時代に翻弄され続けるペペの“蛙生”から観た世界の今とは
本作は人気アーティストが生み出したキャラクターが辿る数奇な運命と社会の今を、アニメーションを織り交ぜて描き出したドキュメンタリー映画。
ハッピーなキャラクターたちが繰り広げる若者のリアルな日常を描き、カルト的な人気を博したマット・フューリーの漫画「Boy’s Club」。しかしその主人公ぺぺが放ったセリフ「feels good man(気持ちいいぜ)」が全ての始まりとなる。
いつからか掲示板や SNS には、このセリフと共に“ネットミーム”として改変されたぺぺが溢れだした。2016 年アメリカ大統領選時には、匿名掲示板「4chan」でオルタナ右翼たちが人種差別的なイメージとともにぺぺを大拡散。挙句に ADL(名誉毀損防止同盟)からヘイトシンボルとして正式認定される始末…。マットの思いとは裏腹にぺぺの乱用は更に加速し、なんとトランプ大統領の誕生に一役買うまでになり…。
監督のアーサー・ジョーンズは、友人のマットを助けるため本ドキュメンタリーを制作。アニメーションを駆使しながら今最もホットでダークな問題を浮き彫りにした。
さらに Netflix「ボージャック・ホースマン」のリサ・ハナウォルトや漫画家のジョニー・ライアンなど、気鋭クリエイターたちも登場。フィクション=ミームが現実世界に影響を与える時代におけるクリエイターの苦しみと喜びも描かれる。
サンダンス国際映画祭新人賞を受賞、アメリカ No1 映画批評サイト「ロッテントマト」で 96%Fresh を獲得し海外メディアからも絶賛された本作が遂に日本上陸する。SNS、ヘイト、デモ、仮想通貨、大統領選、陰謀論…時代に翻弄され続けるペペの“蛙生”から観た世界の今とは——。
フィールズ・グッド・マン
2021年3月12日(金)ユーロスペース、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開
配給:東風+ノーム
©2020 Feels Good Man Film LLC