を活かすこともありました。例えば、どんなに父親のことを理解しようとしても完全にはできないもどかしさを感じたりもするので、そこをマルコムに重ねながら演じたり。あれこれ問い詰めたい気持ちとは裏腹に、“お父さん”でいて欲しいというアンビバレンスな心情を役に投影したりもしました。と言っても僕の父はシリアルキラーではないですけどね(笑)」